山火事で怪我をしたコアラを救え!
オーストラリアを襲った未曾有の大災害、大規模な山火事の被害は、ここ日本でも多くの方が心を痛めました。被害に遭った人々は言うまでもなく、野生動物たちも多く犠牲になってしまいました。
中でも動作の遅いコアラたちは逃げ遅れてしまい、多くのコアラが命を落としてしまいました。コアラ生息地の約30%が失われたとも言われています。火傷や怪我をしているコアラも多く、野生動物の保護団体などが傷ついたコアラを探して保護することに尽力しています。
そのコアラの捜索に大きな力となっているのが、野生動物の探知犬たちです。訓練を受けた探知犬たちが、各地で保護に当たっている人々をコアラのいる所に導いています。ここではその探知犬の1匹テイラーを紹介します。
子犬の頃から探知犬としての訓練
こちらはコアラ探知犬のイングリッシュスプリンガースパニエルのテイラーを紹介したビデオです。
テイラーはたった8週齢の頃から、コアラの探知犬としての訓練を受けてきたそうです。訓練と言っても子犬が楽しく遊びながら学習していくということが大前提で、コアラのフンや毛皮の匂いを嗅ぐたびに、大好きなテニスボールとオヤツのご褒美があるという方法でスタートしました。
その後は剥製のコアラを使って嗅覚で探す訓練、コアラのフンや毛が落ちている所から匂いを追跡する訓練などへと移り、11か月齢から実際に探知犬として働き始めたそうです。
テイラーは現在4歳ですが、コアラを含む様々な動物の捜索に豊富な経験を持っています。そして今も、子犬の頃から変わらず鼻を使ってものの匂いを嗅ぐことが大好きで、動物を見つけ出すことを楽しんで実践しています。
コアラ探知犬の仕事
テイラーのような探知犬は、コアラを見つけるために森に放たれコアラの匂いを探していきます。コアラのフンやコアラそのものの匂いを見つけるとパートナーである人間に知らせ、人間たちはコアラの救助に向かいます。
コアラは火傷や怪我を負っている可能性が高いので、コアラ専門病院に運ばれ治療を受けます。コアラの病院では減ってしまったコアラの頭数の回復のために、今後は繁殖の手助けをする計画なども立てているそうです。けれど、今はまだ森に残されているコアラを保護することが最重要で、テイラーたち探知犬が活躍する段階です。
探知犬のチームは、もちろんコアラ以外の野生動物の保護にも一役買っています。犬たちは人間よりもずっとスピーディに多くのエリアをカバーして捜索するため、素晴らしい戦力として頼られています。そしてどの犬も熱心に、楽しみながら野生動物を助けるために働いているということです。
まとめ
オーストラリアの山火事で怪我をして森に残されてしまったコアラを保護するために、匂いで野生動物を探し当てる探知犬が活躍しているというニュースをご紹介しました。
これほどの被害を生んだ大規模な山火事は地球温暖化の影響だと言われています。人間の営みがそもそもの原因になって、野生動物たちが巻き込まれてしまったとも言えるでしょう。犬たちはそんな人類の過ちを一緒に正してくれているようにすら見えます。人間は犬に頭が上がらないことだらけだと、つくづく考えさせられます。
《参考URL》
https://www.abc.net.au/news/2019-12-02/koala-sniffing-dog-saves-wildlife-after-bushfires/11730758