犬の味覚
犬には味覚がない!?
諸説ありますが、犬の味蕾細胞は人の5分の1程度だとされています。
「味蕾」とは、味を感じ取る細胞のことです。ということは、人が感じる味を犬は5分の1しか感じられないということなのかもしれません。
人味蕾細胞は約1万個、犬の味蕾細胞は約2千個ほどだそうです。
人と犬の味蕾細胞の数を比べて犬には味覚がないと言われることもありますが、感じ方が違うだけで全く味を感じられないわけではなさそうです。
犬が感じられる味
- 甘味
- 苦味
- 酸味
- 旨味
- 苦味
感じられる味には犬も人も大きな違いはありません。
犬が最も強く感じられる味は甘味だとされています。
味覚よりも嗅覚が優先!?
犬にとって味はそれほど重要ではないようです。人と比べてあまり味を強く感じられないことが理由でしょう。
犬は味ではなくにおいを優先します。その食べ物が美味しいかどうかよりも傷んで腐ってはいないか、食べられるかどうかを嗅覚で確認することの方が重要だからです。
犬の舌の構造
犬の舌の役割
暑い時、犬は舌を出してパンティングをしますね。唾液を気化させることで体温を下げるためです。人のように汗を分泌して気化させることができないからこその役割りです。
犬はヨダレが多いなんて言いますが、体温を調節するための構造の一部なのでしょう。
舌の長さには個体差がある
犬の舌は長いイメージですよね。犬種によって長さが違ったり、同じ犬種でも個体差があるようです。
2017年のギネスブックにはセントバーナードの18.58cmの舌が最も長い記録として掲載されています。
セントバーナードはマズルが長く口腔内の面積も広いのでこのように舌が長いのでしょう。
舌斑は珍しい!?
北海道犬や甲斐犬にはホクロのような舌斑と呼ばれるシミを持つ個体が多いとされています。
小さな舌斑を持つ犬もいれば、舌のほとんどを舌斑が黒く覆っている犬もいます。
とくに役割や意味を持つわけではありませんが、皮膚ガンや悪影響を及ぼすものではないそうです。
構造が明確でない犬種
チャウチャウやシャーペイの舌が青いことはご存知ですよね。
なぜ青いのか、どのような構造によって青い色になるのか、明確な理由はわかっていません。
シャーペイは祖先であるチャウチャウの舌の構造を継いだだけだとされています。
実は、チャウチャウの子犬の舌はピンク色です。生まれつき青いわけではありません。成長と共に青くなるんです。不思議な構造ですよね。
舌は犬の健康のバロメーター
舌に黒いデキモノがある
ホクロのような舌斑ではなく、黒くポコっと盛り上がったデキモノが見られる時はメラノーマかもしれません。悪性黒色腫です。悪性の腫瘍で進行が早いのが特徴です。
舌が白っぽい
舌が白い場合は栄養不足や貧血を起こしている可能性が高いです。気温が低い時には体温の低下によって舌が白っぽくなることがあります。
体を温めるとピンクや赤に戻ります。白っぽいままである時は体調不良を疑って良いと思います。
舌が青っぽい
チャウチャウほどではありませんが、犬が熱中症になると舌が青っぽくなります。血液中の酸素が不足しているサインです。
あまりにも興奮しすぎてしまった時にも血液中の酸素が不足して舌が青っぽくなることがあります。「チアノーゼ」という症状です。
まとめ
「犬が食べ物の味を理解しているのかどうか」を知るためのカギとなる、味覚や舌の構造を解説しました。
人と同じように味を感じることはありませんが、最も強く感じられる甘味の強い食べ物を好む傾向にあります。
犬用として販売されているパン・ケーキ・クッキーを味見したことがあるのですが、人である私にはほんのり甘味がある程度でした。
味の濃い人の食べ物を食べてしまうと癖になってしまいます。肥満などの健康被害が及ばないよう、与えないようにしましょう。