ワンコの超初心者がやんちゃな保護犬の飼い主に?!
思いがけず出会ったやんちゃな保護犬エディ
犬を飼うということを漠然と考え始めたのはかれこれ4年前、在宅のフリーランス業で1日の大半をパソコンと向き合うだけの日々を送り、生きる目的さえもよくわからなくなっていた時期でした。
その頃の私の楽しみといえば、疲れた頭でぼーっと眺める犬のYouTube動画。特に国内外の保護犬の動画だけだったのです。保護犬に興味を持ったのは自分にとってごく自然な流れでした。
ある日、意を決して電車で1時間半ほどかかる犬の保護施設へ見学に行きました。
それまで犬を飼った経験はおろか犬と接した経験もほとんどなかったため、さすがにすぐに犬を引き取るつもりはありませんでした。ただ、犬を飼うなら今しかないという確信がどこかにあったのです。
小さい頃は小児喘息を患っていたため毛のあるペットを飼うことはできませんでしたが、今は喘息も完治。病院のアレルギー検査でも犬アレルギーは陰性、経済的にも自立しており住んでいるのはペット可のマンションなので何の問題もありません。
とはいえ犬に関しては超初心者ですので、引き取るにしても大人しくて優しい性格の子にしようと考えていました。ところが保護施設で真っ先に目を引かれたのは、ケージの中で吠えることもなく、どこかふてぶてしくこちらを見ていたエディです。
スタッフさんによると「パワーがあり余っていて、決して大人しくはないのでしつけが大変ですよ」とのこと。ですが一目見てエディを気に入ってしまった私はスタッフさんの助言もあまり耳に入らず、一晩ほど検討して引き取ることに決めたのです。
意外と繊細だったエディ
エディは保健所から保護施設に引き取られた子でした。
引き取った時点で推定8か月齢、体重は12kgほどですでにかなり大きかったのですが、仕草や顔つきにはまだまだ子犬の無邪気さや愛らしさが残っていました。
犬や人、車やちょっとした大きな音を怖がる様子はなく、一見すると何の問題もなく思われます。
ただ、一人にされることを異様に怖がり私がほんの数分ゴミを出すために部屋を空けるだけでも、その場でおしっこをしてしまったり部屋のものを壊してしまったり、かなり精神的に追い詰められてしまうようでした。
保護施設に来たときは汚れたぼろぼろの首輪を付けていたそうなので、どこかで飼われてはいたのは確かです。
おそらく脱走するか捨てられるかしてから保健所に確保されるまでの間、一人で心細い思いをしたのかもしれません。そこで引き取ってしばらくの間は、あまり長時間一人でお留守番させたりせず、焦らず短時間ずつのお留守番トレーニングを繰り返しました。
その甲斐あって、現在ではお留守番にも全く動じません。飼い主が絶対に帰ってくることを信じてくれているのは嬉しい限りです。
毎日ドッグランで友達と走り回る日々
幸い住居から徒歩5分のところに市営の無料ドッグランがあり、最初から遊び友達には困りませんでした。同じ年頃のやんちゃなワンちゃんと毎日のように全力で走り回り、転げ回っていました。
またお散歩も大好きで、2歳くらいまでは私の仕事が休みの日に、半日ほどかけて遠くまでお散歩することもしょっちゅうでした。
エディが私にくれたもの
エディを迎えたときは毎日仕事漬けで余裕がなく、犬の飼育経験も全くない状態でした。そんな自分がいきなり遊び盛りの子犬を迎えるなんて、と私は自分自身の無謀さに呆れていました。
ですがエディと一緒に暮らすようになってから、それまで白黒で無味乾燥だった人生が急にカラフルで味わいあるものに変わっていったのです。
仕事をしている私の足元で、デスクチェアの足に顔をくっつけるようにして眠るエディ。初めて公園で遊んであげた時、見たことがないくらい嬉しそうな顔をして喜んでいたエディ。
休みの度に遠出をして、エディと一緒に眺めたたくさんの素敵な景色。エディと過ごす時間すべてが何よりも大切な思い出になっていきました。
もともと一人で過ごす時間が好きで、人生は一人でも生きていけるとどこかで思っていた私ですが、エディに出会って生きている者同士の触れ合いがどんなに大切かを思い知らされました。
エディと歩いているだけで、以前に似た犬を飼っていたという方や単に犬好きの方などが嬉しそうに声をかけてくださったり、あるいはただニコリと微笑みかけてくださったりする方もいます。
ただそこにいるだけで誰かを幸せにしたり和ませたりすることができる。そんな存在が自分のそばにいるということが、今の自分にとってはとても心強くありがたいことです。
現在のエディ
大人になるにつれて気難しくなり友達が作りづらくなってきたエディですが、大好きな友達に対しては相変わらず情が厚く優しいお兄ちゃん肌です。
現在、エディにはウルフという相棒がいます。同い年のオスの元保護犬です。
オス同士ということで始めはうまくやっていけるか心配でしたが、ウルフとは最初から仲が良く喧嘩らしい喧嘩もほとんどなくこれまでやってきました。頑固な兄貴分のエディと優しくてお調子者のウルフは、本当に良いコンビです。
まとめ
コロナの影響でペットの需要が増しているという昨今ですが、その陰で面倒を見切れなくなり捨てられるペットも急増していると聞きます。
私も仕事が多忙なのにも関わらず、精神的な救いを求めて敢えて保護犬を引き取ってしまいました。
ただ犬と生活してみてわかったのは、彼らはただの同居者ではなく、寄り添ってくれる仲間でありパートナーであり、絶対に裏切らないであろう信頼できる相手だということです。
犬の世話は確かに大変ですが、一緒に暮らすことで得られる安らぎや幸福感と比べると、お世話の負担なんて取るに足らないもの…と考える飼い主さんもたくさんおられることと思います。
今後単身者として2頭の世話をしていくにあたり、もしかするともっと困難なことが出てくるかもしれません。それも覚悟して、これからもエディとウルフの一生を見守るために全力を尽くそうと思います。