1.恐怖やストレス
お散歩の途中で、犬がストレスとなる要因があったのかもしれません。例えば、風が吹いて自転車カバーが飛んできたり、他の犬に吠えられたりするだけで、犬にとってストレスを感じることがあります。飼い主が気づかない間に、愛犬にとって恐怖を感じる物と遭遇したのかもしれません。
急にお散歩コースを変えただけでも、ストレスを感じることがあります。犬が落ち着くまでの間、しばらく様子を伺ってみましょう。お散歩中に遭遇した悪い出来事を犬はいつまでも覚えています。どんなことが苦手で、どんなことに恐がるのか・・・、愛犬の行動や性格を日頃から理解しておきましょう。
2.外傷による痛み
肉球の間に小石や砂利、木の実が挟まったり、小枝のささくれが刺さったりなど、肉球に傷を負って痛みを感じているのかもしれません。犬は人間のように、指を使って異物を取り除くことはできないため、痛みや不快感があれば舌で舐めて取り除こうとするのです。
こうして舐め続けることで、傷口から細菌が入り炎症がさらに悪化して化膿してしまう恐れもあります。肉球をずっとペロペロ舐めている場合は、犬の肉球に優しく触れて観察してください。愛犬の足を優しく握り、反応する箇所を確認しましょう。
3.骨折・関節炎など
前足を舐めているだけでなく、歩き方が妙にぎこちなかったり、引きずっていたりしていませんか?骨折や脱臼・打撲などが原因で、骨や関節に細菌が入って炎症を起こすことがあります。
前足に軽い違和感があるだけでも、犬は舐めまわすことがあります。外傷と違って気づきにくいのですが、犬の前足にそっと触れてみてください。キャンキャン吠えたり震えたりする場合は要注意です。
また、犬種によっては椎間板ヘルニアを起こしている可能性もあります。愛犬の歩き方がいつもと違う場合は、なるべく早めに動物病院を受診しましょう。
4.皮膚炎・アレルギーなどによる痒み
細菌や真菌(カビ)・寄生虫や常在菌繁殖によるアレルギーや、アトピー性皮膚炎など、皮膚の痒みから前足を舐めることがあります。神経質な犬は、痒みや不快感を取り除こうと、いつまでも舐め続けることがあります。舐め続けることによって、傷口から細菌が入り、炎症を悪化させてしまう恐れがあります。
指間炎
犬の指間炎とは、肉球や指の間に炎症を起こす皮膚炎の一種です。炎症を起こした箇所は赤く腫れ、痒みや痛みを感じるために、肉球部分をペロペロ舐め続けることがあります。犬が舐めることによって、患部に細菌が入り化膿することもあります。
犬の指と指の間(水かき部分)を良く観察しましょう。赤く腫れている場合は、指間炎の可能性があります。
まとめ
お散歩の途中で、犬が急に立ち止まって前足を舐め続ける行為は、飼い主として心配になりますよね。犬が前足をペロペロ舐め続けるのは、主に心理的なもの・痒みや痛み・不快感によるものがあります。舐め続ける行為を辞めさせるために、無理に首輪やハーネスを引っ張るのは止めましょう。
犬を抱えて安全な場所に移動させ、犬の反応を観察しましょう。お散歩から帰った後にも、足を舐め続けているかどうかが重要です。いつもと様子が違う場合は、早めに獣医師に診察してもらうことをおすすめします。