1.段差を嫌がる
老化によって足腰の筋力が衰えたり関節に痛みが出てくると、今まで難なく上り下りしていた段差を嫌がるようになることがあります。老化によって少しずつ筋力が衰えていくのは仕方がないことではありますが、無理のない運動習慣によってできるだけ筋力を維持することはできます。
しかし、関節に痛みがある場合は運動が苦痛になってしまうこともあります。愛犬が段差に上りたがらず躊躇するようになったら一度病院で検査を受け、今後の運動について獣医師に相談してみると安心です。
2.散歩の途中で疲れてしまう
体力が衰えてくると、今までのお散歩の距離や時間が大変になってしまうことがあります。
お散歩の途中で
- 呼吸が荒くなる
- 歩こうとしなくなる
- しっぽが下がる
- 歩き方に異変がある
など、愛犬が疲れた様子が見える場合はお散歩の距離や時間を調節してあげると安心です。運動の継続は愛犬の健康維持にとても大切ですが、愛犬の身体に負荷がかかり過ぎないように工夫してあげましょう。
3.寝ている時間が増える
犬は高齢になるにつれ、睡眠時間が増える傾向があります。また、体力の衰えから物事への好奇心が薄れてきて、今まで一生懸命遊んでいたおもちゃでも遊ぶ時間が減ってくることもあります。
睡眠時間が長くなること自体は老化現象の1つですので仕方がないことですが、愛犬の心や脳にとっては「ワクワクすること」はとても大切です。愛犬の無理のない程度でお散歩や遊びをして、愛犬に良い刺激を与える工夫をしてみましょう。
4.立ち姿や歩行の変化
後ろ足から弱りやすい
「老犬の80%が後ろ脚から弱ってくる」と言われています。犬が立っている姿勢の時、前足に7割、後ろ足に3割の体重がかかっています。
しかし、老化によって足腰の筋力や運動機能が衰えてくると、立ち姿が前かがみになりやすくなります。もともと後ろ足には3割しか負荷がかかっていないため、あまり使わない後ろ足から老化によって筋力が衰えやすくなります。
歩行や立ち姿の老化のサイン
立っている状態の時に
- 腰幅より足の幅が極端に狭くなった
- 後ろ足が細くなった
- お尻(腰)が下がっている
などの様子が見られる場合は、足腰の筋力が衰えていることが考えられます。
また、歩行している時に
- ひざを曲げたまま歩くようになった
- 段差をジャンプして上るようになった
などの様子が見られる場合は、関節の動きが悪くなっていることが考えられます。
自然素材の地面で適度な運動を
無理のない程度で筋力維持をしていくことはとても大切です。おすすめはアスファルトではなく土や芝生、砂浜などの自然素材の上を歩くことです。
自然素材はアスファルトよりもクッション性があり足腰や肉球への負担が少なく、かつ「足を踏ん張って歩く」という良い運動となります。その時その時の愛犬の身体と相談しながら、適度な運動を続けていきましょう。
まとめ
犬は7歳を過ぎた頃から老化のサインが表れやすくなります。大型犬の7歳は人間だと54歳頃、中型犬や小型犬の7歳は人間の44歳頃のイメージですので、まだ「老犬」とまではいきません。
しかし、犬も人間と同じように中年期を過ぎると体力が衰えてきたり異変が見られやすくなります。犬も個々で体質が違うため「まだ○歳だから」と年齢の数字に頼らずに、愛犬の「老化のサイン」に気付いて生活習慣を見直してあげることが大切です。