保護犬を主役にした本格的なドッグショー
ドッグショーと言えば、そうそうたる血統の純血種の犬たちが集められ、それぞれの犬種スタンダードに沿った姿形を競うものというイメージがありますよね。アメリカで2018年に始まり、今年も行われた「アメリカンレスキュードッグショー」はそんなイメージを打ち崩すものです。
ショーに登場するのはその名の通り、全員が保護犬たちです。もちろん純血種である必要はなくて雑種も大歓迎です。出場資格はただ一つ「保護犬であること」のみです。
このレスキュードッグショーはたいへん本格的なもので、会場もアメリカの代表的なドッグショーと同じ規模の造りで、有名俳優が司会をするショーの様子は2夜連続でテレビ放送されました。
レスキュードッグショーが開催された同じ月に世界三大ドッグショーの一つであるウェストミンスターケネルクラブドッグショーがあったのですが、同じように2夜連続で放送された2つのショーは、レスキュードッグショーの方が21%も視聴者数が多かったことでも話題になりました。
競い合うのはそれぞれの犬のキャラクター
通常のドッグショーと違って、犬種スタンダードなど関係なくそれぞれの個性で勝負するのがレスキュードッグショーです。
全部で10のカテゴリーとそれぞれのベストは次の通りでした。
ベストカウチポテト | ソファー大好きドーベルマンのブルー |
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ベストスマイル | 愛され笑顔のピットミックスのJJ |
ベストおなかなでて | 子供が大好きピットミックスのルビー |
ベストシニアドッグ | 12歳のミックス犬ミッジ |
ベストいびき | お昼寝大好きイングリッシュブルのビーフ |
ベストスペシャルニーズ | 持病はあるけど幸せチワワのカップケーキ |
ベストおしゃべり | I LOVE YOUが言えるミックス犬ゴースト |
ベスト受け口 | 飼い主さんが一目惚れテリアミックスのジムベアー |
ベストプリプリおしり | 幸せオーストラリアンシェパードのバブカ |
ベストショート | 足は短いけどジャンプ力抜群のハワード |
各カテゴリーのベスト犬が最終勝者のベストインレスキューの審査に進むことができるのですが、2019年のベストはベストインショートに選ばれたミックス犬のハワードでした。ハワードはポインターやラブラドールのような立派な顎と肩、ダルメシアンのようなコート、コーギーのような短い足を持つ、ミックス犬の醍醐味のような犬です。
それぞれの勝者には賞金が送られます。賞金は大手ペット用品店が動物保護基金として設立運営しているペトコファウンデーションがサポートしています。でもそれぞれの犬にとって一番大切なことは、今は大好きな飼い主さんに愛されて幸せな毎日を送っているということですね。
こちらは番組の予告CMです。楽しい雰囲気が伝わってきます。
レスキュードッグショーの最大の目的
このドッグショーの目的は「楽しい!可愛い!」だけではなくて、一般の人に保護犬に対する理解を深めてもらい、犬を迎えようと考えたら保護施設やレスキューグループという選択肢があることを知ってもらうというものです。
ショーに出場した全ての保護犬の写真とストーリーはショーのウェブサイトで見ることができますし、テレビ番組の中では保護犬と暮らしている芸能人が登場して愛犬のことを語ったり、現在里親募集中の犬たちが登場して、保護犬のことを知ってくださいというアピールがされました。
保護犬を迎えるという選択肢があるよと伝える時、楽しくて幸せな姿をアピールするのはとても良い方法です。小難しいことや悲しいストーリーを伝えるよりも、より広い層の関心を集めることができるからです。
まとめ
アメリカで2018年から行われている保護犬のためのドッグショーをご紹介しました。このアメリカンレスキュードッグショーは2020年も開催されることが決まっており、現在出場者が募集されています。こんな楽しいイベントで、保護犬に関心を持つ人の裾野が広がり、一匹でも多くの犬に幸せな家庭が見つかるきっかけになれば素晴らしいことだと思います。
《参考URL》 https://www.hallmarkchannel.com/american-rescue-dog-show