犬は散歩だけしていれば『運動』は必要ない?犬種別に必要な運動量とは?

犬は散歩だけしていれば『運動』は必要ない?犬種別に必要な運動量とは?

犬にとっての散歩は、健康維持や気分転換のために必要不可欠な生活習慣です。では、散歩だけしていれば、特に運動をさせなくても問題はないのでしょうか?また、犬種によって、必要な運動量が違い、それは体の大きさで区別されるものではありません。例えば小型犬でも非常に活発で運動量を多く必要とする場合があるのをご存じでしょうか?

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

犬は散歩だけしていれば運動は必要ない?

柴犬と散歩している女性

散歩の内容によっては必要ない

散歩を「運動するための外出」として捉えるのなら、「犬は散歩だけしていれば運動は必要ない」と言えるでしょう。たくさん運動量が必要な犬種かどうかは、飼い主さんが一番よく把握しているはずだからです。

「散歩だけで十分に運動量が足りているかどうか」が重要なのではありません。飼い主さんが「愛犬との散歩」をただ歩かせ、排泄させるだけの「作業」と考えているかどうかの方が重要です。

では、愛犬にとって「散歩」とは、どんな役割を担っているのでしょうか?

犬の散歩が果たす役割とは?

男性とビーグル

犬の散歩に必要な要素 3つ

一つは「運動」として、もう一つは「犬の本能的な欲求を満たすため」、もう一つは「飼い主さんとのコミュニケーションをとるため」です。

「犬の本能的な欲求」とは、食べたい、排泄したいと言った「生理的欲求」、病気やケガで不快な思いをしたり、精神的に不安な状態でいるのはイヤだ、という「安全欲求」、仲間と交流したり、遊んだりしたいという「行動欲求」の3つがあると考えられています。

「散歩」は、このうちの「行動欲求」を満たすために必要な日課なのです。

「散歩」と「運動」の違い

つまり、「散歩」と「運動」の違いは、「運動」はただ体を動かしてカロリーを消費し、筋力を鍛えるためのもので、肉体疲労が蓄積します。

それに対して、「散歩」は、「運動」プラス「本能的欲求」を満たすため、心をリラックスさせ、心地よい疲労が規則正しい体のリズムを作ります。

犬種別に必要な運動量とは?

たくさん犬を連れている女性

犬の運動量について

大型犬なら1時間、中型犬なら30分…などの意見がありますが、正式な計算式があるワケではありません。

また、犬の年齢、性格によっても必要な運動量が違うので、距離や時間、頻度は飼い主さんが愛犬の様子を見て判断しましょう。

なぜ、犬種によって必要な運動量が違うのか?

犬にとっての「必要な運動量」とは、犬の体重が同じであれば犬種にかかわらず同じ運動量で良いわけではありません。

体重3キロ前後の小型犬でも、ジャックラッセリテリアやイタリアングレイハウンドなどはたくさんの運動量を必要とします。

犬種別に必要な運動量とは?

犬に必要な運動量は、その犬種によって差異があります。筋肉量が多い犬種は、その筋肉と筋力を維持するために多くの運動を必要とします。

例えば、テリア、シュナウザー、ミニチュアピンシャーなどがその系統の犬種です。

また、小型犬でも特に、たくさんの運動が必要なことで知られているジャックラッセリテリアは、非常に体力があり、性格も大変アクティブで好奇心旺盛なので、最低でも1時間以上、一日2回の散歩が必要だと言われています。

肉体的機能を損なわず、本能的欲求に応えるためには、それぞれの犬種の特徴を飼い主さんが知っておく必要があります。

またミックス犬の場合も、体格や性格などを観察して、愛犬に最適な散歩の時間や距離、頻度を考慮しましょう。

運動量が足りなかったら起こりえるリスク

鏡を見ているブルドッグ

問題行動があらわれる

人間も犬も自分の欲求が満たされないと、それをストレスに感じるようになります。

犬の場合は、その不満やストレスがトイレを失敗する、吠え続ける、モノを破壊する、というような「問題行動」としてあらわれることがあります。

心身の健康を蝕む

運動をしないことで体重が増え、そのことでさまざまな健康上のリスクが生じます。

体重が増加すると腰、足の関節への負担がかかり、ヘルニアや関節炎と言った病気になる可能性が高くなります。

さらに、肥満は心臓病や高血圧など、たくさんの病気の要因となりえます。

まとめ

草原の中を走る女性と犬

「犬は散歩だけしていれば運動は必要ないのか?」と問われたら、その答えは「YES」でも「NO」でも間違っていません。

なぜなら、飼育している飼い主さんの人柄や考え方、飼育環境が違うように、飼育されている方の愛犬の犬種、年齢、性格も千差万別だからです。

例えば、飼い主さんがたっぷり時間をかけて愛犬との散歩を楽しむ人なら、特に運動は必要ありません。

そして、日ごろ忙しく、愛犬との散歩の時間が十分に取れない飼い主さんなら、お休みの日などにたくさん散歩をしたり、ドッグランに行って思い切り走らせたりといった形で愛犬に運動させている場合もあるでしょう。

だからといって、「犬は散歩だけしていれば運動は必要ない」と言い切れません。なぜなら、「散歩」をただの運動として捉えるのは間違っているからです。

犬にとって「散歩」が果たす役割は、犬が持つ本能的欲求を満たすことです。

走ったり、ニオイを嗅いだり、マーキングによって犬同士の情報交換をしたりなどの行動によって、犬が持つさまざまな欲求を満たします。もしも、散歩でその欲求が満たされないのであれば、別に運動が必要になるかも知れません。

いずれにせよ、「犬と散歩に行く」という目的を飼い主さんがどう捉えるかが重要です。

散歩は飼い主の義務だから行く、という考え方は改めるべきです。

「散歩」は愛犬の心身の健康を維持するために必要不可欠な生活習慣であり、愛犬が一日のうちで一番幸せを感じる時間のはずです。だから、飼い主さんも一緒に愛犬と過ごす散歩の時間を面倒がらずに楽しみましょう。

犬種別にたくさん運動量が必要であっても、長距離を長い時間かけて歩くということではなく、時に走ったり、溝を飛び越えたり、きれいな水があれば水遊びをしたり、などの工夫をすることで愛犬の心身を満たすことが出来ます。

「絶対にたくさん運動させなくてはいけない」と考えるよりも、「愛犬の心と体を満たして、自分も楽しむための散歩」を考えたほうがずっと楽しく、負担も少ないのではないでしょうか。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    20代 男性 匿名

    散歩の量、質によっては運動は確かにひつようありません。散歩後もまだ走り回ったり吠えたり飛び付く行動があるようなら散歩が足りないと思います。かと言って時間もそんな無いし行くのだりいと思うでしょう。俺も正直行きたくありません。ただ歩くだけの散歩は。そう歩く以外も取り入れた散歩です。
    今から散歩のメリットと体験談についてお話しします。参考になればと思います。
    まず散歩は運動以外にストレス解消、欲求満たし、社会化などがあります。犬は刺激の少ない家に居続けたり構う時間がないとストレスが溜まります。だからこそ人との共同作業であり刺激のある散歩が必要なのです。よくこの子は散歩しなくて良いですって言われることありませんか。これは散歩しなくて良いけど外に出さなくて良いわけではありません。どんな犬種にも散歩は必要です。小さすぎて踏みつぶしそうな犬でも必要。小さすぎて危ないなら抱っこして安全な場所まで行ってから放してあげると良いです。また時々散歩コースを変えるとマンネリ化を防げ老化防止にもなります。
    欲求と言うと本能的なものになります。犬は元々嗅覚を使う動物なので嗅覚で周りを伺う行動をします時間があるなら気になるとこ嗅がせてあげて下さい、ただし危険な植物、除草剤が散布された場所はやめて下さい。死ぬ恐れがあります。
    社会化と聞くと大体想像つく方は居ると思います。その名の通り社会に適応するための成長です。社会化は小さい時にやると言われますが犬には生後4週から12週が社会化期と言われ社会に適応しやすい時期と言われこの時の社会化の有無や量によって今後の生活を左右します。ただ成長仕切っても社会化は可能なのでもし出来てなければ少しずつ改善していきましょう。
    最後に余談になりますがこれは俺が行ってる散歩の質をあげる工夫です。こちらも参考にしていただけると幸いです。俺の場合排泄、横断歩道前はかならず止まります。この時コマンドを出し座られる。このように時折コマンドを出すことで散歩に刺激を加えられます。これを続けていくと俺が止まると勝手に座り待つことが出来ます。これは事故の発生も防げます。また安全な公園や広場でトレーニングすることも質をあげる工夫です。家で出来てもその外で出来ない犬は多いです。是非外でのトレーニングを検討してみてはいかがでしょうか。最後にこれは俺が独自にやってる事なので参考にしていただけなくて結構です。俺は正直あまり草木の臭いは嗅がせてません。その代わり追求と言って俺の皮脂、汗の臭いをつけたガーゼを用意してそれを隠して足跡で見つけ出す警察犬みたいなこともしてます。これも本能的欲求を満たし脳の活性化、能力の衰退も防げます。更にこれは嗅覚と同時に頭も使うので散歩が少ないと感じた時行うと良いでしょう。また障害、アジリティと言われるものです。これもかなり体を使うので散歩が足りないと感じた時是非やって頂けると良いです。
    俺は時々ですがこれを10年程続けてます。これを行ってる愛犬は生き生きしていて犬本来の生き方を写している用におもいます。もしかしたら家の愛俺の工夫を求めているのかも知れません
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