男女間のパートナー探しを分析する心理学の研究
短期的なおつきあいから真剣な結婚相手まで、オンラインのデートアプリは世界各国で幅広く利用されています。アプリ上の人々の好みや選択基準について心理学的な研究も数多く行われています。
カナダのセントメアリーズ大学とアメリカのバックネル大学の進化心理学の研究者が、デートアプリでカジュアルで短期的な付き合いを求める人々はどのような行動を取っているかについて、750人のプロフィールの分析と聞き取り調査した結果を発表しました。
調査されたのは、真面目に長期的な付き合いを求める男女450人、カジュアルで短期的な付き合いを求める男女300人のプロフィールでした。
この中で長期的な付き合いを求める男性と、短期的な付き合いを求める男性の違いでクローズアップされたのが犬の存在でした。
長期の交際希望の男性は犬との画像を使う確率が高い
本人への聞き取り調査とアプリ上のプロフィールの両方から分析した結果、真剣で長期的なパートナーを探している男性では、10人中8人がプロフィール画像で犬と一緒にポーズをとっていました。
一方、短期的な付き合いを求める男性では犬と一緒に写っているのは10人中5人でした。こちらのタイプの男性は所有しているバイクやボート、釣り上げた魚と一緒に写っているプロフィール画像が多かったそうです。
研究者は犬を飼うことについて「経済的な投資であるだけでなく、散歩や日々の世話といった時間や手間の投資でもある」と表現しています。
犬を可愛がっている男性のプロフィールを見た女性は無意識のうちに、その男性が責任感があり信頼できそうだと感じると考えられます。また男性が犬と築いている関係から、自分とその男性との関係性を推測すると思われるとも述べています。
デートアプリでは犬が罠であることも!
しかし、犬と一緒に写っているから安心!と言えるほど単純なものではないのは、簡単に想像がつきます。多くの男性は犬が女性を惹きつけることを知っているからです。
これはそのような情報を見聞きして知っている場合と、無意識に考えている場合の両方があるそうです。
聞き取り調査の中で「女性ウケが良いと思って友人の犬を借りて写真をとった」と告白した男性も少なからずいたそうです。
過去の別のアンケート調査では「犬と一緒のプロフィール画像を使うと成功率が高くなった」と6割以上の人が回答したという報告もあります。
また一方で、犬と一緒に写っている人と会ってみたのは、その人よりも犬に会いたかったからと答えた人も4割いたそうです。
「犬を可愛がっているからいい人!」と思うのも「犬の写真を使えば有利!」と思うのも、罠が潜んでいる可能性があるということですね。
まとめ
デートアプリの登録者のプロフィールを分析した結果、真剣で長期的なパートナーを探している男性の約8割は犬と一緒に写っているプロフィール画像を使っていたという研究結果をご紹介しました。
実際には自分の犬ではなかったり、犬を飼っていても無責任だったりする場合ももちろんありますが、きちんと犬と暮らしている人が魅力的なのは男女問わず確かですね。
犬を利用するのではなく、自分自身の一部として犬を紹介している人を見抜くことが必要なようです。
《参考URL》
https://link.springer.com/article/10.1007/s40806-021-00282-0
https://www.thetimes.co.uk/article/when-it-comes-to-finding-love-a-dog-really-is-a-mans-best-friend-w635sphkc