走る!走る!
通報・発見
ロスアンジェルスの保護団体HOPE FOR PAWSの緊急ホットラインに、保護依頼の電話がかかりました。
農場の広大な畑の真ん中に、数日前からポツンと犬が居ついているということです。電話をくれた女性が保護しようと近づくと、走って逃げてしまいます。
作物を植える前の畑に、言われた通り白い犬が寝ていました。忍び寄ってワイヤリードをかけようとすると、まだ距離があるうちからすごい勢いで跳び上がり、一目散に逃げて行ってしまいました…。
まさに「脱兎のごとく」とはこのこと。これは厄介だぞぅ。こんな開けた場所で犬と追いかけっこしても、人に勝ち目はありませんって…。
しかし!保護団体には、やらねばならぬ時がある。ワイヤリード片手に白い点のような犬を追って、団体リーダーが無心に走ります!
無茶だー!映像は上下に激しく揺れ、土を踏みしめて走る足音、次第に荒くなる呼吸!
下の静止画で真ん中あたりに白いボールのようにみえるのが犬です!
あれ?犬の勢いが落ちてきた…距離が縮まってますよ?「待て!(Stay!)お座り!(Sit!)」と叫びますが、犬はまだ走る。叫び声に反応して、近所の飼い犬たちが吠えています。
ずんずん、距離が縮まってきました。小型犬と言えど、この大きさなら普通は体力、脚力ありますよね?
やっぱり栄養失調で力がないのかもしれませんね。そして団体リーダー、体力には自信あり!犬を射程圏内にとらえました!そして、セィ!!
犬、転がったー!!すごいな…。走る犬を追いかけてつかまえちゃったよ、この人。
犬は壮絶な声をしぼり出しながら、すごい勢いで抵抗します。
ガウガウ、ガウガウ!ズズズ、ガウガウ!ガウガウ!ガウガウ!ズズズ、ガウガウ!
仲間の女性が追い付いて、すぐに素手で食べ物を与えようとします。ちょっとうかつな動きでしたね。犬はまだ興奮しています。
リーダーは慌てて「ダメ!咬むよ!」すると女性はとっさに、差し出した食べ物を放して手を引っ込めました。犬は咬む素振りを見せます。
それでも女性は犬の首に布リードをつけることができました。
犬が落ち着くのを待って、リーダーが素手でなでてみました。大丈夫そうです。
犬の名前を「アルフィー」にしました。危害を加えられないと理解して、犬はおとなしく車まで女性の腕に抱かれていきました。
小型犬と人間の走るスピードをインターネットで簡単に調べてみました。すると、両者ともだいたい時速20~30km程度のようです!あとはそれをどれだけ継続できるかにかかってきますね。
今回は疲れている小型犬相手と見切って、団体リーダーは「走る」選択をしたのでしょう。さすがです。
ケア
病院では、まずボサボサ、ベタベタの体毛を刈りそして体を洗います。やっとかわいらしい顔が見えましたね!「納得いかない」という表情ですが…笑
ブローの最中、この人が頭にチュッってやったら、アルフィーは口元にお返しのペロッ!
さっきまで「ガウガウ!」言っていたとは思えない変貌です。犬は人の対応次第で素早く変化してくれますね。
それから
この子がどのようなつらい過去を背負っているのかは、全くわかりません。
走って走って、つかまって抵抗して、でも理解してくれたアルフィーに「ごめんね。ありがとう」と言いたいです。
見違えたアルフィー。ブラッシングしてもらいながら、おやつのカリカリを1粒ずつ受け取ります。すっきりトリミングが終わったら、さっき咬みつこうとしていた女性の元へ一目散。
攻撃性をすっかり収めたアルフィーは、このまますぐにも家庭犬になれそうです。里親さんとの出会いを待つべし!
※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
掲載YouTubeチャンネル:Hope For Paws - Official Rescue Channel
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