飼い主さん入院や死亡の犠牲となる犬達の現状
犬の寿命は5~6年じゃない!
現代社会の中での犬の寿命は何歳かご存知ですか?まず、それを知らない人が大変多いことに驚されます。
昔は犬の寿命は今よりもっと短命だったと思います。人々の犬に対する知識と医療、更にはドッグフードがまだなかった時代の話です。
そのころ日本では犬には人間の食べ残し、つまり残飯やみそ汁ぶっかけ麦飯などを与えていました。それらは塩分糖分過多だったり、犬にとって必要な栄養素が不十分だったり、犬が食べたらいけない物だったりしたわけです。
その時代の人たちは、犬に対する知識が殆どなかったのです。飼い方の知識だけでなく病気の知識もないし、獣医さんも今ほどいませんでした。だから当然、その時代の犬たちは短命になっていました。
当時の知識のまま、犬は短命だと信じている人は未だにいらっしゃいます。
「犬の寿命は何年だと思いますか?」と特にその時代を知っている人たちに訊いたら、「5~6年だろう!」と答えられることがあります。
この写真の犬は当時まだ5歳で、70歳の一人暮らしの女性が飼っていましたが、心筋梗塞で救急車で運ばれ、そのまま帰らぬ人となり、この犬は写真の犬小屋に取り残されていました。
高齢者が子犬を飼い始めるのは寿命の勘違いのせい?
高齢者が子犬を飼ったりする原因の1つがそこにあるのかもしれません。
70過ぎの健康な高齢者が犬の寿命が5年と信じていたとしたら、まだまだ自分の方が長生きするからと何の疑いもなく、子犬を飼い始めることでしょう。
売ることが目的のペットショップの生体販売では、飼主さんの年齢制限はありません。また地区によっては違うかもしれませんが、筆者の地元のセンター(保健所)では、65歳以下の市民に子犬を譲渡しています。
現在、日本の犬の寿命は15~20年
今はドッグフードも充実していて獣医学も進んで動物病院も増えているため、犬種にも寄りますが、犬の寿命は15~20年と長くなりました。
65歳の人が子犬をもらってしまったら、もしその犬が20年生きたとしたら、飼い主さんは85歳になります。
85歳まで入院もせずに施設にも入らずに元気に過ごし、自分の愛犬を最後まで看取れる飼い主さんがいったい何人いらっしゃるでしょうか?
この犬は、高齢の一人暮らしの飼い主さん死亡で遺族がセンター(保健所)に不要犬として持ち込みました。
センターへの持ち込み理由
センター(保健所)への犬の相談や保護依頼、持ち込みに多い理由には以下の2つがあります。
- 高齢で一人暮らしの飼い主さんが、二度と家に帰れないという事情での施設や病院に入院されるため、愛犬を手放したい。
- 高齢で一人暮らしの飼い主さんが他界して、遺族が取り残されてしまった犬(猫の場合もあります)をセンターに持ち込む。
この犬は高齢の飼い主さんご夫婦が死亡と施設入院となり取り残され、ご子息夫婦によりセンターに不要犬として持ち込まれました。
高齢者が子犬を求める理由とは?
高齢者がペットショップの生体販売で子犬を買う理由には以下があります。
- 一人暮らしで寂しいから(子供たちが皆実家を離れてしまい、伴侶も他界して寂しい?)
- 一人暮らしで不安だから(犬がいれば、誰かが来たら吠えて報せてくれる?)
- 人生、最後に可愛い子犬と一緒に暮らしたい(最後に子犬から飼ってみたい?)
また近所で子犬が産まれて高齢者が子犬をもらう理由では、上記の理由にさらに以下が加わります。
- 番犬がほしい(泥棒除け?)
- 畑の食物を守るための害獣除け(番犬と同じですがこの場合は野生動物が畑の作物を食い荒らすことを避けるための道具?)
これらは自分のことだけ考えられて、後に残されるかもしれない犬のことは何も考えられていないケースとなります。
この犬は、高齢の飼い主さん夫妻が夫死亡と妻入院でお世話する人がいなくなると、1人残された妻がセンターに持ち込みました。
最後に
犬の飼主さんになる方は、ご自分の年齢とこれから一緒に暮らそうとしている犬の寿命をしっかり考えてから、その犬を飼うことを決めていただきたいです。
もしも自分の身に何かがあった時に、愛犬がどうなるかを想像してみてください。
この犬も高齢の飼い主さん死亡で遺族がセンターに持ち込みました。
※ここでご紹介させていただいた犬たちは、全員レスキューしています。
ディ・アンク
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