1.キスをする
人にとってキスは愛情表現のひとつです。キスで愛犬に愛情を伝えているという飼い主さんもいると思います。キスをして愛犬が舐め返してくれたら、気持ちが伝わったような気がしてうれしいですよね。でも残念ながら、愛犬とのキスはおすすめできません。
なぜかというと、犬とのキスによって犬の唾液が人の口に入った場合、人獣共通感染症(動物と人との間で感染する病気)に感染するリスクがあるからです。また、人の唾液から歯周病菌などを犬にうつしてしまう可能性もあります。愛犬にキスしたくなる気持ちは分かりますが、お互いの健康のためにキスはNGな愛情表現だと理解しておきましょう。
2.後ろから抱きしめる
かわいい愛犬の姿を見ていると、思わずギュッと抱きしめたくなりますね。でも、抱きしめられることが苦手な犬は少なくないです。
特に、いきなり後ろから抱きしめられるとビックリしたり、恐怖を感じたりする可能性が高いです。飼い主さんも、突然誰かに後ろから抱きしめられる自分を想像してみれば、その驚きや恐怖が理解できるでしょう。飼い主さんは愛情表現のつもりでも、愛犬はビックリして反射的に噛みついてしまうこともあるので、後ろから抱きしめるのはやめましょう。
前からそっと抱きしめてあげれば、ビックリすることはあまりないかもしれませんが、約80%の犬がハグが苦手との研究結果があります。抱きしめたときに、愛犬が耳を後ろに寝かせたり、顔を背けたり、目をそらしたり、自分の鼻を舐めたりしているようであれば、不安を感じているサインです。本当は嫌なのに我慢しているということなので、前から抱きしめるのも控えてあげましょう。
3.タイミングを考えずに撫でる
やさしく撫でることは、犬への愛情表現になります。愛犬をやさしく撫でてあげると、穏やかで幸せなそうな表情を見せてくれるでしょう。撫でることは愛情表現になるだけでなく、しこりやできものはないか、痛がる場所はないかなど、健康チェックにもなるので積極的に愛犬を撫でてあげたいところですが、そのタイミングには注意が必要です。
例えば、愛犬の睡眠中や食事中に撫でるのはNGです。愛犬が眠っているときに触れてしまうと、睡眠を妨げるだけでなく驚かせてしまいます。場合によっては、噛みつくことも。また食事をしているときも、撫でようとして手を伸ばすと、ごはんを取られると思って唸ったり、噛みついたりすることがあります。それをきっかけに、食事中に近づいただけで唸るようになる可能性もあるのです。
犬にもそっとしておいてほしいときがあり、そういうときに触られるのは不快で、ストレスにもなります。愛犬を撫でるときは、タイミングを考えて撫でるようにしましょう。眠っているときや食事をしているときのほか、ハウスや犬用ベッドでゆっくり休んでいるときや、ひとり遊びに夢中になっているときなどもそっとしておいてあげましょう。
4.食事やおやつをたくさん与える
かわいい愛犬におねだりされると、ついつい食事やおやつをたくさん与えてしまいがちです。そして、それを愛犬への愛情だと思う飼い主さんもいるでしょう。でも食べ過ぎは、肥満の原因になります。肥満は万病の元で、糖尿病や心臓病、椎間板ヘルニア、関節炎などを引き起こし、寿命を縮めてしまうこともあります。
愛犬に食事やおやつをたくさん与え、肥満にしてしまうことが愛情と言えるでしょうか?そうは言えませんよね。どんなにおねだりされても食事やおやつの適正量を守り、肥満にさせないことが本当の愛情です。食事やおやつをたくさん与える代わりに、スキンシップやコミュニケーションの時間をたくさん作って愛情を伝えましょう。
まとめ
これまで解説してきたように、犬にNGな愛情表現があります。愛犬への愛情の伝え方は飼い主さんそれぞれ違うと思いますが、ついやってしまいがちな行動がNGだったりするので注意が必要です。NGな愛情表現は、飼い主さんの自己満足になってしまいます。そうならないように、愛犬の健康を害したり、愛犬にストレスを与えたりするような愛情表現はNGだと心に留めておきましょう。