生後間もなく保健所に持ち込まれた保護犬「ニコ」を迎え入れた話

生後間もなく保健所に持ち込まれた保護犬「ニコ」を迎え入れた話

6年前、6頭の兄弟犬と共に保健所へ連れていかれた子犬達。成犬の里親になることに不安がある方へ知って欲しい、生後2カ月から家族になった保護犬ニコの物語です。

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先住犬の死から4年

きりっと

先住犬のシェルティを亡くしてから4年が経った頃でした。写真を見たり、街で似たシェルティを見かけるだけで涙が出る日々を乗り越えた時、少しずつ新しい子を迎えるタイミングを考えていました。

ちょうど結婚が決まり、転居先はペット可物件を探しました。もともと捨て犬や里親になることを考えていた私は、ペットショップには通わず近くの公園などで迷い犬がいないか無意識に探す日々を過ごしていました。

そんな中「里親募集 犬」という検索ワードをインターネットで調べ始め、千葉県にあるNPO団体のHPが目にとまりました。

里親になる覚悟

その施設は保健所などから保護した犬や猫の里親を探す団体で、施設内に専門の医療施設を設け避妊去勢を済ませた状態で引き渡す活動を行っていました。初めてそこのHPを見た時には里親を待つ犬達が100頭以上いたのでないかと思います。

私は、犬の里親になるにあたって大きな不安の要因になるのは次のことではないかと考えていました。

  • 社会へのリハビリが必要なケースがある
  • 純血種よりも雑種の頭数が多く、成犬時のサイズが不明確な場合が多い
  • 子犬の時期を過ぎた成犬が多い

主人は生き物を飼うことが初めてでした。私は、犬がいる生活の幸せ、そして犬を愛し犬から愛される幸せ、そして苦労も合わせて感じて欲しいと思っていました。結果、社会へのリハビリが必要な状態の成犬ではなく、なるべくトラウマの少ない子犬から迎えいれた方が良いでのはと思うようになりました。

「ニコ」との出会い

サークルに入った兄弟犬

サークル内のニコ

ニコは、生後間もなく6頭の兄弟と一緒に保健所に持ち込まれた犬達の1匹でした。サークルに入った6頭は私達を見ると、サークルの扉に立ち上がって群れ、尾をふりながらキャンキャン吠えていました。

サークルの奥の方で頭を下げて、何か申し訳なさそうに私達を見つめている犬、それがニコでした。私は瞬間的に「この子にしよう」と心に決めていました。

網に指を入れて注意をひくと、ゆっくりと寄ってきては、ヤンチャな兄弟犬に押し倒されていました。大型犬サイズになれば転居を考えていましたが、体つきや手の大きさから大型犬サイズにはならないのではと思いました。

ニコとの生活

それから2週間程してニコを引き取りにいきました。他の兄弟犬もみんな里親が決まったとスタッフの方から聞きました。
兄弟から離れたニコはサークルの中よりも不安そうでした。

連れ帰った日

しかし、1週間もすると笑顔も増え毎日楽しそうにおもちゃで遊ぶようになりました。温かい所が好きで、足の隙間で寝たり毛布が大好きでした。

毛布で寝る

足の隙間で

笑顔が増え楽しそうな反面、やはり臆病で怖がりな性格から散歩では周りの音にビクビク歩くようになりました。特にバスが通る音や車のクラクションが苦手で、尾を下げて逃げるように走っていきました。

私は、ニコを抱いてバス停の近くの公園で過ごす時間を毎日少しずつ長くしていきました。最初は腕の中で震えていましたが、おやつをあげたり、主人にもバスで帰宅してもらうよう協力してもらい、嫌いなバスから大好きな主人が出てくるよう計画しました。

その甲斐あって、バスやトラックが走る大通り沿いの道も楽しく散歩ができるようになりました。

くさむらで

現在のニコ

不明のニコの誕生日は、1月11日と決め今年で6歳、体重は14キロになりました。軽度のアレルギーがありますが、大きな病気もせず、毎年の健康診断でも問題なしです。初めて会った人や男の人が今でも苦手ですが、ドッグランでは自慢のスピードで他の犬達と楽しく走りまわっています。

引き取った翌年には、私に子どもが生まれお姉ちゃんになりました。最初からしっかり家族と認識し、娘と仲良く散歩にいったりボール遊びを楽しんでいます。

赤ちゃんと

笑顔

まとめ

犬を初めて飼う人にとって、社会へのリハビリが必要な里親になるということは少しハードルが高いかもしれません。しかし、子犬から育てることでそのハードルを少しでも下げることができるのでないかと思います。

  • 臆病な犬
  • 神経質な犬
  • 〇〇が嫌いな犬

もちろん様々なバックグラウンドがあると思いますが、保護犬でなくても上記のような犬はたくさんいると思います。どんな過程で迎えいれた犬でも、色々な犬がいます。

ニコが臆病なのは、ニコの個性なのだからそれを理解しよう、と家族と話しています。「保護犬だから」という言葉から「この子の個性なんだ」と受け入れてくれる家庭が多くなり、救える命が増えることを願っています。

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