盲目のトイプードルが永遠のお家で過ごす幸せな日々
子犬工場の摘発
2009年9月クイーンズランド州にあるワンダイという街で子犬工場が摘発されました。244匹の犬たちが押収され、RSPCAの施設に移すのに3日を要したというのですから、その規模の大きさがわかります。
移って来た犬のうち5匹が緊急の治療を必要とし、2匹が残念ながら命を落としました。救出された犬たちの健康状態は悪く、他にも自信をつけさせたり、人に慣れさせたりするリハビリが必要な犬たちもいて、RSPCAクイーンズランドでは、毎日約5,000ドル(およそ40万円)の費用がかかっていました。
その中に、生まれつき盲目のトイプードル「ジェマ」がいました。
里親トレーシーさんとの出会い
トレーシーさんの実家のご近所の方が、ジェマともう1匹同じ子犬工場から救出されたキングチャールズスパニエルを預かっていて、トレーシーさんも散歩の手伝いをしていました。
ジェマが盲目であるために、引き取り手がいなくて安楽死という選択をされてしまうのではと心配したトレーシーさんは、子犬工場の裁判が終わり正式に譲渡されるようになるのを待って、ジェマを引き取ったのです。
トレーシーさんのトレーニングの甲斐あって、ジェマは目が見えなくても問題なく、高いところに飛び乗ったり、階段を上り下りしたりできるようになりました。
トレーシーさんのもう1匹の愛犬「キミー」はジェマの目が不自由なことを察していて、まるで「こっちだよ」とでもいうようにリードして一緒に公園を走り回っているそうですよ。
子犬工場のオーナーに下った判決
判決当時55歳のルース・シュロスは、動物虐待行為、動物に対する注意義務違反、妥当な理由なしに動物福祉の指示に従わなかった罪を認めました。 ルース・シュロスは合計9,000ドルの罰金、10,000ドルの補償金の支払いを命じられました。有罪判決は記録されず、1年間の犬飼育禁止、または2年間で3匹以上の犬の飼育禁止という命令が出されました。
判決当時63歳のケネス・シュロスには、動物虐待行為、動物に対する注意義務違反を認めました。 合計6,000ドルの罰金、10,000ドルの補償金の支払いを命じられ、ルースと同様の禁止命令が出されました。
まとめ
ジェマを引き取った当時、トレーシーさんは最愛の娘さんをガンで亡くしとても辛い時期だったそうです。そこに寄り添ってくれたのがジェマとキミーでした。
慰めるようにそばにいたり、時にはそっとしておいてくれたりしたそうです。トレーシーさんは、2匹がいたから乗り越えられたと語っています。
トレーシーさんに出会えて、幸せなセカンドライフを生きるジェマ。恩返しをするかのようにトレーシーさんの支えにもなっているようです。
辛い状況から救われ、元気にそして幸せに暮らすジェマの様子をぜひ動画でご覧ください。
参考:RSPCA Queensland『Blind Jemma's Story』
※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
掲載YouTubeチャンネル:RSPCA Queensland
RSPCA Queensland
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