呼吸がしづらい短頭種
ブリーダーの元から保護
オーストラリアのRSPCAクイーンズランドでは、ブリーダーの元から保護された28匹のフレンチブルドッグを約8ヶ月にわたって治療してきました。(28匹すべてが同じブリーダーかどうかは明記されていません)
獣医のレベッカ先生は、エアコンがきいた部屋の中でさえも犬たちの呼吸が辛そうなのを見て衝撃を受けました。
犬たちには、他にも膝蓋骨脱臼、チェリーアイ、重度の皮膚病、気道の問題、通常の半分しかない椎体、緑内障などのいろいろな健康上の問題がありました。
上気道の手術
短頭種、いわゆる鼻ペチャの犬種に共通した上気道の問題はこの犬種を飼っておられる方ならよくご存知かと思います。
呼吸が辛そうだったり、大きないびきをかいたり...。
スペシャリストのフィリップ獣医師は「短頭種は上気道閉塞性疾患や長すぎる軟口蓋 (喉の奥にあるひだ) により呼吸が困難となり、その多くは手術が必要です」と語っています。
一時預かりの里親さん
ロンダさんは、保護されたフレブルの中の1匹「フランツ」の一時的な里親さんです。
ロンダさんは「フレブルはマンションなどの環境にも都会的なライフスタイルにも適応できると思いました。ですが、健康上の問題がこれほど重大だとは気付いていませんでした」と語っています。
ですから、CTスキャンと検査結果を聞かされた時にはとても驚いたそうです。
フィリップ先生は「気道を塞ぐことになるような構造を持つ犬種は作られるべきではない」と考えておられるようです。
本来あるべき鼻の長さを人為的に短くした結果、呼吸がしづらいという問題が生まれました。
実際、前出のロンダさんは「フランツは散歩に出かけるとハアハアし始めて、時には嘔吐することもあり、抱っこして帰ることが何度かありました」とおっしゃっています。
気道を整え正常に呼吸ができるようにしなければなりません。
そして、フィリップ先生から鼻孔を広げ扁桃腺や腫れた部分を除去する手術を受けました。
ロンダさんを含む一時預かりの里親さんたちは、このような手術を受けた後に犬たちの症状が大きく軽減したのを実感しています。
今までなら散歩の途中で苦しくなってうずくまっていたフランツも、体調を崩すことなく散歩を楽しんでいます。大きないびきもかかなくなったそうですよ。
呼吸が楽になって本当によかったです。人間でも花粉症や風邪で両方の鼻が詰まったら苦しいですものね。人間は「鼻が詰まって苦しい」と言葉で伝えられますが、言葉で伝えられないワンちゃんの辛さをすぐに察知できるのは飼い主さんです。
まとめ
愛くるしい鼻ぺちゃワンちゃんたちは、人懐っこい性格もあって大人気ですね。
とてもいい家族になれると思いますが、健康上の問題が潜んでいることを獣医代も含め、お迎えする前に念頭においておかなければなりませんね。
かわいいフレブルちゃんの手術前と後の映像はこちら。
※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
掲載YouTubeチャンネル:RSPCA Queensland
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