この体勢で生きるのはつらい…
国境を越えた協力
ヨーロッパや南北アメリカ大陸などでは、各国間の保護団体やシェルターの横のつながりが活発で、里親さんも他国から里子を引き取ることが珍しくありません。
これは「リチャード」。スペインの保護団体Let’s Adoptがギリシャにあるシェルターから引き出しに来ました。両前足が内側に折れて、前かがみで前進しています。生まれつきなのか、事故・病気か、虐待か…原因は不明ですが、これ以上のことをしてあげられないシェルターから引き取って、スペインの病院で足の治療を試みる予定です。
リチャードはとても人懐こく、人がいる方へ尻尾を振って寄ってきます。
シェルターの女性が、リチャードにお別れを。「元気でね。いい旅をね。アイラブユー!」きっとそんなふうに言っているのでしょう。
スペインの保護団体リーダーが書類にサインして、さあ、出発です。
検査・治療
長旅を経て病院に到着したリチャードは、「ここはどこ?」と病院の床をはって探索。
前足のレントゲン写真を撮影しました。検査の結果、右前足だけプレートで固定すれば体の高さを保て、それによって左前足も伸びると判断されたようです。
早速、手術を受け、右前足のぐにゃりと曲がった部分が金属のプレートでまっすぐに固定されました。
右前足にギプスをして、エリザベスカラーをつけたリチャードが、前のめりにならずに床を歩いています!
後日ギプスが取れ、まっすぐな足で歩いてる!どうだい!という表情で、ペロッ。予想通り、左前足も伸びて、足の裏が床についていますね。
そしてついに退院。リチャードは一時預かり施設の庭を珍しそうに歩き回ります。
そしてこの場面、何をしているかわかりますか?そう、健康な犬がよくやるように、体をブルブルッと震わせたのです。これをするには、4本の足をしっかり地面に踏ん張って体を支える必要があるでしょう?これができるまでに、リチャードの前足は使えるようになったのですね。以前にはできなかったはずです。
その後
この後、リチャードは庭で仲間に出会います。下半身マヒで2輪の歩行補助具をつけた犬や他の犬たちに、次々にあいさつし打ち解けたリチャードの明るい表情は必見。どんどん元気になって行きます。
でもこれで終わりじゃない。さっそく里親さんがリチャードを迎えてくれました!大きな先住犬もいる新しい家族に受け入れられたリチャードの姿は、あなたをきっと笑顔にしてくれるでしょう。
動画を見ることは保護支援にもつながります!
※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
掲載YouTubeチャンネル:Viktor Larkhill (LetsAdopt)