河川敷で産み落とされていた『あんこ』
お母さん犬は、お腹に赤ちゃんがいる状態で捨てられていたようです。なので、あんこは河川敷で生み落とされ、お母さんと兄弟犬2,3匹犬と一緒に保護されました。
保護されるまでは、近所の人がミルクやご飯をあげていてくれていました。保健所の人曰く、お母さんが一生懸命にケアしてくれていたのか、子犬はみなとてもきれいな状態だったようです。
保健所に預けられている間は、兄弟犬1匹と一緒に過ごしていました。大人しく、手がかからない賢い子だったと聞いています。
あんことの出会い
あんことの出会いは、かかりつけの獣医さんの紹介でした。
近頃、保護犬の引き取りも厳しくなっているので、このような紹介で引き取り手を探すことが多くなったようです。もともと、男の子のダルメシアン(5歳)を飼っていたのですが、この子の性格的にも妹ができるとちょうどいいかもということで引き取ることになりました。
家族全員犬が好きで、20年近く犬との生活を送ってきましたが、今回は初めての保護犬。しかも、初めての女の子。全てが未知でした。
保健所で対面したときはおどおどした目をしており、懐くまで時間かかることを覚悟したのを今でも覚えています。
おてんば娘に変身
あんこが我が家に来て早2年半。最初は名前を呼んでも全く寄ってこなかったのですが、今ではおてんば娘になりました。
好物は、食パン、アイス、ヨーグルトととても女の子らしく、野菜は嫌いでいつもよけてごはんを食べています。「好き!嫌い!」もちゃんと伝えてくれるまでに成長しました。
紹介してもらった獣医さんが、以前こんなことを言っていました。「野良犬だった子は賢いから、手がかからないよ」と。本当に今、その言葉を実感しています。
例えば、ご飯をねだるタイミング。これが絶妙なのです。ずーっと横で待っているわけではなく、もうそろそろ食べ終わるだろうという頃を見はからい、さっと動いて横でちょこんとお座りをするのです。この子の観察力、他に活かせないだろうかと日々考えています...。
来てくれてありがとう
保護犬は「大変そう、懐かない」というイメージを持っている人もいるかもしれません。実際に、私もそうでした。しかし、いざ飼ってみて一緒に生活をしてみると、より人の心を理解しているような気がしました。きっと、『生きる』ということに対してとても真っすぐで、人間との生活に順応する能力は抜きん出ているのだろうなと思います。
また、この子が我が家にきてから、お兄ちゃん(ダルメシアン)の性格が変わったのも良い点でした。それまではやんちゃ坊主で、手が付けられなかったのですが、あんこが来てからとてもお兄ちゃんらしくなりました。
嬉しい時は最大限に喜びを表現し、嫌な時は全力で逃げ回る。そんなあんこの自然な生き方に、毎日毎日癒されています。
そして何よりも、「一匹の保護犬の命を救った」というよりは、逆に「我が家に来てくれてありがとう」という気持ちになります。