牧羊犬とはどんな犬種のこと?
牧場などで羊を集める仕事をしている犬たちは“牧羊犬・牧畜犬”に分類される犬種です。牧羊犬・牧畜犬とは放牧されている羊などの家畜の群れを誘導したり、オオカミなどの外敵から守るよう訓練されている作業犬のこと。
野生動物が多い地域などでは大型の牧羊犬・牧畜犬(ガーディングドッグ)が重宝され見張り役を任されていますが、安全対策技術の向上など時代の変化とともに見張りよりも羊の誘導などがメインの仕事となってきたため俊敏な動きを持つ小型~中型の牧羊犬・牧畜犬(ハーディングドッグ)が増えてきました。
現在一般社団法人ジャパンケンネルクラブに登録されている牧羊犬・牧畜犬の種類は29種類で以下の犬種がそれに当たります。
- ウェルシュコーギーカーディガン
- ウェルシュコーギーペンブローク
- オーストラリアンキャトルドッグ
- オーストラリアンケルピー
- オーストラリアンシェパード
- オールドイングリッシュシープドッグ
- クーバース
- クロアチアンシープドッグ
- コモンドール
- サールロースウルフドッグ
- シェットランドシープドッグ
- ジャーマンシェパードドッグ
- スキッパーキ
- スムースコリー
- チェコスロバキアンウルフドッグ
- ビアデッドコリー
- ピレニアンシープドッグ
- ブービエデフランダース
- プーミー
- プーリー
- ブリアード
- ベルジアンシェパードドッグ
- ボースロン
- ボーダーコリー
- ポリッシュローランドシープドッグ
- ホワイトスイスシェパードドッグ
- マレンマシープドッグ
- ムーディー
- ラフコリー
牧羊犬が羊を集める方法
一人前になった牧羊犬・牧畜犬は一頭で約600頭の羊を誘導することができると言われています。一体、どのような方法で牧羊犬・牧畜犬は羊を集めて誘導しているのでしょうか?
多数の羊を集めて誘導する牧羊犬・牧畜犬には強靭な体力と俊敏性、トラブルが起きたときに対応するための判断力と冷静さ、言うことをきかない羊に対峙する気の強さなどさまざまな素養が必要となります。そしておすわりや待てなど基本的な訓練を徹底的に行い、その後に羊を追う訓練を行うことになります。
訓練はまず羊という動物そのものに慣れることから始まります。その動きの特徴や性質を見極める目をつけされ、羊の動きをコントロールするための知識を本能的に身につけさせるのです。具体的な犬の動きは飼い主が羊の群れを見ながら指示を出して、犬を前後左右に動かし羊の群れが崩れないようにして移動させることとなります。
そのため飼い主の誘導が羊を集めるための重要なポイントとなりますが、経験を積んだ牧羊犬・牧畜犬は自分の判断で微調整を行うこともあるようです。ちなみに、訓練の開始から羊を誘導する実践までには一般的に約半年~1年の時間がかかると言われています。
牧羊犬の仕事が見れる場所<関東>
マザー牧場
「ひつじの大行進」では約150頭の羊の群れが牧羊犬と羊飼いの誘導でダイナミックに行進する様子を見ることができます。
http://www.motherfarm.co.jp/(公式HP)
那須動物王国
「ニュージーランドファームショー」ではハンタウェイやストロングアイヘディングドッグなど日本ではなじみのない本場ニュージーランドからやってきた牧羊犬・牧畜犬の活躍を見ることができます。
https://www.nasu-oukoku.com/(公式HP)
伊香保グリーン牧場
伊香保グリーン牧場では日本一のスケールを誇る、本場ニュージーランド仕込みの「シープドッグショー」を楽しむことができます。羊飼いのホイッスルにあわせて山の斜面を駆け下りたり羊の上に乗るなどして100頭以上もの羊を集める牧羊犬・牧畜犬の姿は圧巻です。
https://www.greenbokujo.jp/(公式HP)
羊を集める牧羊犬に関するまとめ
飼い主と犬のチームワークで羊を集め誘導させる様子は圧倒的な迫力があり、牧羊犬・牧畜犬の魅力がいかんなく発揮されています。犬の能力と飼い主との信頼関係が感じられ、はるか昔から犬と人間が仕事を共にしてきたということが改めて思い起こされて、犬好きの私たちを誇らしい気持ちにもさせてくれるでしょう。すばらしい能力を見せてくれる牧羊犬・牧畜犬の姿を、ぜひ多くの人に見てもらいたいものです。