健康なイヌの協力で輸血、後は祈り
通報・発見
スケートボードで橋を渡っていた男性が、道端にうずくまる犬を発見し、保護団体HOPE FOR PAWS(HFP)に緊急通報しました。
犬は衰弱しきって歩くこともできないようです。ここに捨てられたのか、捨てられ、ここまで必死に歩いて力尽きたのか…。
大きな橋の歩道で、黒いTシャツの男性が待っていてくれました。その足元に犬がいるようです。
保護
これがその犬。伏せた状態で頭を持ち上げていることはできています。ただ、下のスクリーンショットでも、首のまわりのブツブツがおわかりでしょう…先に言っておきますね、これ全部、吸血ダニです。あ、ここで震えて記事を閉じないで!スクリーンショットはダニが見えるのはこれと、その次の2枚だけですので…。
HPFの動画にはいつも素敵なBGMが流れます。今回もゆったりした短調の素敵なバラードなんですが、しょっぱなの歌詞がさびし過ぎます…「何か言ってよ、じゃないとあきらめてしまいそう…(Say something, I’m giving up on you.)」。HFPはあきらめませんよ。
犬の横には、タッパーに水と、ドッグフードが置いてあります。この男性が急いで用意したのか、またはたぶん、他の誰かが先に置いていったのでしょう。ドッグフードは残っていますが、栄養失調のこの子、少しは食べたのかしらん。
この状態になると、体温は低下しているはず。急いで毛布にくるんで運びます。病院への道すがら、この子を「デニス」と名付けました。車の後部座席の毛布の上で、デニスは疲れ切って眠ります。
ケア
病院ではまず、体じゅうに広がり、血液を吸って丸々太った無数のダニを4人がかりで除去します。ダニをピンセットで引き抜くと血液が垂れてくるほど、大量に吸血されていました。この辺り、動画はしっかりと見せてくれてます。
ところで吸血性のダニは人に取りつくこともあります。その時、自分で無理に皮膚から引きちぎってはいけません。刺さった口器がちぎれて皮膚の下に残ってしまうからです。病院できっちりと抜き取ってもらうのが賢明です。
やっとダニを取り終えて、デニスの体を洗います。体力が極度に落ちているデニスがさらに消耗してしまいそう。でもおそらく薬用シャンプーで、ダニに咬まれた傷を洗浄する必要があるのでしょうね。
栄養失調に大量のダニに吸血されていたデニスは、極度の貧血におちいっています。緊急に輸血が必要と判断、準備が整えられます。
ここで、健康な犬の「ローラ」に、血液を分けてもらえることになりました。ローラは献血ボランティアの登録犬なのかもしれません。ありがとう、ローラ!後でおいしいおやつをもらってね。
ローラが体をはって助けてくれる。病院の医師や看護師、HFPの人たち、それに最初のスケボーの男性、みんなが手を差し伸べ、そして祈ります。「デニス、頑張って!」
皆、最善を尽くしました。そしてデニスは懸命に生きようとしました。
それから
5日後、デニスの命の灯は消えました。
動物の保護活動では、時に悲しい別れという現実に直面することがあります。つかんで、引き戻そうとした指の間から、デニスの命はこぼれていきました。そのなきがらを、皆が囲んでさすり、涙をこぼします。
~デニス、何か言って。君の声を聞きたかったよ~
間に合わなくて、ごめんなさい。君に対する人の仕打ちに、ごめんなさい。でもまだ、君に続く子たちを、あきらめたくないんだよ。
デニス、今はただ安らかに。
※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
掲載YouTubeチャンネル:Hope For Paws - Official Rescue Channel
Hope for Paws
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