1.ウンチの前に地面のにおいをかぐ
犬がウンチをする前、その周辺の地面のにおいを嗅ぐ行動が多く見られます。
散歩中に地面のにおいを嗅いでいる犬は多いと思いますが、ウンチをする前には、狭い範囲をしつこく嗅ぎ続ける様子が見られるので、「そろそろトイレがしたいのかな?」ということがわかると思います。
犬はにおいを嗅ぐことで、様々な情報を読み取っているとされています。においからその場所を通った他の犬や猫、虫などの存在を認識したり、そこで何があったかということを確認したりしているのです。特に、他の犬が残した排泄物のにおいには多くの情報があるようです。
他に犬がトイレをした場所にあえて上からトイレをしてマーキングを上書きしたり、他の犬が「自分の陣地だ!」とアピールしている場所は避けてトイレをしたりします。
犬にとってトイレをすることは、ただの排泄行為ではなく、情報交換や意思伝達のための行動でもあるので、慎重に場所探しをするのです。
2.ウンチの直前にクルクルと回る
地面のにおい嗅ぎが終わってウンチをする場所が決まったのに、今度はその場でクルクル回るという行動を見せることがあります。
これは、犬が本能的に受け継いでいる危機回避のための行動だとされているので、安心してウンチをできるように見守っていてあげてください。
野生の動物にとって、排泄をすることはにおいによって自分の存在をアピールすることになるため、危険な行為でもあります。
においを辿って、自分たちの居場所が見つかってしまうこともありますし、排泄中は無防備な状態になるため敵に襲われる危険性が高まります。そのため、排泄場所が安全な場所であるかとしっかりと確認する習性があるのです。
特に、クルクルと回ることで地面を踏みつけて、草の下にヘビや危険な毒虫などが隠れていないか確認しているとも言われています。何度もその場所で動くことで、危険なものを遠ざけようともしています。
3.ウンチをしながら飼い主の目を見つめる
排泄時に「どうしたの?」と思うような行動として挙げられるのが、ウンチ中に飼い主さんの目をじっと見つけ続けるというものです。
何だか面白くも感じてしまう行動ですが、これは犬なりの危険回避のための行動とされています。
前述したように、動物にとって排泄中というのはとても無防備で、敵に襲われたり危険が迫ったりしていてもすぐに対応できない状態です。そのため、信頼できる飼い主さんに対して、「トイレ中まわりを見張ってて!」と伝えるために、飼い主さんを見つめていると考えられます。
不安や警戒心から飼い主さんの目を見つめている場合は、自宅や通い慣れた公園などではそのようなことはせず、初めて行く場所や知らない人がいる場合などにそうした様子を見せるようです。
4.ウンチの後に後ろ足で地面を蹴る
犬はウンチをした後に、後ろ足で地面を蹴る行動をすることがあります。これは、自分の排泄物に砂や土をかけて隠し、においが遠くに届かないようにするために行われているとされています。
排泄物のにおいは強いため、離れた場所にいる敵にも居場所を悟られてしまうことがあるので、それを防いでいるのです。
しかし、砂や土などがない場所でも後ろ足で蹴る仕草をする犬がいます。こうしたことから研究が進み、排泄後に蹴る行動には、隠すのとは逆の意味があるということも考えられるようになってきています。
排泄した場所の周囲を蹴り上げることで、そのにおいを周囲にまき散らしているのではないか、という説が近年の研究では濃厚になってきているのです。つまり、マーキング行動の一貫として、このような行動を取っていると考えられています。
まとめ
犬がウンチをする前や後、最中には様々な行動を見せます。その多くが、安心して排泄をするためであったり、自分の意思を表現するためであったりします。
動物にとって排泄はとてもデリケートなものなので、その犬なりの行動や仕草をできるだけ見守ってあげてください。