イギリスの小児病院で活躍しているボランティアチームは「ドッグター」たち
病院でボランティアとして働くセラピードッグと言えば、入院中の患者さんを訪問して寄り添ったり撫でられたりして、精神的なサポートをすることがよく知られている仕事です。
しかしイギリスのサウサンプトン小児病院では、6匹のゴールデンレトリーバーたちがボランティアチームのメンバーとして従来の仕事以外の任務にも就いています。
犬たちの名前はマイロ、ハッティー、クイン、ジェシー、レオ、アーチー。
彼らはドクターならぬ「ドッグター」という愛称をもらって、入院中の子供たちのために働いています。
彼らは子供たちからハグされたり撫でてもらったりすることの他に、医療処置が見た目ほど怖くないよということをデモンストレーションするという役目を担っているのです。
医療デモンストレーションの始まりは7年前偶然に
子供にとって入院生活はただでさえストレスが溜まるものですが、見慣れない機械でレントゲンやMRIなどの撮影をすることを怖れて嫌がってしまう子も少なくありません。
サウサンプトン小児病院のセラピードッグたちは、これらの医療処置の説明をするデモンストレーションビデオに出演して、子供たちに「怖くないよ、こんなことをするだけだよ」ということを説明します。
犬たちがこの役目を担うことになったきっかけは7年前に入院中の小さい男の子がちょっと変わったマスクを着用する必要があったことでした。
男の子は今まで使ったことのないマスクを着けるのを嫌がっていました。その時そばにいたセラピードッグの1匹が横に置かれていた予備のマスクに鼻を突っ込んでクンクン匂いを嗅ぎ、嬉しそうな笑顔を見せました。
それを見た男の子も笑顔になり「僕もやってみる」と無事にマスクを着用してくれたのだそうです。
でも犬がデモンストレーションってどうやって?
犬が医療機器の使い方をデモンストレーションすると言ってもイメージが湧きにくいですよね。
病院では犬たちを主役にしてデモンストレーション用のビデオを制作しました。
そのうちの一本がこちらで、レントゲン、MRI、CTスキャンの説明になっています。
ゴールデンレトリーバーのレオが受付で手続きをして、レントゲンやMRIの機器についてナレーションが流れています。
「ここにこうやって寝転がっているだけでカメラが撮影してくれて、それでおしまい!」とレオが寝転がって実演してくれます。
セラピードッグが子供に及ぼす影響についての1年間の研究では、犬が存在することで様々な検査を待つ子供の不安が軽減されることが分かっているそうです。
子供たちにとっては「犬もあの機械に入ったんだから大丈夫なんだ」と感じるそうです。
まとめ
イギリスの病院で入院中の子供たちのために医療機器の使い方のデモンストレーションをして見せるセラピードッグたちのことをご紹介しました。
こんなに立派に仕事をする彼らですが、いったん専用のベストを脱いだ時には、ビーチや森に連れて行ってもらって思い切り楽しい時間を持つのだそうです。ホッとしますね。
《参考URL》
https://au.news.yahoo.com/dogs-showing-kids-how-to-go-through-medical-procedures-uk-southampton-childrens-hospital-052520665.html?soc_src=social-sh&soc_trk=tw
https://www.rover.com/blog/childrens-hospital-therapy-dogs/