【誤食事故】命の重さを理解してない飼い主とウィペット兄弟犬

【誤食事故】命の重さを理解してない飼い主とウィペット兄弟犬

犬の飼育率は年々増加しており、生活環境も昔と比べ室内で飼われるようになりました。毎日たくさんの犬が動物病院に来院してきますが、室内飼育による誤食事故が多く起きています。その背景には飼い主さんの不注意があり、場合によっては命を落とす危険があります。動物看護師として働いている私が実際にあった命の重さを理解していない飼い主さんについてお話ししたいと思います。

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私は現在、動物病院で動物看護師として働いています。これまでにたくさんのワンちゃんやその飼い主さんと出会ってきました。その中でも命の重さを全く理解していないと感じたある事故についてお話ししたいと思います。

生米を誤食したウィペットの兄弟

2匹のウィペット

ある日、初診のウィペットの兄弟が動物病院へ来院してきました。

「30分前くらい前に、兄弟2匹で目を話した間にイタズラで生米を少量食べちゃったの。でも調子はいつも通りで変わりなく元気よ」

と、サラっとお話をされました。犬との生活する中で誤食事故は圧倒的に多い事故です。

誤食したものや量、大きななどによって異なりますが、誤飲は命の危険性が非常に高い事故なのです。そのため危機感がなく平然と話す飼い主さんが信じられませんでした。

私は緊急性が高いと判断し、すぐに獣医師を呼び診察を始めました。

飼い主さんの稟告では誤食してからあまり時間が経過しておらず、誤食したのが生米で吐かせることができる為、ウィペットの兄弟2匹とも催吐処置をおこないました。

吐き気を催すため静脈に薬剤を投与した数分後に、ウィペットの兄弟犬は誤食した生米を大量に吐き出しました。

飼い主さんのお話しでは食べた生米は少量とのことでしたが実際に吐き出した量を計測してみたところ、2匹合わせて約400gとかなりの量です。

明らかに飼い主さんが話してた量と違い過ぎて、ワンちゃんのことをちゃんと見ていないのかと、とても悲しい気持ちになりました。

反省の色がなく命の重さを理解していない飼い主

走るウィペット

催吐処置にて大量の生米を吐き出し、幸いにも一般状態も良好だったため、その日のうちにお迎えに来ていただきました。

そして飼い主さんに実際に吐き出した大量の生米を見せ、今後再び誤食事故を起こさないように獣医師と共に注意と説明を行いました。

さすがに現物を見て事の重大さを気づいてくれたかと思いましたが、飼い主さんの態度は変わらず…。

「えー!こんなに食べていたの?ダメでしょー」と言うと、私たちに向かって「この2匹ヤンチャで、全然言う事聞かないのよね」

と、半笑いでお話をされました。

さらに、全く反省の色がみられないどころか飼い主さんの口から衝撃な事実を聞かされました。

「前にも生米食べちゃったこあったのよねー、本当にダメな子達なのよね」と…。

実は以前にも生米を誤食し、催吐処置したことがあったのでした。ですがその言い分は、誤食事故を起こしたのは全部ウィペットの兄弟犬が悪いと言っているかのように聞こえました。

前にも誤食事故をおこしているのならば何も対策をしなかった飼い主さんの注意不足でもあり、イタズラする性格を知りつつもそれに対しても対処していなかったことが誤食事故へと再び起こしてしまったと思います。

今回は運良く命に別条がなくてよかったですが、誤食したものによっては消化管に詰まってしまったり、中毒をおこし最悪の場合は命を落としてしまうこともあります。

しかも催吐処置でも強制的に吐かせるため、相当なダメージをあたえてしまいます。それなのに命を重さを、事の重大さを軽々しく認識しているような飼い主さんが私には理解できませんでした。

誤食事故を防ぐ対策

横たわるウィペット

今回のケースも含めて、今までたくさんの犬の誤食事故をみてきました。ほとんどが何度も誤食し、催吐処置や開腹手術をおこなっています。

多くの犬が室内で飼育しているだからこそ、誤食事故を起こさないように気をつける必要があります。

以下に対処法を具体的にまとめてみましたので、お役に立てていただければと思います。

  • 犬がいる範囲に危険な物を置かない
  • 留守中はゲージに入れる
  • フタ付きのゴミ箱にする
  • 散歩中の拾い食いする場合は口輪を付ける
  • オモチャを出しっぱなしにしない
  • リードは短めに、伸びるタイプは使わないこと

まとめ

カップルと2匹のウィペット

犬にとって危険な物は日常生活にたくさん存在します。多くの犬が室内で飼育している現在、誤食事故は非常に多く、年間約20万件も発生しているといわれています。

食品だけではなくヒモやタオル、靴下等の布類のほか、最近ではマスクの誤食事故も増えてきています。その他にもオモチャの破片やボタン、果実の種、串等も多く、洗剤や殺虫剤、植物による中毒症状を起こして命を落とす事例も報告されています。

事が起きてからでは、取り返しのつかないことになってしまうかもしれません!

一緒に生活しているからこそ犬目線で物事をみてあげることがとても大切です。日本で飼育されている多くが小型犬であり、私たち人間よりはるかに体が小さいため、たとえ少量でも命に関わってきます。

動物看護士として多くの辛い場面を見てきたからこそ、改めて犬と共に生きるという、責任、その命の重さを感じてほしいと切に願います。

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