大好物を食べたい
どんなに食欲旺盛だったわんこでも、最期のときが近づくと食事を受け付けなくなってくるものです。それは同時に「そのとき」が近づいているサインでもあります。だからこそ最期に、大好きだったおやつやフードを味わいたいと思っているかもしれません。
わんこによっては病気の治療のためにおやつを禁止されていたり、特定の療法食を与えるように指示されている場合もあるでしょう。ですがもはや治療の手立てがなく回復が見込めないという状態なのであれば、好きなものを食べさせてあげても良いと獣医師から許可されることもあります。
もしそうであれば、どうぞ愛犬が好きだったものを与えてください。何日も食事を受け付けなかったのに、びっくりするくらいキレイにたいらげたという話も少なくありません。
飼い主さんを喜ばせたい
人間と暮らすわんこの願いはいつでも「飼い主さんを喜ばせたい、笑顔にしたい」ということです。飼い主さんを喜ばせることこそが、わんこの喜びでもあり、その気持ちは亡くなる瞬間まで変わることはありません。
容態の悪い自分に悲しんで涙を流している飼い主さんを「いつものように笑わせたい」と思っているのではないでしょうか。
わんこは「いつも通り」の状態を好み、安心する生き物です。自分が元気だった「いつも」のように帰宅する飼い主さんを出迎え、「いつも」のように喜ばせたいと思うのです。
ひとりになりたい
わんこの外飼いや放し飼いが珍しくなかった一昔前、「犬は自分の死期を悟るといなくなる」という話がよく聞かれました。実際にそのような体験をした人も少なくなかったのではないでしょうか。
実はこれはわんこがオオカミだった頃からの、野生の本能に基づいた行動なのです。
野生動物にとって怪我や病気、あるいは老化によって体力が落ちるということは、天敵に狙われる危険性が格段に高まるということ。またオオカミのように群れで暮らしている動物にとっては、自分が足手まといになることで群れの仲間をも危険にさらしかねない状態ともいえるのです。
そのため野生動物は自らの死期を悟ると、自分や仲間を守るために天敵に見つからない場所に身を隠すといわれています。この本能が残っているため、わんこも死期が近づくと「ひとりになりたい」もしくは「ひとりにならなくては」と願うこともあると考えられているのです。
飼い主さんと一緒にいたい
その一方で、わんこはひとりぼっちを極端に嫌う生き物でもあります。実際にお留守番が大の苦手という子も多いのではないでしょうか。
人間社会で暮らすわんこたちは、言わずもがな天敵に狙われる危険も、群れの仲間が襲われる危険もありません。わんこは未来の予測ができないため、死を恐れることはないと言われています。ですが痛みや苦しみを感じたらやはり不安を覚え、信頼している飼い主さんにそばにいてほしいと願うのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか?わんこが亡くなる前に本当に何をしたいと願っているかは、恐らく完全に解明されることはないでしょう。ですがその願いが何であるかを感じ取ることができるのは、他でもない飼い主さんであるはずです。
別れの悲しみに打ちひしがれるばかりではなく、愛犬の最期の願いに耳を傾けてみましょう。それが愛犬にとっても飼い主さんにとっても後悔を減らすことにつながるのです。