ハイスクールの生徒とシェルターの犬のコラボイベント
アメリカ、カリフォルニア州にあるセントジョセフ高校の陸上クロスカントリーチームと地元の動物保護施設の犬たちが一緒に行ったイベントが話題になり、その後も静かに素敵な流れを作っています。
クロスカントリーチームの監督はある時、チームの生徒たちと地元の保護施設の犬がペアになって走るというイベントはどうだろう?と思いついたそうです。
監督の目的は、生徒たちが地域への貢献を経験すること、施設にいる犬たちに楽しみ、運動、社会化の機会を提供し、できれば新しい家族に迎えられるための手助けをすることでした。
地域への貢献はボランティア活動としてカウントされ、進学の推薦の際のプラスになるので、人にとっても犬にとっても、これは良いアイデアでした。
ラッキードッグのフレッド
シェルターランと名付けられたこのイベントは、犬とランナーがペアになって走る様子が録画され、高校のフェイスブックで公開されました。
ビデオの中で颯爽と走っていく犬とランナーの一番後ろでかなり遅れて、犬を抱っこして歩いてくる一人の男子生徒が映っていました。
このビデオの前半に記録されているのがその様子です。
抱っこされていた犬のフレッドは早々に走ることを止めてしまったのですが、ペアになった男子はフレッドを抱いてゴールしました。
この様子がSNS上でたくさんシェアされて、地元ニュースや全国ニュースで大きく取り上げられました。
フレッドを抱いてゴールしたこの男子は、数日後に親御さんといっしょにシェルターを訪れ、フレッドを家族に迎えました。
シェルターランが生んだ活動の広がり
こうしてシェルターランは全国的に大きな話題となりました。その結果全国の他の高校からセントジョセフ高校の監督のもとに問い合わせが来るようになったそうです。
他の高校のクラブ活動の監督たちも、このような活動を取り入れたいということでした。こうしてシェルターランは静かに広がりを見せ、今も人気のイベントとなっているそうです。
さらに、上のビデオの後半部分で触れられているのですが、生徒と犬たちがいっしょに走る映像を見たドッグハーネスのメーカー「ラフウェア」が「もっと安全で快適なハーネスを」と動物保護施設にハーネスを寄付したのだそうです。
セントジョセフ高校の監督は「テレビからは大人たちのガックリするような情けないニュースが連日流れて来る。そんな時だから生徒たちに小さなことでも優しくて誇れることにかかわってほしいと思ったんです」と述べています。
まとめ
アメリカの高校のクロスカントリーチームの生徒が保護施設の犬とペアになって走るイベントが、全国的に人気を博す流れになったことをご紹介しました。
保護施設の中で退屈な毎日を送っている犬にとっても、このようなイベントは良い意味での刺激になりストレスの軽減につながります。
また若い世代や地域の人々が保護施設にいる犬に注目する機会を増やすという面でも大きな意味があります。
柔軟なアイデアで人にも犬にもプラスになる、こんな活動の仕方もあるのだなと考えさせられますね。
《参考URL》
https://www.rover.com/blog/running-coach-launches-shelter-dog-run-trend-saves-lives-vr/