1.犬が喜ぶ場所と嫌がる場所を把握する
犬が喜ぶスキンシップをするためにまず抑えておきたいコツは、犬が喜ぶ場所・嫌がる場所を把握することです。
犬には、なでられたときに心地良いと感じる場所と、触られると不快に感じる場所があるので、それに沿ってスキンシップを取るように注意しましょう。
犬によって多少の個体差はありますが、基本的に犬が触られて心地良いと感じやすい場所は以下の通りです。
- あごの下
- 首の後ろや付け根部分
- 耳の付け根部分
- 肩(肩甲骨)
- 脇の下
- お腹
- お尻や尻尾の付け根
あごの下やお腹などは犬が触られて喜ぶ場所だと知られていますが、実はこれらの場所は柔らかく急所でもあるため、信頼している人にしか触られたくないという犬もいます。
自らお腹を出したり、顔や首元を突き出したりしてくるときは、ぜひ優しくなでてあげましょう。
また、耳や尻尾などよく動かす部位の付け根は、疲労を感じていることがあるので、マッサージされると喜ぶことが多い傾向にあります。
ほかにも、飼い主さんを見上げることの多い小型犬は、首の付け根をマッサージされると喜ぶことが多いようです。
反対に、犬があまりさわられたくないと感じるのは、マズルや耳、足先、尻尾など体の先端部分です。
こうした場所には神経が集中していて敏感なため、さわられることに抵抗を感じることが多いので気をつけてください。
2.なでる速度はゆっくり、毛の流れに沿って
犬とスキンシップを取るときには、ゆっくりとした速度で優しくなでてあげましょう。
速い速度でせかせかとなでてしまうと、犬は落ち着かずリラックスできません。また、おざなりにされているような感じもあり、犬は幸せを感じにくいとも考えられています。
さらに、なでるときにはできるだけ毛の流れに沿ってさわることも大切です。毛を逆立てるようにしてなでると気持ちが落ち着かず、興奮しやすいとされています。
ちなみに、これらの習性を利用して、遊ぶ前やドッグスポーツのスタート前に、毛を逆立てるようにシャカシャカと速く体をなでて、テンションを高めることもあります。
3.犬も飼い主さんがリラックスしているときが◎
犬とのスキンシップで心地よいと感じてもらうためには、触られる犬も触る飼い主さんも、お互いにリラックスしているときを選ぶことが大切です。
犬がアクティブに活動したいと思っているときに、無理やり押さえつけてなでても犬は喜びませんし、飼い主さんがイライラしているときや緊張しているときにさわると、その感情が犬に伝わります。
お互いにゆっくりとした時間を過ごしているときに、「いいこだね」「気持ちいいね」などゆったりと声をかけながらなでると、さらにリラックスしてくれるでしょう。
4.スキンシップ前に声をかける
かわいい愛犬の姿を見て、なでたくなったり抱っこしたくなったりすることはよくあることだと思います。
しかし、そうしたときに飼い主さんの気持ちの向くままに突然なでたり、抱き上げたりすると犬はびっくりしてしまいます。
そのため、犬をさわる前には優しく名前を呼んだり、犬の視界に入るようにしたりして、近くにいることを意識させるようにしましょう。
意識していないうちに突然触れられると、犬は本能的に警戒したり、反射的に近づいてきた手に威嚇してしまったりします。
攻撃するつもりはなくても、思わず噛んでしまうなどの事故も起こるので、犬に触る前には必ず声かけをするようにしましょう。
まとめ
犬は、大好きな飼い主さんとのスキンシップをとても喜びます。
しかし、なでるタイミングやさわり方次第ではストレスを感じたり、不快に思ったりすることもあるので注意が必要です。
愛犬がさわられて喜ぶ場所やタイミングをしっかりと把握し、強引な接し方は控えるようにして、犬にとっても飼い主さんにとっても幸せなスキンシップの時間になるよう心掛けましょう。