ドッグシェルターにはどんな犬がいるの?
ドッグシェルターには様々な理由から、そこで保護されている犬たちがいます。
- 飼い主の高齢化で飼育継続が困難になった犬
- 飼い主の引っ越し先がペット不可で連れて行けなくなった犬
- しつけ不足やネグレクトなど、人間側の勝手で飼育放棄された犬
- 個人の多頭飼育が限界を越え、飼育放棄、または助け出された犬
- 子犬が生まれてしまったが、飼えずにシェルターに託された犬
- 迷子になり保健所に収容されたが期日内に飼い主が現れなかった犬
- 路上につながれたまま放置など、捨てられた犬
- 野犬として保健所に収容された犬。野犬が生んだ子犬も。
- パピーミルから放出される繁殖引退犬
- パピーミルの廃業に伴い保護される犬
ざっと挙げてみただけで、こんな感じで多種多様です。犬種も毛色も年齢も様々。
子犬もいますが、全体的には成犬〜シニア犬が多く見られるようです。
シェルターから犬を迎えるには
シェルターから犬を迎える主な方法は以下の通り。
- 全国からシェルター犬情報が集まる里親募集サイトから、気になる犬を当たってみる
- 身近なシェルターのHPやブログ、または実際に足を運んでのぞいてみる
- シェルター主催の譲渡会に足を運ぶ
- シェルターから犬を迎えたいという意志、自分のライフスタイルや「こんな犬と暮らしたい」といった希望をシェルター側に伝え、合う犬を紹介してもらう
シェルター犬のこと
トイレのしつけが必要です
トイレのしつけをしないと、じゅうたんの上だろうが廊下だろうが、好きなところで粗相します。もし叱ってしまったら、最悪の場合、叱られる恐怖から、おうちでオシッコすらできなくなってしまうかもしてません。証拠隠滅で食べてしまうケースも考えられます。中には、叱られた意味すら分らない、またはあなたが「キャー!」と大騒ぎするのを好感触♪ととらえて、飼い主を喜ばせるには「玄関マットでおしっこ」と覚えることも。
要は教える側の知識と根気
「トイレのしつけ」は、飼い主がきちんと犬と向き合い、教えれば、シェルターから引き取った犬だろうが成犬だろうが、ちゃんと覚えられます。
中には少し時間のかかる子もいるかもしれませんが、それは子犬でも同じことです。犬の個性と、あなたの根気、教え方しだい!
良い子にも悪い子にもなります
飼い主がちゃんと教えなければ、お散歩でグイグイあなたを引っ張ります。いいにおいのものが落ちていればすかさず口にします。気まぐれに家具もかじるし、盗み食いもする。あなたの手を甘がみし、気に入らなければ唸っておどすかもしれません。
成犬でもしつけは十分可能、むしろ物覚えが良い面も
欧米ではシェルターから迎える場合、子犬より成犬のほうを選ぶ人が多いそうです。
理由は、「子犬を1からしつけるのは大変!」
その点、成犬はすでに現れるべき気質が現れていること、また理解力もあるため、意外としつけやすい犬は少なくありません。
犬側もこれまで愛情に飢えていた分、自分が心を許した人の意図を、懸命に理解しようとする様子すら、うかがえます。
ケアが必要です
歯磨きしないと歯石が溜まって歯周病になります。爪切りしないと、神経と血管が伸びて、いざ切るとなると流血の大騒ぎになります。ブラシを怠れば、短毛種ならそこらじゅう毛だらけになり、長毛種なら毛玉だらけになります。トイプーやヨーキー、マルチーズなら毎月のカットも必要。肛門腺も絞ってね♪
歯周病に関する知識を持つこと
日々のケアは、どんな犬でも必要。確かに成犬のシェルタードッグの場合、もともと健康状態の良くないことが多く、特に歯周病は顕著です。どんな犬でも歯周病は罹りやすく、ケアが必要なことに変わりありません。犬は、たとえ歯を全部失っても、食べること、生きることに問題はありません。
病気になります
遺伝的な病気、少なからず持っています。ストレスやホルモン異常で毛が抜ける、アレルギーが出る、シニア期に入れば、病気に罹る確率も高まります。
シェルター犬だから深刻な病気になりやすい、とは言いきれません
日本の犬は世界一、遺伝疾患が多いと言われます。これはペットショップで購入した子犬も同じ。その親犬であるパピーミルの繁殖犬の姿を見れば、当然の話です。
シェルター犬は、もともと劣悪な環境で飼育されていたり、必要なケアがされていなかったりで、皮膚トラブルが多く、保護後も環境の変化によるストレスから脱毛してしまうこともあり、確かに迎えた当初はそうしたケアが余計に必要になることもありますが、治療によって改善します。
一緒に暮らしたい犬を選べます
シェルターには、チワワ、トイプードル、ミニチュアダックス、パグといった人気犬種も非常に多く、大型犬でもレトリーバー、ボルゾイなど、巷で見かける殆どの犬種がいます。
個性豊かな素敵なmix犬もたくさんいますし、毛色も年齢も幅広く選べます。
犬を選ぶことに罪悪感を感じないでください
妙な言い方かもしれませんが、今は、ペットショップよりシェルターのほうが選択肢は広がっています。愛護法改正により、縮小・廃業するパピーミルが増えつつあるのも要因の一つです。
犬の平均寿命は小型犬で13才前後、大型犬で10年ほど。ということは、ひとりの人が一生のうちに飼える犬の頭数は、どうしても限られます。だとしたら、たとえシェルターから迎えるにせよ、本当に一緒に暮らしたい犬と暮らすのが、犬にとっても人にとってもいちばんの幸せです。
ライフスタイルに適した犬を選びましょう
ペット可住宅でも吠え声の大きい犬は不適切だし、シニア家庭に、活発でたくさんの運動が必要な犬種や若犬は向きません。
犬の飼育経験のない人が、シェルターから犬を迎えるのだから、と気負って、難しい持病や強いトラウマを持つ犬を「かわいそうだから」とあえて選ぶ必要もありません。
ご自分の生活に合う犬はどんな犬なのか、きちんとイメージを持ち、さらにそれが飼いたい犬種にマッチするなら、「トイプードルの5才くらいの女の子を」と希望するのは間違ったことではありません。しっかり考えて犬を選ぶことは、むしろ望ましいことです。
複数の候補犬を前に悩む希望者の方達がよく悩ましげに口にするのが「この子を選んだら、こっちの子はどうなっちゃうの?」。
いえいえ、ご心配なく! 遅かれ早かれ、その子にもちゃんと里親が見つかります。シェルター側も、それまでしっかり愛情をかけてケアしていくので大丈夫です。
さいごに 「犬は“今”を生きている」
犬は自分の過去を悔やんでクヨクヨしません。未来を心配してオロオロすることもありません。どんな生まれ育ちであっても、“こころ”を持ち、人の気持ちに寄り添う1匹の“犬”という動物に変わりはありません。
シェルター犬というと「かわいそうなワンちゃん」「成犬なのでトイレのしつけが大変」「トラウマのケアが大変」など、マイナスイメージが強いせいか、ハードル高く感じる人もいるようですが、それは過去や未来、既成概念にとらわれがちな人間が考えること。
最初はちょっと扱いが難しく感じても、たくさんの愛情を受け、犬自身が安心感を得れば、徐々に、あるいは突然、花開くように“ごく普通の犬”に変わっていきます。
中には、確かにトラウマのある犬もいますが、彼らもまた愛情には敏感です。家族には心を許しても、他所の人や他の犬に対する警戒心を解くまでに時間のかかる犬もいます。でも、家族にとってイイコであるなら、家族もその子との生活を楽しめるなら、無理に他者や他の犬に友好的にしなければ!と焦る必要はありません。ゆっくりゆっくり時間をかけて・・・。
人も犬も一緒に成長していくその過程は、問題のない犬との暮らし以上に、かけがえのない時間になるはずです。
シェルターから犬を迎えたいと考えている方、まだ少し躊躇している方、どうぞシェルターのブログやフェイスブックなどをのぞいてみてください。
またはシェルターから犬を一時的に預かってケアしている「預かりさん」など、その他、実際にシェルターから犬を迎えた人のブログなども沢山あります。
シェルター犬との生活が、思いのほか明るいことに驚かされるかもしれません。
シェルタードッグはユニークドッグ。その姿も個性もトラウマも、世界中探しても2匹といない貴重な1匹です。
ユーザーのコメント
10代 女性 のんのん
しかし、この記事を読んでとても救われた気持ちです。立ち止まっていましたが、もう少し色々調べて進めていく勇気が出ました。
30代 女性 まろんママ
30代 女性 チャッキー
20代 女性 スー
ペットシェルターはたくさんのわんちゃんがいます。もちろんペットショップでわんちゃんを買うのは自由ですしいけないことでもありません。ですが、まずはこういった状況のわんちゃんが日本にはたくさんいて飼い主を求めています。
こんなにわんちゃんを飼いたい人がいるのですから、ペットシェルターなどから引き取ってあげれば殺処分など悲しい現状も減ります。ペットシェルターの存在がもっと身近にたくさん広がってくれるといいなと思いました。
30代 女性 きなこ
ただ、保健所へ直接行く勇気は残念ながらないという方も多い気がします。
だって、みんな助けてあげられるわけではないのでその中から1頭を選ぶ決断も必要で他の子のその後も気になり後引く感じで後をするわけで…
ドッグシェルターや保護施設&里親さんなど、すでに保健所から引き出してくれている場合だとまだ訪れやすいんではないでしょうか。
うちも次に迎えるとしたら、ペットショップからではなく保護施設からわんちゃんを迎えたいと思っています。
先住犬がいるので相性なども確かめる時間が必要だしその子の性格なども把握しておく事もできます。
日本はまだまだそういう所が少ないですがこれから増えていく事を願うばかりです。
女性 ママ
今年3月、7歳の時に里親となり迎えた子を15歳で亡くしました。個人の方の放棄でシニアと言われる年になってから我が家に来ましたが、本当に可愛く育ってくれて、前のおうち以上の年月を頑張って生きてくれました。
亡くなって半年以上が過ぎ、やっと新しい犬を迎えてもいいかなという気持ちになり、次も里親でという思いに迷いはありませんでした。
ただ、前の子と同じ犬種、同じ性別の子ということと、ものすごい悲しい思いをしたばかりなので、この悲しみが一日でも先であってほしいという思いからなるべくなら若い子をと希望していました。
里親募集サイトでたくさんの繁殖引退犬の里親を探しているところを見つけ、そのたくさんいる子達の中から、比較的若くて皮膚疾患なども少ない子を選びお見合いすることになりましたが、これでいいのだろうかと悩み、心が痛んでいました。
前の子も迎えた当時はひどい皮膚病で、愛護団体さんが、そういう保護犬の経験がある私達にはもう少し状態の悪い子や、里親さんが見つからないような子を迎えてほしいと思っているのを感じたからです。
でも、このコラムを読んで、選んでいいんだ、と明るい前向きな気持ちになりました。
明日のお見合いでご縁が繋がるといいなと思っています。
30代 女性 ken
はじめて犬を飼う場合は、シェルターから迎える際には犬の習性や特殊な環境で育ったからこそのケアが難しいかもしれません。ある程度知識と経験が出来てからのほうが良いのではないかと思います。
今飼っている犬は、はじめて自分ですべて面倒を見て来ました。
赤ちゃんから迎えてシニア期を迎えようとしています。この子を最期まで幸せに看取ることが出来たら、次犬を迎えることがあったらそういった場所から犬を迎えたいと考えています。
今育てている愛犬のおかげで身に付いた犬への理解を生かせたらと考えています。
30代 女性 ひまわり
30代 女性 すまいる
一頭は仔犬から迎え、一からしつけ、育てました。
その子が7才くらいになった頃、動物病院の前に置いていかれた、シーズーを飼うことにしました。
戸惑いました。トイレは?躾は?
でも、初めだけでした。成犬でうちに迎えた、わが子。上手にうちの生活スタイルに慣れてくれました。
犬ってとても順応性のある動物だと思います。
人間が、しっかりしていれば仔犬でも、成犬でも差はないと思います。
でも、命だから……最後まで面倒みてください!
それが1番重要じゃないでしょうか?