犬の身体的特徴について知っていますか?
動物にはそれぞれが生育していくために体に特別な働きを持たしていますが、最初に人間に飼われるようになった犬にも独特な身体的な特徴を持っています。
しかし、その特徴については、長い時間を共にしている飼い主でも気付かないことがあり、そのために誤解を生じている部分があります。そのような誤解を正しい知識にして、これからの犬との生活をよりいいものにしていって下さい。
五感に関する犬の身体的な特徴
犬には犬が他の動物よりも優れているところとして、嗅覚がとても優れているというのはほとんどの人が認識していることでしょう。
しかし、それ以外の部分については以外に知られていません。生物にとって生きて行く上で基本になる五感ですが、犬ではその五感についてあまり知られていないこととは何でしょうか。
視力はそれほど高くない
犬は嗅覚が優れていて警察犬でも活躍していますが、視力が以外に低いことは知られていない特徴の一つでしょう。
盲導犬で目の見えない人の役に立っているのでそのような印象が薄い感じがしますが、犬の一般的な視力は人間の0.2~0.3程度と言われています。
そのため数メートル先でもぼやっととしか認識することができなくなり、全体的な動きから判断しているようです。
色の区別は
また動物はほとんどがそうですが犬も色の区別ができず、色に対する認識ははっきりとは意識していません。そのため盲導犬が信号機の変化を判断するのは色からではなく、その変化から読み解いているのです。
動物は五感の一部分が特化して優れると、他の何かの部分を犠牲にする傾向が強くなります。人間の場合は視力が高度に発達したために、嗅覚や聴力は他の動物よりも低くなってしまっています。
味覚の感じ方が少ない
動物は基本的に食べ物を摂取するのは生きて行くためだけであり、人間のように味を楽しむという意味合いにはなっていません。
そのために犬も食べ物に関しては、食べやすい大きさに噛み砕きはしますが、丸飲みに近い形で飲み込んでいるので味そのものには興味を持っていません。
しかし、味覚を感知する味蕾という機能は持っていて、人間の五分の一程度しか機能はありませんが、味もある程度はわかります。ただし認識できるのは「甘味」「苦味」「塩味」だけであり、「塩味」に関してはほとんど感知できていないとされています。
塩分は人間だけでなく犬にも摂取しなければいけない成分なのですが、犬は食べ物よりも水に含まれる成分から塩を取っています。この水の成分を知るために犬などは「水味」という味覚を持っていて、この「水味」でイオン濃度の違いが判別できるため、ここで塩分を調達しているのです。
甘味と苦味
「甘味」は猫などの純粋な肉食動物は持っておらず、これは犬は雑食性で穀物や果物も好んで食べることに由来しています。
「苦味」に関しては動物は生命に危険のある食べ物の味を苦いと感じるようになっていて、ほとんどの動物は「苦味」という味覚を持っています。
身体的に犬が持っている特徴
犬は普段生活を一緒にしていても気付きにくい身体的な特徴があります。
この特徴は人間以外の動物には遺伝的に受け継いでいるものであり、機能的に足りない部分を補助している意味合いが強くなっています。そのため人間から見ると不便なように見えますが、それは体の構造そのものが違っているので仕方がないことなのです。
汗を肉球からしか出せない
体の表面に汗の出る汗腺を持っているのは人間と一部の動物だけであり、ほとんどの動物は汗をかくことができません。犬は猫と同じで肉球から汗を出すことができますが、人間のように体温を気化熱で下げるほどに出せるわけではないため、犬の場合はあまりに体温が上がると水の中に飛び込んだりします。
猫の場合は体温調節機能があまり高くないため、水の中に入るとあまりに体温が下がり上がらなくなるため、猫の場合は水に入るのをとても嫌うのです。犬の場合は下がった体温を上昇することができるため、水の中にも平気で入ることができますし、泳ぐことも動物の中では得意な部類に入ります。
舌の大きさを変えることができる
犬は体温を下げるため、気温が高い時などは舌をよく出しています。これは舌を出すことで唾液が気化されて涼しくなることを知っているからですが、実は犬の舌は体温を下げたい場合には広がるようになっているのです。この舌の大きさの変化は冬場と夏場を比較すれば一目瞭然であり、夏場には寒い時よりも相当に大きくなっています。
まとめ
人間に限らず全ての生物は、自分が生育するためにその体の構造を変化してきました。
それは他の生物からすれば機能的ではないと感じてしまう場合もありますが、生物は基本になるところは温存させて少しでも良くするために変化を行っていったのです。
犬の身体的な特徴もそのような生物学上の表れですが、人間と生活するためには不便さを生じさせてしまうでしょう。そこを補うのは飼い主の役目であり、本当の愛情と言えます。