世界中には働く犬が数多くいますが、日本での公共機関に従事している代表的な犬というと、やはり警察犬ではないでしょうか。
しかし、この警察犬はテレビ番組では出てきても、日常生活の中で見ることはほとんどありません。それでは名前は知っていても、その内容についてはあまり把握されていない警察犬について、その情報を紹介しましょう。
警察犬の歴史
警察犬は警察機構が構築されてから同時にできたものではありません。警察犬の歴史とは、どうなっているのでしょうか。
最初に警察犬を導入したのは
世界で一番初めに犬を警察業務に帯同させたのは、1896年のドイツでのヒルデスハイム市警察です。このときの警察犬の業務は、現在の日本のような犯人の追跡業務ではなく、警察官に同行してパトロールをすることでした。
日本で警察犬が採用された年
日本では1912年に、警視庁がイギリスから二頭の警察犬を採用したのが最初ですが、このときは犯罪捜査のためではなく、防犯目的の広報をするためでした。
現在のような目的で警察犬が警察に採用されたのは、警視庁が1940年に行い、戦争に伴って廃止されます。
復活したのは、1952年に嘱託で警察の外部機構の所管で行われていましたが、1956年には警視庁で直轄して採用されることになりました。
警察犬に採用される犬種は
警察犬には日本警察犬協会が指定する種類と、民間の嘱託警察犬として指定種類以外でも嘱託を受けることができます。指定種類と嘱託警察犬で登録された種類には、どんな犬がいたでしょうか。
日本警察犬協会が指定している種類
警察の直轄で警察犬として活動できるのは下記の犬種です。
- ジャーマンシェパード
- ドーベルマン
- エアデールテリア
- コリー
- ボクサー
- ラブラドールレトリバー
- ゴールデンレトリバー
頭がよくて人間に従順であり、好奇心旺盛な犬種が採用されています。
日本ではジャーマン・シェパードが一番多く採用されていて、最初はドイツで軍用犬として利用されていましたが、その能力がとても優秀だったので、警察犬でも中心的な役割を果たしています。
指定種類以外で嘱託警察犬になった犬種
指定種類以外でも、一定の警察犬としての能力を持っていると認められると、必要に応じて警察犬での任務を行う嘱託警察犬になれます。
今までに嘱託警察犬になったのは、ロングコートチワワ、柴犬、トイプードル、ミニチュアダックスフンドなどです。
愛玩犬で飼われている犬ばかりで、総合的な見地からすると指定犬種に比べると劣る部分もありますが、犯人の探索といった一定の役割に対しては、十分にその能力が認められています。
まとめ
犬が警察犬で働くのは、業務の内容を理解しているわけではないので、飼育員である警察官に対する忠誠心だけです。
自分がリーダーと認めている人の指示だからこそ、その人の命令に従って犯罪捜査に協力しているのであり、犬にしてみれば自分には何もメリットがありません。
犬には、他にも多くのことで人間は恩恵を受けているのですから、単なるペットと考えるのは失礼だとも言えます。