オーストラリア発、災害時の避難計画とペットについての調査結果

オーストラリア発、災害時の避難計画とペットについての調査結果

ペットと暮らす人にとって自然災害での避難は常に頭の痛い問題です。オーストラリアで避難計画とペットに関するアンケート調査が行われ、その結果が発表されました。

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災害時の避難計画、ペットを含めて考えている?

ペットと一緒に避難する家族のイラスト

かつてないほどの大規模な自然災害は今や世界中の問題となっています。日本でも地震や水害の際に愛犬や愛猫との避難が度々問題になり、ペット同行避難を勧める自治体が増えつつあります。

しかし、ペットを家族と考える飼い主と自治体の対応の温度差に心と頭を痛めている飼い主さんも少なくありません。

オーストラリアにおいてもペットと避難計画というのは大きな問題であるようです。この度、同国のジェームズ・クック大学災害研究センターの研究チームが、災害の多い地域住民を対象にした災害時避難計画とペットについてのオンライン調査を行いました。

明らかになった準備の甘さ

緊急セットを準備する女性

調査対象となったのはクイーンズランド州のタウンズビルという都市でした。この街は過去10年の間にサイクロン、洪水、山火事を経験しています。また、街の職業的および教育的にもペット所有率が比較的高く、多くの住民の居住年数は数年だという特徴があります。

SNSなどを通じて調査への回答に応じたのは合計242人のペットオーナーたちでした。飼育されているペットのうち、80%は犬で39%が猫でした。回答を集計した結果、災害時にペットを含めた避難計画について準備が不十分な人が大多数だったことが分かりました。

42%の人が災害緊急備品セットや避難計画を準備しておらず、避難計画を立てていると回答した人でも、その計画にはペットも含めて考えていると答えたのは39%しかありませんでした。

このように準備や計画が不十分であるにも関わらず、回答者の95%は災害時にペットを避難させることができると考え、91%の人がペットを置き去りにしたくないと回答しました。

また回答者の大多数は、緊急時のペット同行避難に関する情報を知らない、またはどこで情報を得ることができるのか分からないと答えています。どの避難所であっても無条件でペットと一緒に避難できるという誤った情報を持っている人も4%いました。

災害準備の弱点がわかったことが改善の手がかりになる可能性

レスキュー隊員に保護されている犬

調査を実施した研究者は、災害時にペットを見捨てられないという動機は人の命を危険に晒すことにつながることを指摘しています。

ペットのために逃げ遅れたり、残して来たペットのために危険のある地域に戻ったりする例が多いからです。安心してペットと避難できる環境を整えれば、より多くの人命を救うことにつながります。

調査結果から分かった「飼い主の準備不足」と「ペットへの愛情」という2つの事象は、緊急時のリスク管理と計画立案をする自治体などに大きなヒントを与えているのではないかと研究者は述べています。

ペットを飼っている人向けに「あなたのペットのために」という点にフォーカスした避難計画を提案することは、より多くの人の具体的な関心を引きつけ災害への準備の改善につながる可能性があります。これは結果的により高い人間の生存率につながるとも考えられます。

オーストラリアでは災害時の避難所に、ペットを同行したり収容することは義務付けられていません。ペットの扱いをどうするかは自治体によって方針が違います。

この点についても、ペットの飼い主に自分の住む自治体の方針を日頃から確認しておく重要性を述べています。また自治体に対しても住民への情報と教育を積極的に提供するよう提案しています。

まとめ

洪水時に避難中の犬たち

オーストラリアで、自然災害の多い都市のペットオーナーを対象にした調査で、ペットを含めた災害準備が不十分な人が多い一方で、ペットを置き去りにしたくないという人が圧倒的に多かったという結果をご紹介しました。

研究者はこの調査結果を地域の災害対策計画に活かすよう公的に提案しています。災害時のペット同行避難対策が自治体によってまちまちで、改善すべき点が多いというのは日本と共通するところが多いようです。

この調査結果からは、自治体が住民に対してアプローチする際、対象を絞った情報発信を複数準備することの可能性が示されています。(この調査ではペットオーナーでしたが、他に「高齢者のいる家庭」「乳幼児のいる家庭」など)

他国の事情を知っておくと、ペット同行避難について自治体に働きかける際などの参考になるかもしれませんね。

《参考URL》
https://knowledge.aidr.org.au/resources/ajem-july-2021-promoting-owner-responsibility-for-pets-in-disasters/

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