一昔前には多かった犬の迷子問題
昭和の時代には、よく飼い犬が迷子になってしまい、近所の電柱に「探しています」などの張り紙が貼られていたり、脱走した飼い犬が飼い主の元へ戻らず、そのまま野良犬となってしまうという事例も珍しがありませんでした。
しかし、現在は迷子になってしまう犬の頭数が減っています。街中でウロウロと歩き廻る野良犬(迷子犬)の姿も見かけることがほとんどなくなりました。この変化にはどのような理由が影響しているのでしょうか。
大きな理由として外飼いする家が減り、ほとんどの家が室内飼いになっているという変化が挙げられます。外飼いの場合、どうしても柵を乗り越えて逃げてしまったり、あるいは雷の音にびっくりしてパニックになり、脱走してしまうというケースが非常に多いです。
室内外となった現在、直に雷の音を聴くことも少なくなり、パニックに陥っても室内であれば外に逃げ出す可能性が低くなりました。他にも勝手に散歩に行ってしまうという事態もほとんど見られなくなったため、迷子犬が減ったと考えられます。
犬が迷子になってしまう主な原因
室内飼いが多くなった現在、迷子になる犬は大きく減少しました。しかし、だからと言って0になったわけではありません。今なお一定数、迷子になってしまう犬はいます。さらに驚くことに、そのうちの7割超えが家から脱走しているのです。ここでは現在、犬が迷子になってしまう主な原因を見ていきます。
散歩中にリードを離してしまった
まずは散歩中に迷子になってしまうケースです。家から脱走してしまうという理由の次に多いケースです。毎日行う日課だからこそ、起こる可能性の高いシチュエーションとも言えるでしょう。
散歩中に犬が逃げてしまい迷子になる場合、多くは飼い主が愛犬の突然の行動に反応できず、思わずリードを手放してしまい、その後迷子になってしまうというケースです。
特に臆病な性格の犬であれば、少しの出来事にパニックに陥り、突然全力疾走し出すこともあります。散歩中は常に気を張り、愛犬が危険な目に遭わないよう気を付けましょう。
開けっ放しにしていた玄関から出てしまった
意外と多い原因に玄関から出て行ってしまったというケースがあります。「玄関から出て行くなんてことあるの?」「だって玄関はしっかり閉じているじゃない」と思うかもしれませんが、意外と多いのです。
例えばちょっとそこまでゴミを出しに行こう、と玄関を開けた際、飼い主とドアの隙間を通り抜けて出て行ってしまったという事例もあります。
好奇心旺盛な犬の場合、1匹でも外に出てみたい、外に行きたいという欲求が強くなることがあり、玄関が開いた隙に出て行こうと考える犬もいます。これは飼い主から逃げたいわけではなく、単に外に出たいという好奇心から起こる行動です。
外飼いしていたら柵を越えて逃げてしまった
現在はほとんどのご家庭が室内飼いですが、中には外飼いしているご家庭もあります。この場合、やはりどうしても室内飼いの犬に比べると勝手に外に出てしまい、迷子になってしまう犬が多いです。
「うちの子は大人しいし、言うことをよく聞くから大丈夫」と思っていても、驚くような出来事があった場合、パニックに陥り、普段からは想像できないような力で柵や壁を飛び越えてしまうことがあります。
雷が鳴っている日は室内に入れるようにするなど、外飼いで愛犬に怖い思いをさせないようにすることが迷子犬にしない防止策となるでしょう。
犬が迷子になってしまったら
もしも犬が迷子になってしまった場合、まずは保健所に連絡することが最優先です。他の人が迷子犬を見つけた場合、多くが保健所に連絡をし、保護してもらっている可能性があるからです。
既に保護されている、あるいは見かけられている可能性がある場合、保健所に連絡済みである可能性があります。まずはそちらで愛犬に似た外見の犬の情報がないかを尋ね、その後愛犬の外見を伝えた上で情報があれば連絡してもらうようにしましょう。
また中には警察署に「拾得物」として届けられている可能性もあります。「どこに連れて行けばいいかわからないから、とりあえず交番へ」という流れで警察の元へと辿り着くケースも珍しくありません。近くの交番へ行ったり、電話をして尋ねてみましょう。
また近年増えてきている手段として、SNSの活用があります。SNS上で「この犬を探しています」と発信し拡散してもらうことで、様々な人から情報を集めることができるという方法です。こちらもSNSを利用している人は検討してみましょう。
まとめ
いかがでしたでしょう。最近は件数の少なくなってきた迷子犬ですが、0になったわけではありません。小さな油断が愛犬を迷子にさせてしまう事になりかねないのです。今回ご紹介した主な原因を参考に、愛犬が間違って逃げ出すことのないようにしましょう。