1.愛情や信頼する気持ちのあらわれ
犬は大好きな人に対して、愛情や信頼の気持ちを込めてじっと見つめることがあります。
また、信頼関係で結ばれた相手と見つめ合うことで、「愛情ホルモン」や「幸せホルモン」と呼ばれる「オキシトシン」という成分が分泌されることもわかっています。
このホルモンが分泌されることで、ストレスや痛みが軽減されるとも言われています。
このようなことから、犬は本能的に愛情を持っている相手に対して、長く見つめ続けることがあるのです。
そして、犬が何かに集中して見つめていると、まばたきが減ってしまい涙が出てきます。
元々犬は人間に比べてまばたきの回数が少ないものですが、それでも長時間目を開き続けていると、眼球のうるおいを保つために涙が出てきてウルウルとしてくるのです。
2.おねだりや期待する気持ちがある
実は、犬が目をウルウルさせて人のことをじっと見つめる表情は、ほかの動物では見られない犬特有の進化のひとつだと考えられています。
上目遣いで少し困ったような表情で人の目をじっと見つめるとき、眉毛の付近の筋肉を使うことがわかっていますが、この筋肉を使って表情をつくるという行動が犬にだけ見られるという研究結果が出ているのです。
https://www.pnas.org/content/116/29/14677
このような表情をつくることで、目が大きくなってかわいらしく見え、相手の保護欲を引き出したり要求が叶ったりすることを長い歴史の中で学習していると推測されています。
人間と一緒に生きてきた犬が身につけた「人間に好かれるための進化」であり、この行動によって希望や期待を訴えかけるということが本能的に身に付いていると考えられているのです。
そのため、「おやつちょうだい!」「お散歩行こう♪」などお願いしたことがあるときに、ウルウルとした目で飼い主さんを見つめて伝えようとする犬が多くいます。
3.不安や緊張を感じている
犬が目をウルウルさせているとき、愛情表現や期待の気持ちを込めたポジティブな感情を持っているとは限りません。
不安や緊張を感じているときにも目をうるませて飼い主さんを見つめることがあります。
「こわいよー」「不安だよ」「助けて」などの気持ちで見つめ続けることで、目がウルウルとしてきて、飼い主さんに抱き上げてもらったりなでてもらったりすると、その経験を犬は学習します。
同じような不安を感じたときなどは、じっと見つめていることでかまってもらうことができると理解し、それをくり返すようになるのです。
4.眼球やまぶたにトラブルが起きている
犬の目がウルウルしているとき、単純に目にトラブルが起きていて涙が出てしまっているということも考えられます。
眼球に傷がついてしまっていたり、まぶたに炎症が起きていたり、目の中に異物が入ってしまったり、ということが考えられます。
この場合、目やにやまばたきが多くなったり、目をこすったりといった様子も見られるので確認してあげるようにしてください。
パッと見ではわからないような傷がある可能性もあるので、涙や目やにが続く場合や犬自身が目を気にする様子が見られる場合は、念のため動物病院で検査をしてもらうことをおすすめします。
傷や炎症を放置し続けたことで、失明や眼球摘出などの事態に陥ってしまう可能性もあるので、十分に注意して観察するようにしましょう。
まとめ
犬にウルウルとした目を見つめられると、とても愛おしい気持ちになりますよね。
その視線には、愛情や信頼、期待などの気持ちが込められていて、飼い主さんと見つめ合うことで深い愛情を感じていることも。
そして、時には不安や緊張の思いで飼い主さんを見つめて目をうるませることもあります。そのときの感情は、瞳の状態と一緒に姿勢や尻尾の動きなどを見て、判断するようにしましょう。
また、目がウルウルしている状態が長く続くときや、犬が目を気にしている様子があったら、目やまぶたのトラブルが起きている可能性があるので、動物病院で診察してもらうことをおすすめします。