不安で閉じた心が、少しずつ開いていく
通報・発見
米国西海岸ロサンジェルスの街中で見つかった犬の保護を依頼され、保護団体HOPE FOR PAWS が向かいました。
通報では、足を骨折したシェパードだということですが、なかなか該当する犬は見つかりません。
その代わりにチワワを見つけました。
遠目でもすぐに、足を骨折しているとわかったそうです。
どこでチワワがシェパードに成長してしまったのでしょうね?口づて情報はこわい、こわい。
追跡
痛む足をかばいながら、「ウィル」は懸命に走って逃げました。
小さな体で歩道をどんどん、どんどん走って行きます。
その後を10分ほどゆっくりと車で追っていくと、ついに走れなくなって、ウィルは人家のドライブウェイに入っていきました。
接近
大丈夫だよ、と声をかけながら近づきますが、また逃げそうな素振りを見せるウィル。
行く手をふさぐために、急いで車に戻り、プラスチックフェンスを持ってきて設置しました。ウィルはそれをじっと眺めています。
保護団体創設者のエルダッドさんは、とても気さくな人のよう。
他人の家の庭に入るときは、なるべく、明るい声で説明して許可をもらいますが、今回は、ちょうど外にいた隣家の人に声をかけました。
「すみません、犬の保護をちょっとだけ手伝ってもらえませんか?」
いいですね、この丁寧さとフレンドリーさ。手伝いたくなりませんか?今回の保護活動は1人なので、誰かにフェンスの端をしっかり持っていてもらいたかったんです。
ウィルは固まったままです。
「この人、何してるんだろ?」と、戸惑っているのでしょうか。
あ、骨折は左の後ろ足ですね。
フェンスをぐるりと設置し終えて、エルダッドさん、地面にはいつくばってウィルに近づきます。
ウィルがちょっと牙を見せると、すかさずNo! No! と大きくはっきり、しかしやさしく言って、わからせます。
大きくはっきり、しかしやさしく。が大事ですね。ウィルは牙をすぐに引っ込めました。
犬の不安、人の一途さ、そしてBGM効果もあいまって、あれ、目から汗が…?
投げ縄のように布のリードをポンっとウィルの首にかけました!
ウィルはここまでずっと同じ場所にいて、エルダッドさんのすることを見つめていました。
もう半分、受け入れ態勢になっていたように見えます。不安で閉じていた心が、すでに半分、いや、3分の1ぐらいは、開いてきていたのかも。
手伝ってくれたお隣さんにお礼を言って、いったんウィルの横に座ります。
残りの3分の2を開けるための、大切な時間を作ります。見て、この表情。まさしく、「半信半疑」。
動画の終わり
ウィルをなでられるようになると、エルダッドさんは片腕にすっと抱き上げて、車に運びました。
私見ですが、HOPE FOR PAWS は、動画の作り方がうまい!抱えたウィルを見上げる角度で撮影すると、ウィルがまるで空を飛んでいるような、これからの未来に力強く羽ばたいていくような、そんな感覚を持たせる映像になるのですね。多くの動画を作成する中で、自然と編み出したワザかもしれません。
疲れたウィルは車中で、すでに安心して、眠りに落ちて行きます。
この安心した表情を見るためだけでも、保護の苦労のかいがあるかもしれません。または、里親になるかいが。
後足は、大腿骨骨折だったそう。車中で目を閉じるウィルを背景に、この後手術を行います、というテキストメッセージで、動画は締められます。
ああ、また目から汗が。
※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
掲載YouTubeチャンネル:Hope For Paws - Official Rescue Channel
オマケ
BGMと下からの角度がニクイ動画がこちらにも。
虐待のせいで攻撃的だから殺処分…の犬を直前に保護!克服はほんの一瞬
Hope for Paws
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