大けがをした前足を突き出して走る犬
通報・発見
自動車にはねられてケガをした犬の保護依頼を受けて、保護団体HOPE FOR PAWS が現場に急行しました。
発見した犬は、草地でうずくまって痛みをこらえているようです。
犬が逃げないように、協力者たちとプラスチックフェンスを持ち出しました。その場ですんなりと保護できるとよいですが…。
逃走
案の定、危険を感じた犬は、前足をかばいながら走り出します。
避けたかった状況になってしまいました。ケガをした足に体重がかかって、余計に傷つけてしまうかもしれません。
保護団体リーダーの声にも焦りがにじみます。
「ほら、食べ物あるよ!おいで!」
しかし犬は走り去ってしまいます。
接近
保護団体のメンバーが走り、犬の行く手に先回りしました。
食べ物をあげてみると、犬は大人しくその場にとどまり、手から直接食べてくれます。
このまま落ち着いてくれるかな?
犬の頭に触れることもできました。いい感じです。
その時、道路で突然ちょっとした騒音が発生すると、犬は驚いて逃げてしまいました!
左前足をケガ(おそらく骨折)しているようで、前方に伸ばしたまま、ピョコピョコと早足で歩き去ります。
追われていると自覚してあわてた犬は、骨折した足も地面について走り始めてしまいます!重傷なのに逃げ足、速い!
跳ねるように道路を横断してしまいます。ヒヤヒヤです。
そんな調子で何kmも追いかけっこをしたそうです。足が…。大丈夫でしょうか!?
最後は走っている人の靴ひもがほどけてしまい、第1ラウンド終了。犬は走り去りました。
うろうろと犬を探すこと45分、30区画先でやっと、駐車した車の下に隠れているのを見つけました。先ほど触るまで接近できた女性が、再度食べ物を持って接近します。
犬は車の下から出て来てくれました。確かに彼女には心を許しているようですね。
カメラに視線を向けて、「あいつはちょっと、うさんくさいな…」とでも思っているのでしょうか?
スピードはそれほど出ていませんが、車が横をどんどん通過します。女性は思い切って、犬の首筋を素手てわしづかみしました。
驚いた犬に咬まれる可能性もある危険な行為です。
犬はもしかしたら、すでに彼女を信用して、彼女のすることを受け入れてくれたのかもしれません。片手で布リードを首のまわりにとりつける間、じっとしていてくれました。
リードにつながれて少しだけ暴れますが、すぐに観念します。
この時、犬を「エコー」と名付け、女性はケガをした犬を小脇に抱えて保護団体の車に運びました。
ケージに入った犬に、リーダーが声をかけます。
「おーい、何で逃げるんだよう。」
(アンタはうさんくさかったんだよ…)←エコー心の声。
ケア
病院に着くと、エコーはすっかりリラックスした様子です。
早速骨折の状態を検査すると、骨が完全に砕けてしまっていて、切断するしかない状態だと判明しました。
そっか…。うん、でも、前を向いて行こう!
それから
三本足のエコーは、里親さんを絶賛募集中!(※現在は終了しています。)
片足がなくなって、なだらかな胸が広がっています。
犬はそのことを「なんで?」とは考えません。
想像ですが、たぶん、「あれ?何か変?ま、いっか。」
そして三本足の歩行に慣れてゆくのでしょう。
あんなにおびえていたのがウソのように、明るい表情で、なでられたり、おやつをもらったり、遊んだり。是非、動画をご覧ください。
※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
掲載YouTubeチャンネル:Hope For Paws - Official Rescue Channel
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