あるイギリス人夫婦が愛犬のために出した求人広告
イギリスで、あるご夫婦が愛犬のために出した求人広告が話題を呼んでいます。ご夫婦が求めているのは、彼らの愛犬であるポメラニアンのフィガロのためのドッグシッター兼ボディガードです。
この愛犬家のご夫婦が求めている人材は次のようなものです。
- 少なくとも1種類の格闘技で黒帯レベルの経験がある
- セキュリティの経験がある
- ボディビルで体を鍛えている
- 守秘義務を遵守する契約書に署名する
そして最も大切なことは、
- 大の犬好きである
月〜金まで1日2回の散歩と、フィガロがお留守番のときに寂しくないよう遊んであげること、そしてもちろん何かあったときにはフィガロの身を守ることが仕事の内容です。
求人者であるご夫妻はこの条件で年間20,000〜26,200ポンド(日本円にして約285〜373万円)を提示しているそうです。
ボディガードの必要なポメラニアンはどんな子?
これほどまでにガードを固めなくてはいけないポメラニアンのフィガロはどんな犬なのでしょうか?飼い主さんによると、フィガロは非常に由緒正しい良い血統を持っているそうです。さらにコートの色が珍しく、誘拐される可能性が高いということです。
実は、フィガロは今年もう少しで誘拐されるところを辛うじて回避したという経緯があります。飼い主さんはそれ以来不安とストレスに苛まれ、そのことがきっかけでフィガロのためのボディガードを探すことにしたのだそうです。
友人や親族はフィガロの飼い主さんをクレイジーだと言う人もいるそうですが、ご夫妻にとってフィガロの安全は何よりも重要なことだから、関係ないと述べています。
犬のボディガードの背景は笑い事ではない
愛犬を守るためにボディガードを雇うというのは、もちろん誰にでもできることではないし「そこまでしなくても」と考える人がいるのも無理はありません。しかし、この飼い主さんがここまで思い詰めた背景は、笑い事ではない事情があります。
フィガロが誘拐未遂に遭ったとき、飼い主さんはもちろん警察に届け出たそうです。しかし、イギリスの法律ではペットの犬は物品扱いになるため、たとえ誘拐されても捜査の優先順位は低く、まして今回のように未遂に終わった場合には警察にできることは何もないと言われたのだそうです。
ペットは物品扱いと言えば日本の法律でも同様ですから、これは身につまされる思いがします。また、イギリスでは犬の誘拐が増加しているのだそうです。2014年から2018年の間に犬の盗難は27%増加し、犯人逮捕は10%減少していると言います。昨年イギリスでは毎日平均5件の犬の盗難が報告されています。これらは確かに大切な愛犬を持つ人を不安にさせる数字です。
残念ながら、フィガロのボディガードはまだ見つかっていないそうです。遠い国の出来事ながら、フィガロと飼い主さんが安心して暮らせるようになってほしいものだと思います。
まとめ
イギリスで愛犬のポメラニアンのためにプロのボディガードを雇いたいと求人を出した飼い主さんのニュースをご紹介しました。
「度の過ぎた愛犬家」と飼い主さんを笑う人もいるかもしれませんが、ペットを盗むことが自転車を盗むことと同じような扱いでしかない法律や犯罪の増加など、ここには深刻な問題も含まれています。皆さんは愛犬家としてどう思われましたか?
《参考URL》
https://www.examinerlive.co.uk/news/uk-world-news/couple-pay-20k-you-dogs-17327460