間違ってない?犬の抱っこをする『正しい方法』4つ

間違ってない?犬の抱っこをする『正しい方法』4つ

愛犬を抱っこしていると幸せな気分になれますよね。でもあなたのその抱っこ、愛犬にとって安全な抱っこですか?正しい抱っこの方法をご紹介します。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

できると便利!抱っこが役立つ場面

犬を抱いて買い物している男女

四足歩行のわんこにとって当然のことですが、自然界の生活の中では「誰かに抱っこされる」場面は存在しません。そのため抱っこは慣れていないと抵抗のある子も少なくないですし、「そもそもわんこを抱っこする必要ってあるの?」と疑問に思っている人もいるかもしれません。

しかし、人間と一緒に暮らしていくにあたっては、抱っこができたほうが何かと便利な場面があります。例えば下記のような場合です。

1.お店で買い物をするとき

大規模ショッピングモールなどでは、ペットグッズを扱わない一般向けのお店であっても「抱っこでわんこ入店可」のお店も多くあります。おとなしく抱っこされていることができれば、愛犬とのショッピングの幅も広がります。

2.短距離の移動のとき

自宅の玄関から車まで、車から動物病院までなど、足が汚れてしまう、道草させずにさっと移動したいなどの理由で、できたら地面を直接歩かせたくない場面というのはありますよね。短距離の移動の場合に抱っこができれば、それらの問題も解決できます。

3.苦手な相手と距離をとりたいとき

他のわんこや人間が苦手というわんこの場合、苦手な相手と顔を合わせた途端に興奮してしまって手がつけられなくなること、ありますよね。

またこちらはそうでなくても、向かってくるわんこが激しく威嚇してきて危険を感じるといった場合もあります。相手と距離をとって落ち着かせたい、危険を回避したいという場合にも、さっと抱っこすることができると安心です。

4.人混みを移動するとき

お散歩中や観光地を旅行しているときなど、どうしても人混みの中を歩かなければならない場面があるかもしれません。

人混みの中を移動する場合、そのまま地面を歩かせていると体の小さいわんこの場合は誰かに踏まれてしまうリスクもありますし、逆に犬嫌いの人を怖がらせてしまう可能性もあります。空いている場所は歩かせて、人混みは抱っこというふうに臨機応変に対応できるとスムーズです。

5.お散歩の途中で歩かなくなってしまったとき

お散歩に出かけたのはいいものの途中で疲れてしまって歩かなくなってしまった、飼い主さんが行きたい方向とわんこが行きたい方向が噛み合わずに抵抗されてしまったなど、お散歩中に立ち往生した経験がある人も少なくないと思います。

そんなときも抱っこができれば、強制的にわんこを連れ帰ることができますよね。

ここがポイント!わんこの正しい抱っこ

小型犬を抱く女性

そんな何かと役立つ抱っこですが、むやみやたらに抱き上げればいいわけではなく、正しい方法で抱っこすることが大切です。

冒頭でもご紹介したとおり、自然界ではわんこが抱っこされるという場面はありえません。つまり抱っこというのは、わんこにとっては非常に不自然な体勢なのです。正しく抱っこしないと、わんこの身体に負担をかけたり、きちんとわんこを制御できなくて危ない目にあわせたりしてしまうことになってしまいます。以下、犬を抱っこする時のポイントについて解説いたします。

1.正面から抱き上げない

人間の子供を抱き上げるときには、正面から向かい合って脇の間に手を入れ、そのまま垂直に持ち上げるというのが一般的です。

ですが、わんこを同様の体勢で抱き上げるのはNG。わんこを抱き上げる際には正面からではなく、横から胸やお腹、お尻を抱え込むようにして持ち上げるようにしましょう。

2.お尻をしっかり支える

超小型犬や小型犬で片腕の中にすっぽり収まってしまう場合には、飼い主さんのひじとわきでわんこのお尻を挟み、同じ側の手でしっかりと胸を下から抱え込むように支えましょう。わんこの胸やお腹だけではなく、お尻もしっかりと支えてあげることでわんこの体が安定します。もう少し大きいわんこの場合には、地面に立っているわんこの腕と脚のつけねを、飼い主さんが両腕をひろげて外側から抱え込み、まっすぐに上へ持ち上げます。両腕で作った大きな輪の中にわんこの体全体がすっぽりと収まるイメージです。この時も、わんこのお尻は飼い主さんの腕でしっかりと支えられています。この抱っこの方法は、大型犬でも使うことができます。もちろん、飼い主さんが無理をしない範囲で抱っこして下さいね。

3.わんこの身体は地面と平行に

抱っこで持ち上げたとき、わんこの身体(背中)はなるべく地面と平行に保つように心がけましょう。体重が軽く小さい小型犬の場合には、あまりどの向きでも安定感は変わらないかもしれませんが、中型犬や大型犬の場合は特に、平行に抱えることで落ち着きやすくなりますし、もしわんこが動いた場合には飼い主さんが制御しやすくなります。

4.わんこと身体を密着させる

抱き上げた後は、わんこと身体をしっかり密着させるのがポイントです。そのほうがわんこも安心感を得やすいですし、体勢も安定します。また飼い主さんにとっても腰や肩への負担が少なくなり、長時間の抱っこに耐えられます。わんこが動こうとした場合にも、無理なくおさえることができます。

まとめ

犬を抱っこしている子ども

いかがでしたでしょうか?愛犬をおとなしく抱っこさせてくれる子にするには、まずは抱っこ以前にたくさんスキンシップをとって触られるのを嫌がらない子にすること、そして、飼い主さんが正しい抱っこの方法をマスターしておくことが大切です。子犬から育てている場合で成犬になっても抱っこできる大きさのわんこであれば、普段は抱っこすることがないとしても抱っこできるようにしておくと、万が一の時に安心です。

場合によってはスリングなどの補助アイテムも活用しながら、抱っこに慣らしていくようにしましょう。

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