①相手に対する愛情や信頼
犬がリラックスできる環境にいるときや、飼い主さんなど大好きな人が近くにいるときに目を細めることがあります。このような状況で犬が目を細めているときは、目の前にいる相手に対する愛情や信頼の気持ちを表現している場合が考えられます。
また、愛情表現やリラックスして目を細める行動は犬同士よりも人間に対して見せることが多いとも言われています。さらに、犬は他の動物に比べて目のまわりの筋肉が繊細に動かせるため、人間の笑顔を真似している可能性も考えられています。私たち飼い主が愛犬に向けて、愛情のこもった笑顔を向けるほど、犬も同様の表情を見せるようになるのかもしれませんね。
②緊張、ストレスを感じている
犬は大好きな人に対して、笑顔と同じ意味を持って目を細めることがあります。しかし、その一方で強い緊張を感じているときや、ストレスがかかっているときにも同じように目を細めることがあります。新しい場所や慣れない状況に置かれたときや、飼い主さんに叱られたときなどに緊張やストレスを緩和させるために目を細めるのです。
目を見て叱っているときなどに、犬が目をスーッと細めたり、シパシパと目を閉じたりする行動が見られたら、ストレスを感じているのだと思います。また、自分よりも強いと感じる犬に出会ったときや恐怖を感じる場面でも目を細めることがあります。
こうした心理で目を細めているときは、目以外の表情やボディランゲージで緊張している様子がわかります。口元がきつく結ばれていたり、口角を引きつらせて荒い呼吸をしていたり、耳を寝かせていたり、低い姿勢になっていたりと言う場合には、笑顔の意味ではなく緊張やストレスによるものだと考えてください。
笑顔と同様に目を細めているときは、顔も体も筋肉が緩んでリラックスした様子が見られるので、その違いはすぐに分かるでしょう。
③服従の意思を示している
犬は緊張しているときに目を細めますが、それに似た感情である服従の意思表示のために目を細めることもあります。目を細めるというより、どちらかというと視線が合わないように目を伏せるイメージで、相手が人間でも犬でも行う行動です。
親しい関係にある相手と目を合わせることは、コミュニケーションのひとつです。しかし、犬が見知らぬ相手や友好的な関係にない相手の目を見つめることは、いわゆる「ガンをつける」ようなもので喧嘩を売っていることになります。そのため、基本的には犬同士が真正面から目を合わせることはあまりありません。
そのため、自分が敵わないと感じる相手とふいに目が合ってしまったときや、相手からの敵意を感じたときに目を伏せることで「私には敵意や戦う意思はありません」という意思表示をするのです。
まとめ
目を細めるという仕草には、愛情表現からストレスの緩和、服従の意思表示など様々な意味があります。その仕草が持つ意味を理解するためには、目以外の表情やボディランゲージ、その場の状況を見て総合的に判断することが大切です。
また、犬が目を細める理由として精神的なものだけでなく、身体的なトラブルも考えられます。目の中に異物が入ったり、まぶたの裏にできものができたりというような目の病気や怪我が原因となることもあります。
また、老化などで見にくさを感じたり、単純に眠気を感じたりして目を細めていることもあります。いずれにしても、目を細めているときの状況や頻度をしっかりと観察、把握しておくことが適切な対応をするために必要なことだと思います。