高齢犬
2匹の小型犬の里親募集
私がボランティアをしているセンターの愛護棟に、ほぼ同時期に2匹の小型犬の里親募集が行われました。
6歳のトイプードルの女の子と、13歳のシーズーの男の子でした。
譲渡会で
センターの譲渡会が行われ、複数の人たちがトイプードルを希望されました。その結果、抽選が行われました。
しかし、隣の犬舎にいたシーズーには誰も関心はありませんでした。
見守り
私達はほぼ毎日のように、シーズーの様子を観察するためにセンターに通っていました。センター職員さんにも「もしも、体調に異変があればすぐに医療にかけたい」と伝えていました。
その間も写真と動画を撮り、シーズーの里親探しをSNSで発信し続けていましたが、誰からも反応はありませんでした。
悪化
シーズーは元々目ヤニが常に出ていた状態だったのですが、それがだんだんひどくなってきたことに気が付きました。医療設備がないこのセンターでは状態が悪化するだけです。そこですぐにセンターと交渉し、動物病院に連れて行きました。
診察結果、目はドライアイでした。肌も乾燥が酷くフケだらけになっていました。独特な臭いもありました。
それらを治療しながら、里親探しを続けました。
フォスターファミリー
このシーズーは高齢の飼い主さんが施設入所で手放した犬でした。もちろん、名前がありました。しかしその名前をそのまま使うことはせず、近い響きの名前で『マー君』と名付けました。
マー君は、動物病院の後『預かりさん』のお家に連れて行きました。『預かりさん』=フォスターファミリーです。
私達はシェルターを持った団体ではなく、フォスターファミリー形式の団体です。少ない数を各自ボランティアファミリーが預かり、里親が決まるまで家族の一員として暮らしていきます。人との暮らしを忘れないようにそうしています。
ボランティアトリミング
マー君にはボランティアトリミングが施されました。トリマーさんがボランティアで保護犬のトリミングとシャンプーを担当してくれます。
みんなでできることをしながら、1匹の保護犬の命を大切に繋いでいます。
病気
マー君は2020年3月にセンターから出してその後ずっと里親探しを続けていましたが、希望者はなかなか現れませんでした。
その後、マー君の新たな病気が発覚しました。マー君は僧帽弁閉鎖不全症になっていました。定期的に通院し、お薬を飲ませることになりました。
そのこともあったのでしょうか。マー君は里親希望者が現れず1年が過ぎて行きました。
悪化
マー君の心臓の病気は確実に悪化していました。お薬も増えました。
そして、預かりさんに看取り覚悟の決意があることを確認し、マー君は看取り枠に移動しました。
14歳となり、心臓も悪くなってます。この状態でもし里親様が見つかったとしても、馴れないおうちに苦戦することでしょう。それならセンターを出してから、ずっと細やかなケアを続けてくれた預かりさんのおうちで、残された余生を過ごす方がいいのではないかと感じました。
マー君はもうどこにも行かなくていい!預かりさんのおうちでのんびりと余生を送ればいい!里親探しだけが最終目的ではありません。その子にとって一番いい選択をするのです。その子にとって一番幸せなのは何なのかを考えた結果、マー君は私たちにとって初の看取り枠になりました。
最後に
マー君は預かりさんのおうちでのんびりと暮らしています。ご近所の高齢者の男性が、時々マー君のお散歩をしてくれているそうです。マー君はご近所の方たちの間でとても人気者になっています!
もうどこにも行かなくていい!そこでしあわせならそれでいい!
私達の活動でこれは初めての、そして勇気いる決断でした。預かりさんの場所が塞がるので、その分助けられる命が少なくなります。しかし、そういう決断も時にはありと思った初めてのケースでした。里親探しをしてもぜんぜん挙手がなかったマー君は、私達ボランティアが彼の終生を受け入れます!
※こちらの記事は動画や画像の撮影・制作・配信をしている団体より許可を得て掲載しております。 掲載団体名:ディ・アンク
ディ・アンク
▼▼ Facebookページはこちら ▼▼
https://www.facebook.com/diankshimonoseki/
▼▼ 里親募集中の情報はこちら ▼▼
https://www.pet-home.jp/member/user564895/post/