大変!愛犬の様子がおかしい
我が家の愛犬はウェルシュコーギーです。あれは1997年だったでしょうか、20年以上も前ですが、ちょうど小泉今日子さんの紅茶のCMが影響して、ウェルシュコーギーに注目が集まりだした時期に生まれた子でした。
今でこそ人気の犬種になりましたが、当時はまだまだウェルシュコーギーはメジャーではなかったのですが、なぜか知り合いにウェルシュコーギーのブリーダーさんがいらっしゃったのです。これこそ運命ですね、何の迷いもなくその可愛らしい子犬は我が家の一員になりました。
あれから12年の時が経ち、愛くるしかった子犬時代といつも一緒に遊んだ成犬時代を経て、我が家の愛犬も立派な老犬としての毎日を送っていました。
一日2回のお散歩が、私と愛犬が更に親密になれる時間でもありました。しかしあんなに力強かった足取りも、老化とともに弱り引っ張る事もなく私の後をついて歩く毎日です。
ある日自宅から出ていつもの散歩コースを歩いていると、突然立ち止まり座り込んでしまいました。なだめてもすかしても一向に立ち上がる気配がありません。
でも表情はコーギー特有のあのニコニコ笑顔です。頭をなでたり前足を握ったり、愛犬が喜びそうなことをいろいろと試してみたのですが、歩こうとはしません。
愛犬の異変には何となく気が付いたものの、原因が分からない私は「行くよ!」と強めにコマンドを出し背中に手を置きました。するとふだんは温厚な愛犬が、横たわりながら私の腕にかみついたのです。
幸いリードの持ち手がクッションになって牙をよけたので私は怪我をしなかったのですが、私に牙をむくなんて考えられません。
あの時は痛がる愛犬を、どのように抱きかかえたのかすら記憶にはないのですが、すぐに自宅に戻り動物病院へと向かいました。
愛犬の病気
クレートに入る事ができなかったため、丈夫なプラスチックケースにクッションを敷き、車に乗せました。痛いはずのその間も、表情はコーギー特有のあのニコニコ笑顔です。でも痛いはずなのですが・・・
診察台の上で先生の診察が始まります。ゆっくりと時間をかけて触診によって痛みの場所や神経の異常などを確認しているようでした。「これはヘルニアかもしれないね。」先生がおっしゃいます。
今はどうか分かりませんが20年以上前の当時はレントゲンを撮っても、骨の位置関係の異常は分かりますが、ヘルニアの確定診断はできないとのことで、レントゲンは骨の確認をするにとどまりました。
椎間板ヘルニア
先生の診断は軽度の椎間板ヘルニアでした。ヘルニアの確定や場所の特定にはもう少し高度な機器を使っての検査が必要とのことでしたが、かかる費用や愛犬の年齢を考慮してそれは行いませんでした。
椎間板ヘルニア、コーギーがなりやすい病気だという事は知っていましたので、体重管理や後ろ足で立つなどの行為は、人一倍気にして気を付けていたつもりでした。
内科的治療
椎間板ヘルニアの治療には手術という外科的治療方法もありますが、我が家の愛犬に選んだのは投薬による内科的な治療です。消炎剤や痛み止めの力を借りて、痛みの軽減を図りながら脊髄の機能の回復を願うものです。
その甲斐あってか、愛犬の症状は劇的によくなることはありませんでしたが、ゆっくりと歩く事ができるようになるまで回復しました。
しかし最後に先生が、「ずっと年を取った後、もしかしたら歩けなくなることもあるかもしれません。この治療は椎間板ヘルニア自体の治療ではないので、そのあたりはご理解くださいね。」ともおっしゃっていました。
愛犬介護の始まり
それからしばらくは散歩の距離を短くして、回数を減らす代わりに、外で軽く遊ぶことにしていましたが、段々と歩かなくなり、歩けなくなっていきました。
後ろ両足の麻痺
歩けなくなってから後ろの両足の麻痺が始まり、前足だけで体を引きずりながらほふく前進で進みます。それも意外と早いスピードで・・・
排泄も上手にできなくなったのでおむつをしていたのですが、ほふく前進でかなりのスピードで進むのですぐに外れてしまうのです。
ウッドデッキで
寒い季節は家の中でサークル生活でしたが、温かい季節にはウッドデッキを独り占めしていました。ウッドデッキは居心地がいいのか、よく転寝していましたよ!
移動するたびに足がこすれて傷がつくので、バスタオルをきんちゃく袋状に縫って、後ろ足にかぶせて保護します。
楽しみながらの愛犬介護
排泄が上手にできなくなってからは、おむつの交換やお風呂などそれなりに手がかかりましたが、あのコーギー特有のニコニコ笑顔は健在なので不思議と苦になりませんでした。
我が家にこの子をお迎えした時は、ちょうどコーギーの人気が出始めた時だったので、その後お散歩コースで何匹かのコーギーたちと出会う事ができました。
しかしどの子も、私の愛犬よりも後に来て私の愛犬よりも先に旅立っていきました。うちの子は介護ができるほど長生きをしてくれたのだと思うと大変さよりもうれしさの方が勝ります。
お別れの時
介護から2年が経ち、ほふく前進もできなくなった、2011年2月の終わりに我が家の愛犬は虹の橋へと旅立ちました。あれは東日本大震災の起こる少し前の事です。
今思えば、自由に動く事ができなくなった体であの大震災を経験しなくて済んでよかったと思います。もしも生きていたら、よほど怖い思いをしたことでしょうから。
幸せをありがとう
あの時のあなたとの出会いがあったから、今我が家には二代目のコーギーがいます。あなたとの生活がとても楽しかったから、二代目をお迎えする気持ちになったのです。
あなたにかけた愛情の続きを二代目にかけ続けるから、天国でちゃんと受け止めていてね!
終わりに
ペットが年老いて介護が必要になった時、私たちが少し肩の力を抜いて軽く楽しく行っていればそれはきっとペットたちに伝わります。
一生懸命になりすぎないで、でもきちんと見ていてあげて介護生活を楽しめたら素敵ですね!
我が家にも現在介護が必要な全盲で21歳の高齢猫さんがいます。愛犬の介護は2年続きましたが、終わってしまったらあっという間でした。今ではあの頃が懐かしくさえ思えます。
介護を頑張っている飼い主の皆さま!これからもきっと大変なことがたくさんありますが、一緒に適当に力を抜きつつがんばっていきましょう!