保健所から犬を迎える
保健所にいる犬はどんな犬?
保健所から犬を迎えようと決めることはとても素晴らしいことです。
でも、だからこそ、保健所にいるのがどんな犬で、どんな年齢の子が多いのかなどを事前に認識しておく必要があります。
まず、保健所で子犬を引き取ろうという考えはやめておいたほうがいいです。
その理由は、保健所から引き取る子犬が悪いということでは決してなく、保健所の犬のほとんどが成犬だからです。
そして保健所にいる犬はミックス犬が多くいます。
たまに人気犬種であるトイプードルやチワワなどがいる場合もありますが、ミックス犬が多いということを念頭に置いてきましょう。
また、捨てられて、何日も外を徘徊していた犬もいてきれいな子ばかりではないということも頭に入れておかなければなりません。
その悲惨な現状を保健所では目の当たりにしなければならないという覚悟も必要です。
犬が安心できる環境を整えておく
まずは、犬を飼うということがどんなことなのかを知ることから始めましょう。
犬を飼うことで、プライベートな時間や空間を共有したり、制限しなければならない場面がいっぱい出てきます。飼い始める前に、それでもいいのかということをしっかりと考えましょう。
また、犬を飼えば当然ながらお金がかかります。
飼育費はもちろん、予防接種やフィラリア駆虫薬。
それに加え、急に病気になることもありますし、けがをすることだってあります。
これらのお金を犬にかけてあげれるのかの検討も必要です。
そして、犬も人と一緒で歳を取ります。
しかもそれは人よりも遥かに早くやってきます。
その時に介護が必要になる可能性もあります。
そうなった時に本当に対応できるのか、最後までしっかり面倒をみてやれるのかも十分に家族全員が認識し、覚悟しなければなりません。
また、捨てられた犬には捨てられた時の記憶が鮮烈に残っています。
それがトラウマとなっている子が多く、メンタル面でしばらくはいつでも様子を見てあげれるように、家族みんなで協力しましょう。
また、小型犬にするのか、大型犬にするのかで飼育環境の準備内容が違ってきますので、犬を迎える前にしっかりと準備しておきましょう。
特に、小型犬を迎える場合ですが、室内飼いが必須です。
また、賃貸アパートでの飼育になる方の場合、必ずペット可物件であることが必要条件です。
当日はそれを証明できる書類を準備して、保健所に向かいましょう。
あとは、基本的な犬を飼うのに必要な物を用意します。
フードはもちろんのこと、サークルや水飲み、フード食器トイレなどの住居スペースグッズ、そして毎日のお散歩に必要な首輪やリード、噛むおもちゃなど必ず用意しておきましょう。
さらに、安全な散歩コースなども予めリサーチしておくこともいいですね。
お散歩は毎日のことですから、犬が危険な目に遭わないように安全な道を知っておくことも飼い主に責任です。
保健所から犬を迎える手順について
保健所から犬を迎えるのは、ただ欲しい子を見つけてすぐに連れて帰れるというわけではありません。
引き取りを希望した者が、犬を飼うということを本当に理解しているのかをチェックされたり、事前に勉強をします。その手順を説明しましょう。
1「講習の申し込みからはじめる」
犬を引き取るために、まずは犬を飼うために必要な知識をつけるための講習を受けなければなりません。
こちらは強制の講習です。
これを受けれないということは保健所から犬を迎えることはできません。
また、保健所側としても無知識な人を排除するという意味でも行っています。
2「指定日に講習を受ける」
1でお話した講習に参加します。
所要時間は1,2時間ほどです。
こちらの講習は平日に実施されており、お仕事をしている方はお休みしての参加になります。
内容は犬を飼うために必要な常識的な知識と犬に関する法律の勉強です。
犬を飼うにあたっては必ず知っておくべき事柄です。メモを取りながら講習を受けるようにしましょう。
3「譲渡可能犬との対面」
講習を受けたら、いよいよ犬との対面です。
対面できる犬というのは人に慣れることができるかどうか判断された犬になります。
そして疾患がないか検便検査をして陰性だった犬のみが譲渡対象の犬として対面できます。
ここで、自分たちと相性が良い犬かどうかを判断しなければなりません。
初対面ということで犬も若干緊張していたり落ち着きがない場合がありますが、本質的なところを見定めてあげれる能力を予め身につけておくことも必要なことです。
4「引き取る犬の仮決定」
希望の犬を決めた時に他に候補の人がいなければ仮の引き取り決定となりますが、複数人希望者がいれば、くじ引きやじゃんけんなどにより決めます。
しかし、自分たちのライフスタイルに合わなければ引き取ることができませんので、今回は断念という形になります。
その場合、再度保健所に連絡を入れて譲渡権情報を聞くことができます。
その際、3、4日ごとに連絡をすれば最新の情報を入手できますので、こまめに連絡をしてみると良いでしょう。
5「2度目の講習を受ける」
最後にもう一度講習を受けることになります。
これは譲渡犬を引き取るために必要な手続きなどを教えてくれる講習です。
犬を飼ったら必ず行う「畜犬登録」に加え、狂犬病予防注射のことについてなどを教わります。
畜犬登録や狂犬病予防注射は、どの地域でも必ず行わなければならないことですから、しっかりと登録するようにしましょう。
6「譲渡が決定したら」
少しさかのぼってお話しますが、譲渡決定を受けることを想定して、犬が安全にそして不自由しないように家に連れて帰らなければなりません。
そのためには、家を出る前に準備が必要になります。
まず、車で連れて帰る場合、大型犬でも小型犬でも必ずキャリーやクレートを用意しておきましょう。
これは急ブレーキをかけたりした時などに犬がけがをしなようにするためだったり、犬を安心させるためでもあります。
また、キャリーやクレートの中にペットシーツやタオル、トイレットペーパーなどを敷き詰めておきます。これは犬が万が一車酔いをした時のためです。
首輪やリードを用意し、クレートやキャリーに入れる際もつけたままの状態で犬を入れましょう。
この時にリードをキャリーやクレートの柵から出しておくと、犬がなかなか出てこなかった場合に役立ちます。
徒歩で連れて帰ったり、電車で連れて帰ることも犬が対応できるのであれば可能ですが、基本的には車での運搬が良いのでなるべく車で連れて帰りましょう。
まとめ
保健所から犬を引き取るということは「命を救う」という素晴らしいことです。
ですが、簡単に連れて帰れるというわけではなく、犬を迎えるために家族みんなの意見を一致させて覚悟と責任を持って迎えることや、飼育に必要なものを全て用意しておくことが第一歩となります。
そして保健所の犬を引き取るために必要な講習を受け、十分に知識を蓄えてはじめて犬と対面し運命の子を連れて帰ることができるのです。
容易なことではありませんが、犬を本当に想う気持ちがあれば、これらのことは大したことではないはずです。
ぜひ、これらのことをしっかり踏まえてから保健所に足を運んでください。
そして一度捨てられてしまった命を輝かせてあげてください。
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40代 女性 もか
40代 男性 eda
女性 梅実