パンデミックの影響は犬の飼い主やアニマルシェルターにも
世界中で猛威を奮い人々の生活を一変させてしまった新型コロナウイルスのパンデミックの影響は、人間といっしょに暮らしている動物や、動物を保護しているアニマルシェルターにも及んでいます。
仕事を失ったり収入が激減してしまった飼い主はペットフードの購入やペットの医療費に苦慮しています。
その結果アニマルシェルターに連れて来られる動物が増える一方で、寄付金やボランティアの人手が減ってしまっているというたいへんな状況です。
このような状態は犬や猫たちペットの健康と福祉にとって非常に悪影響であるとして、アメリカ動物虐待防止協会では緊急の支援戦略を打ち立てました。
アニマルシェルターへの支援
数あるアメリカの動物保護団体の中でも屈指のレベルの規模の同協会は、このたびのパンデミックで大きな打撃を受けたアニマルシェルターのために200万ドル(約2億一千万円)の緊急支援基金を立ち上げました。
困窮しているアニマルシェルターの基本的な運用、譲渡プログラムと一時預かりプログラムの運営、獣医療のための助成金として支援されます。
また協会単独の活動だけでなく、小規模の動物保護団体や獣医療プログラムを実施する団体とのパートナーシップも立ち上げています。
ペットの飼い主への支援
突然の失業や収入の激減、自宅待機命令のため買い物もままならないなど、ペットの飼い主たちの生活も苦しい状況に立たされています。
同協会では犬と猫の飼い主のためにペットフードやペットシーツ、トイレ砂などペットのための生活用品の流通センターを設立しています。これらのフードやグッズは無料で提供されます。パンデミックの影響を最も大きく受けているニューヨーク市からスタートしていくつかの都市にセンターを設立する予定だそうです。
アメリカ動物虐待防止協会では「犬や猫たちペットは世界中で私たち人間に喜びや慰めをもたらしてくれています。この大きな危機の下、動物たちの健康と安全を確保するために取り組むことは私たちの役割です」と述べています。
まとめ
アメリカ動物虐待防止協会という大規模な団体が、その潤沢な資金力でアニマルシェルターや一般の飼い主のための支援策をスタートさせたことをご紹介しました。
アメリカにはこの協会の他にも同じくらいか、またはもっと大きな規模の動物保護団体が複数あり、このパンデミックの危機の中で動物や飼い主のための活動を行っています。
そのような状態でも、なお困窮している飼い主、命の危険に晒されている犬や猫がたくさんいます。
残念ながら日本にはこのような活動をできるだけの力を持った団体はありません。そして困窮している団体、愛護センターの職員さん、影響を受けている動物たちはたくさんいます。
もし今、愛犬や愛猫と共におうちの中で穏やかに過ごすことができているなら、少しだけ想像力と手間とお金を使うことを考えてみてください。
日本の保護団体も支援を求めているところがたくさんありますし、公営の動物愛護センターでもフードや消耗品の寄付を受け付けています。
こんな時だからこそ、他者への優しい気持ちや行動をほんの少しでも実行することが、生きやすい世界につながるのではないかと思います。