犬に異常がみられたらすぐに動物病院へ!
緊急事態が起きたときに一番最初に発見するのは飼い主さんであることが多いと思います。緊急事態は、ご家庭内だけでなく外出先でも起こり得ます。
愛犬に緊急性の高い異常がみられたらすぐに動物病院に電話し、飼い主さん自身がパニックにならずにできるだけ早く動物病院に連れていきましょう。かかりつけの動物病院が対応していない時間には、できるだけ近い救急病院に連れていくことになります。では、病院に着くまでの間、飼い主さんにできることはなんでしょうか?
飼い主さんができる応急処置は?3事例をご紹介
ここでは、緊急事態の事例ごとに応急処置をご紹介します。
1.息が荒い
犬は体温調節のために、暑い時は口を開けて「ハアハア」と息をします。これはパンティングと呼ばれ、ごく自然な行動です。しかし運動後でもないのに異常に息が荒い、いつもはパンティングしないような暑さでパンティングしている、異常に呼吸が浅く早い場合は、何かしらの異常が生じているかもしれません。
正常の場合、呼吸数は1分間に15~30回ですが、40回を超える場合は緊急性が高いといえます。呼吸数が多くなる原因として考えられる病気には、気管支炎や肺炎、心臓の病気、熱中症などが挙げられます。
愛犬の呼吸が速い時に飼い主さんができる応急処置としては、まずは犬が呼吸しやすい姿勢にしてあげることです。うつ伏せが良い場合が多いでしょうが、犬が自分で動ける場合には自分でとる姿勢が呼吸しやすい姿勢だと考えられますので、その姿勢を維持しやすいようにしてあげましょう。うつ伏せの場合に、アゴの下にタオルや毛布を置くと呼吸が楽になることがあります。
他には、できるだけ新鮮な空気が吸える環境を整えてあげ、熱中症が疑われる場合には体を冷やしてあげましょう。
2.骨折、脱臼
チワワやトイプードル、ポメラニアン、ミニチュア・ピンシャーなどの小型犬、骨が細く弱い犬種は骨折しやすい傾向にあります。ご家庭内のソファから上り下りしたときや飼い主さんの抱っこから地面に降りたときなど、些細なことで骨折することも珍しくありません。
骨折してしまった場合に飼い主さんができる応急処置は、できるだけ折れた骨が動かないように添え木をすることです。段ボールを折ったり、超小型犬であれば割りばしでも十分かもしれません。そこにガーゼや包帯を巻き固定します。ただし、添え木をあてる場所が間違っていたり包帯の巻き方が悪い場合には、より状態を悪くさせてしまうことがありますので、不安な場合には添え木はせず、毛布やタオルで骨折部位を包んで出来るだけ動かしたり触れないようにしましょう。
脱臼の場合にも、できるだけ脱臼した部位には触れず、安静にさせて病院に連れて行きます。
3.異物を飲み込んだ
犬が異物を飲み込んだときに吐かせるための応急処置法には、水や食塩、オキシドールを飲ませるといったものや、頭や体を動かすなどのさまざまなものが提案されていますが、飼い主さんが自分で行うと愛犬をより危険な状態にする恐れがあります。
愛犬が異物を飲み込んだときは自分で吐かせようとせずに、すぐに動物病院に連絡をして状況を伝えましょう。
- なにを、どの位の量飲み込んだのか
- いつ飲み込んだのか
- 今の様子はどうか
の3点を把握し、獣医師さんに正確に伝えます。飲み込んでしまった物と同じ物があったり、飲み込んだ物を自分で吐いた場合には、写真を撮るのも良いですね。
まとめ
愛犬に異常がみられたら、自分で何か処置をしようとするよりも、すぐに動物病院へ電話して指示を仰いでください。
もし交通事故にあったりぐったりしているような場合には、下記のことを確認し、獣医師さんに伝えましょう。
- 出血はあるか
- 呼吸はしているか
- 脈はとれるか
- 名前を呼ぶと反応するか
動物病院に着くまでの間には飼い主さんができることを行います。愛犬の緊急事態では、飼い主さんのパニックになっている様子は犬に伝わってしまうため、緊急事態だからこそ冷静に応急処置をして動物病院に連れて行ってあげてください。