出会い
この子と出会ったのは、当時私の働いていた動物病院。この子はそこの患者さんでした。道端に捨てられており、自力では立てずに大変な状態で診察に来ていたのです。
推定1歳。恐らく生まれてから一度もトリミングをしてもらえていない様で、全身毛玉だらけで、犬種もわからない状態でした。
一度は保護した方のお家にもらわれましたが、歩けない事が原因でまた手放されてしまいました…。
回復
その後の検査で歩けない原因もわかり、動物病院で治療しながら保護することに。
最初は本当におとなしい子でした。甘え方もわからず、ご飯もほとんど食べず、自分のおかれている状態を一生懸命理解しようと、怯えながら周りを見ていました。その後治療の甲斐あり、みるみる歩けるように!
トリミングもしてあげて、どうやらトイプードルであることがわかりました。周りに沢山の人と沢山のわんちゃんがいる事もあり、少しずつ心を開いてくれて気づいたら明るく甘えん坊のわんちゃんに。
ブラウンのトイプードルは明るい子が多いですが、この子も例外ではありませんでした。おもちゃが大好き!人間大好き!でも初対面の男の人は少し苦手でした。
元気に暮らせるように
保護された頃からフードをあまり食べない子でした。フードを残して、おじいちゃん先生からおやつをもらって、またフードを残して…。
小型犬で食むらのある子は多いですが、食べないのが可哀想と美味しいものばかりあげていたら全くフードを食べない子になってしまう可能性があります。そこでおやつをやめてフードを食べる練習をしました。
最初は食べやすいペーストごはんから。少しずつウェットフードを足して、ウェットフードが食べられる様になったら少しずつドライフードを足して…食べ終わったらご褒美におやつを与えて沢山褒めてあげました。
そして大変なのがトイレトレーニングです。寝たきりだったこともあり、好きなタイミングでお布団や敷物の上で粗相してしまいます。
この子の場合は遊びたい欲が強かったので、サークルに入れて「ワンツー」の掛け声をかけ、トイレができたらサークルから出して沢山褒めて沢山遊んであげる。あきらめず気長に続けてトイレも習得してくれました!
治療
元々の病気は安定してきて普通に歩けるようになったのですが、ある日後ろ足を上げたまま戻せなくなりました。膝蓋骨脱臼。小型犬にとても多い病気です。
せっかく歩けるようになったのに、また歩行が困難になってしまい、可哀想ですぐに手術をしてもらいました。手術は成功し、少しのリハビリで問題無く歩ける様に。これでまた元気に走れます!
家庭犬へ
フードがちゃんと食べられるようになり、トイレもほとんどできる様に、病気も治りました。私は職場に居たこの子が可愛くて大切で、家族にしたいという気持ちが芽生えていました。でも甘えん坊のこの子は毎日留守番じゃ可哀想で…。
先生に相談し毎日仕事に連れて行く許可がもらえました!そして晴れてうちの子に♪
お家での様子
うちの子に迎える前から何度かお泊りさせていたので、家に馴染むのに時間はかかりませんでした。家ではいつも私の膝の上をキープしています。
お出かけもなるべくこの子が一緒に行ける場所を選び、旅行も沢山行きました。今まで行ったことの無かったドッグランやドッグカフェ、ペンションやわんちゃん同伴の温泉宿など。いろんな場所にこの子が連れて行ってくれている様でした。
ホームセンターやドライブスルーでは「ぬいぐるみみたいー!」と話しかけられる事が多く、今では自慢の我が子です。
まとめ
この子に出会ったときは、「可哀想なわんちゃん」と思っていました。あの頃辛かった分、今は幸せになれるように沢山愛情を注いでいます。そしてこの子も沢山の愛情を私にくれます。
純粋に無償の愛をくれる存在は私にとって宝物です。愛する事、愛されることを教えてくれました。こんなに大切な存在に出会えて私は幸せです。この子の人生も幸せなものになりますように。