世界初の「保護犬がいるビアハウス」
アメリカのオレゴン州で、2018年にオープンした「保護犬ビアハウスFido's」が人気を集めています。保護犬カフェや保護猫カフェというのは馴染みがあっても、ビールを出すビアハウスというのは聞いたことがないという方が多いかと思います。それもそのはず、保護犬ビアハウスというアイデアはこのFido'sという場所が世界で初めて実現したものだそうです。
オーナーのスコット・ポーターさんは、以前から自家製醸造ビールを出すビアハウスをオープンすることを考えていたそうですが、あるときポートランド市にオープンした猫カフェに行く機会があったそうです。
大の犬好きであるポーターさんは「そうだ!ビアハウスに犬がいるというアイデアはどうだろう。犬は保護施設から迎えた保護犬で、希望者には譲渡の仲介をすればいいんじゃないか?」と思いついたのだそうです。
そしてビアハウスの準備の傍らで、オレゴン州の動物保護施設や犬のレスキューグループに協力を打診する連絡を取り始めたのだそうです。
レスキューグループとパートナーに
2018年1月にビアハウスFido'sがオープンしました。Fido'sは十数種類の自家製醸造ビールとサイダー、ピザやソーセージなどの食べ物、そして保護犬と犬のためのチャリティイベントを提供するという、とてもユニークな場所として人気を集めています。
店内にいる保護犬たちは4〜8匹で、パートナーを組んだ地元の犬レスキューグループ「フレンズオブシェルターアニマル」から来ています。
このレスキューグループは、カリフォルニアの殺処分率の高いシェルターから犬を引き取って、預かりボランティアを中心にして犬の譲渡活動を行っています。Fido'sもそんな預かりボランティアの一つであり、ビアハウスにいる犬たちは新しい家族が見つかるまでここで暮らします。
気軽に家族全員で訪れることができるビアハウス
Fido'sではビールを楽しみに来た人たちが保護犬を目にするというだけでなく、犬だけを目当てに来ることも大歓迎しています。30分で4ドルの料金を支払うと、店内にいる犬たちと遊ぶことができます。この収入はもちろん、犬たちのケアのために使われます。
保護犬の譲渡活動の他にも、PTSDに悩む退役軍人のためのセラピードッグや盲導犬の啓蒙活動などのチャリティイベントや、犬と一緒に行うヨガなどのイベントが積極的に開かれています。
店内にいる保護犬を家族に迎えたいと希望した場合には、その場で連れて帰るのではなく、後日同居している家族全員が訪れて、犬と対面してからという条件もついており、酔った勢いで保護犬を衝動的に連れて帰るなどということはできないようになっています。Fido'sではオープンしてから2年の間に、約70匹の犬たちを新しい家族の元に送り出したそうです。
こちらはFido'sの保護犬の譲渡活動を紹介したビデオです。犬たちの様子を見るだけでも楽しいですよ。
まとめ
アメリカのオレゴン州で話題を集めている保護犬ビアハウスについてご紹介しました。
保護犬に新しい家族を見つけるのに、こんなふうに明るく楽しい方法を取ることは保護犬のイメージアップのためにも良いことですね。日本でも丸ごと同じことをしようというのではなく、譲渡活動に明るく楽しいスピリットを吹き込もうという、ヒントの一つになればいいなと思います。
《参考URL》
http://ilovefidos.com
http://ofosa.org