コンパニオン・ドッグとは
「コンパニオン・ドッグ」の言葉の意味は家庭犬、愛玩犬、伴侶犬などを示します。犬はその昔、番犬や猟犬など人間のパートナーとしての役割を果たすために人と共に生活していました。しかし、今現在は家庭で飼われている犬はほとんどがコンパニオン・ドッグとして家族の一員として生活していると思います。
コンパニオン・ドッグは番犬や猟犬のような仕事をしてもらう訳ではありません。人が犬を飼う理由は犬が好きで単純に一緒に生活がしたい、また犬と共に生活する事で人生を豊かなものにしたいなど様々あると思います。まるで人間と同じように話しかけたり、一緒に眠ったり、旅行に行ったりと本当の家族として接している飼い主さんが少なくないと思います。そんな存在がコンパニオン・ドッグになるのです。
犬がコンパニオン・ドッグとして人間と幸せに生活していくには、飼い主さんからの愛犬に対してのしつけが必要になりますよね。コンパニオン・ドッグとして、どれくらいしっかりと訓練されているか示す試験が家庭犬訓練試験になります。別名、CD(コンパニオン・ドッグ)試験とも呼ばれ、犬が受けることが出来る試験です。
家庭犬訓練試験とは
家庭犬訓練試験とは犬の血統書の発行元である、ジャパンケネルクラブが認定している資格で犬自身が受ける試験になります。日頃の飼い主さんのしつけによって、どれくらい訓練が入っているかの受験なので飼い主さんも緊張感があると思います。
この試験の特徴ははあくまで訓練の成果を発揮する場所ということ。訓練競技とは異なるため、受験する他の犬と順位を競わせるようなことはありません。他の受験する犬と比較されることなく、試験の各課目をしっかりと進めていくことができるかが合格基準に繋がります。
試験クラス
試験の種類は4つに分かれています。
- 家庭犬訓練試験初等科(CD1)
- 家庭犬訓練試験中等科(CD2)
- 家庭犬訓練試験高等科(CD3)
- 家庭犬訓練試験大学科(CDX)
この4種類に分かれていてCD1から順番に受けていくことになります。どんなに訓練の成果に自信があってもCDXから受けることは出来ませんのでご注意ください。ただし、同時に受験することは可能となっているので、CD1とCD2の試験を同時に受けることは出来ます。
試験課目や内容
試験課目内容や課目数は初等科から順に、困難度が上がり課目数も増えていくようです。
家庭犬訓練試験初等科(CD1)
必須課目は2課目で「紐付き脚側行進」「立止」。その他、選択課目が3課目で計5課目になります。
家庭犬訓練試験中等科(CD2)
必須課目は7課目、初等科の2課目に加えて「紐無し脚側行進」「停座及び招呼」「伏臥」など。選択課目が3課目で計10課目になります。
家庭犬訓練試験高等科(CD3)
必須課目は14科目、中等科の7課目に加え「常歩行進中の立止」「物品持来」「遠隔・停座からの伏臥」など。選択課目は6科目で計20課目になります。
家庭犬訓練試験大学科(CDX)
必須課目は20課目、高等科の14課目に加え「速歩行進中の伏臥」「速歩行進中の停座」「速歩行進中の立止」など。選択課目は10課目で計30課目になります。
必須課目は全てで20課目あります。CDXになると、もちろん全てをこなさなければ合格できないようです。また選択課目は全てで27課目。「八の字股くぐり」「吠えろ」「おんぶ」「くわえて歩く」「お手」「チンチン」など様々です。初等科のみ選択課目は20課目のなかから選ぶようになっています。
受験資格や受け方
受験資格
家庭犬訓練試験を受けるには愛犬が生後6ヶ月と1日を過ぎていることと、受験する犬がジャパンケネルクラブに登録されている犬であることが必要になります。登録に関しては受験時に同時登録でも受験可能です。
受け方
家庭犬訓練試験は訓練競技会や展覧会で同時開催される公開訓練試験を受験するか、公認訓練所で試験を受けることになります。公認訓練所で試験を受ける場合は1頭のみで受験する事はできませんので事前に訓練所への確認が必要になります。
まとめ
賢くてお利口さんなワンちゃんの飼い主さんなら、愛犬と一緒にチャレンジしてみたい試験かもしれないですね。我が家の場合は「周囲に迷惑をかけない」「トイレをきちんとする」「噛まない」など、最低限のしつけはしているものの、お利口ではないのでうちの愛犬は難しそうです…。
とは言え、しっかりトレーニングするのであれば、その先にこのような資格所得のチャンスがあるのは、飼い主さんもモチベーションが上がると思います。犬種や個体差により性格に大きな違いがあり、個性があるのが犬の魅力です。愛犬に合ったトレーニング方法でしつけを行っていきましょう。