あり得ない虐待の痕跡
銃弾、そして…
保護団体Stray Rescue of St. Louis の設立者が、「米国内で私が見てきた動物虐待案件の中でもひどいケース」と言う、犬の「シェップ」のお話です。
シェップは、首や背中、直腸などに銃弾を受けていました。時々聞く、BB弾かもしれません。
さらに、肛門から直腸に物が無理やり押し込まれたための外傷もありました。
その結果、全身がマヒしていたのです。
ただただ、理解に苦しみます。
医師は、安楽死させてあげては、と提案したそうです。
でも、シェップに残る生きる力を信じて、治療することを選択しました。
目標は、シェップを孤独にしないこと、そして外出できるようにすることです。
移動はワゴンで。でも頭を持ち上げた態勢を保っているだけでも、すでに進歩している証拠。
フレンドリーな犬が近づいて、自分のにおいをシェップに嗅がせてあげます。
シェップの前足はヘンな角度に曲がっていますが、見て、尻尾をブンブン振っているのです。
尻尾の付け根の筋肉を動かせるのですね。
胴体を支えられて、シェップは前足をそろえ、時間をかけて、跳ねるように前進します。
進もうとする強い意志が感じられます。
すごく頑張ってる!
ふらつき、つんのめりながらも、ついに自力で、びょこん、びょこん、と、前へ進みます!
倒れそうになるとすぐに、見守っている人が手を差し伸べ、足の向きを整えてあげます。
シェップを引き取ったビルさんは、「こんなに意志の強い犬を始めて見ました」と証言します。
その後も、水中やマシンを使って機能回復訓練を続けました。
ビルさんはもともとシェパードのファンのようですが、シェップの頑張りには、特別に心を打たれたよう。
先住のシェパード2頭とも打ち解けて、むしろシェップが2頭に目を配っているぐらいだそうですよ。
その後
ビルさんは、シェップの新しい門出に、名前を「ローマン」に変えました。
ビルさんと散歩をするローマンは、壮絶な過去、安楽死寸前の状態を払いのけた、たくましい姿を見せてくれます。
当初の目標を達成し、さらに毎日のように進歩を遂げているそうです。
世の中には、考えも及ばない動物虐待が存在するのだということ、そして、激しく痛めつけられた犬も生きる可能性を秘めていることを、ローマンは教えてくれます。
※こちらの記事は動画配信をしている団体より許可を得て掲載しております。
掲載YouTubeチャンネル:Stray Rescue of St. Louis