老犬の状況
住宅街を徘徊していたとして、保護センターに老犬が保護されました。推定年齢13歳前後で、雄犬でした。体はやせ細っていて、少しあばら骨が浮かび上がっている状態でした。ただ、歩行は問題なく食欲はあまりありませんでしたが、それなりに食べていたそうです。
家族のお迎えがないまま、その後も保護センターで過ごすことになったそうです。ですが、その後だんだんと食欲が減っていき殆ど受け付けなくなっていきました。
動物病院での診察結果は、体の中で血液が作れなくなっていっているそうで、手の施しようはありませんでした。
そこで保護センターではそれでも何とか口に入れて食べてくれるように、いろいろな物を食べさせようとしていたのです。
老犬を引き取った時
毎日保護センターでできる限りのお世話をしていましたが、夜は誰もいなくなるので、その間何かあってもどうすることもできません。朝目を開けているとホッとすると、職員の方は言われていました。
それでも日を追うごとに何も食べなくなっていき、ますます身体はやせ細っていったので、それならばと看取りの意味で我が家で引き取りました。
老犬との生活
すでに寝たきりの状態だったので、部屋の中にケージを設置してペットシートを敷き詰めました。頭の下には、枕になるようにタオルを丸めて置きました。初めての場所なので多少嫌がるかなと思いましたが抵抗する力もないのか、それとも安心したのか横にしたとたん寝入ってしまいました。
自分で水を飲むことも難しいので、シリンジで口に入れて飲ませたりしました。ご飯はドライフードをふやかしてドロドロにしたり、柔らかいレトルトを口に持っていきましたが、殆ど飲み込みませんでした。
そんな中、唯一白米は少し食べたのです。少し柔らかくして食べさせると飲み込んでくれました。もしかしたら、保護される前飼われていた家庭では白米を食べさせていたのかもしれません。
もちろん、それだけでは栄養が足りませんがそれでも何かを口にしてくれるだけで嬉しかったです。しかし、そんな日々も数日しか続かずに寝たまま亡くなってしまいました。
老犬介護の経験を通して
普通はいきなり介護が必要な犬を引き取る事はあまりないと思います。しかし、すでに家庭で飼育されている犬もまだ若いと思っていても数年経つとシニアになりそれから介護が必要な老犬になっていきます。
その時になって介護に対して慌てないでいいように、まだ元気なときから、その時が来た場合のために犬にとって気持ちのいい介護の仕方などの方法を少しずつ気に留めていった方がいいのかもしれません。
近年は犬や猫の寿命も長くなって介護の必要性が高くなっていっています。介護はいろいろな点で大変な事はありますが、最近は少しでも楽になるような介護用品もたくさんあります。今から頭の中に入れておいてもいいのではないでしょうか。