「Tタッチ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
これは犬に対するタッチ法であり、一定のやり方で触れることにより皮膚神経に刺激を与えます。これにより、体調や精神面で良い効果を生むというものです。
時間もかからずやり方も難しくないので、犬を飼っていらっしゃる方は一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ここからは、Tタッチについて詳しくご説明いたします。
Tタッチとは?
Tタッチとは、正式にはテリントンTタッチメソッドといいます。
1980年代に、馬のトレーナーであるリンダ・テリントン・ジョーンズという方により、考案されたものです。
パートナーとなる動物に一定の方法で触れることにより、ストレスを軽減したり、学習能力を高めたりするとされています。
身体をマッサージのようにほぐすのではなく、より軽く触れて皮膚の細胞や神経に働きかける方法です。
Tタッチについては、その効果や方法が記載された多くの本が出版されており、更にTタッチの認定資格もあるとか。
犬だけでなく、様々な動物に応用できるTタッチは、動物に多くの良い効果を生むため、基本のやり方を知っておくと便利です。
また、時間がなくても数分ででき、方法も簡単であるのも、世界中で支持される理由です。
Tタッチの効果
Tタッチでは、動物に対して様々な効果を得ることができるとされています。
- 集中力が高まる
- 学習能力が高まる
- 自制心を高める
- 心のバランスを整える
- ストレスを軽減する
- 問題行動を治す(噛み癖吠え癖引っ張り癖等)
- 信頼関係を築く
- 健康や長生きに
- 高齢犬のリハビリ etc.
Tタッチのやり方
基本のやり方
Tタッチは、基本的に時計回りに円を描くように、愛犬の身体を撫でていきます。
1周と4分の1ずつのペースで円形に、人差し指から小指までの4本の指の腹部分を使って撫でていきます。手はやや丸め、親指は犬の身体に添えておきます。
力は入れず、優しく体の表面を滑らせるようにして、皮膚表面の細胞に働きかけていきます。
これを、頭の先から尻尾まで、ゆっくりと順に行います。
これが、基本的なTタッチのやり方と言われています。
マッサージのように飼い主に優しく撫でられるので、犬にとっても気持ち良く、リラックスしてくるはず。
円形の撫で方以外にも、ジグザグ撫でや毛を挟む撫で方なども。
コツ
嫌がる場合は無理に行わず、手の甲を使ったり撫で方を変えたりして、その子に合ったやり方を探してみましょう。
臆病な子には、あまり目を見つめすぎずに横から近づき、そっと触り始めます。
犬の表情を見ながら、工夫して行っていきましょう。
強く力を入れないためにも、飼い主さん自身もリラックスして行うのがコツです。
部分的なTタッチ
Tタッチは、部分的な施術も効果的。
例えば、耳。
犬の耳には多くのツボがあるため、優しく耳の付け根から耳たぶにかけて触ってあげると、犬にとって気持ちの良いものとなります。
また、吠え癖や噛み癖のある犬には、口へタッチしたり(十分に注意し、危険な場合は控えてください)、怖がりな犬には尻尾へ優しくタッチしたり、激しい運動後には太ももに等、部分によって効果が違ってきます。
所要時間
Tタッチは、1日に10分程度行うのが良いとされますが、時間がないときは2分程度でも十分。
続けて行わなくても、1日数回に分けて行っても良いとされます。
人間にとっても犬にとっても、負担にならない範囲で行うことが大切です。
まとめ
犬に行うTタッチについてご紹介しました。
Tタッチは、効果を目的としなくても、犬と飼い主との良いコミュニケーションとなります。
時間を見つけて、毎日短時間でも行うと良いですね。
また、Tタッチには様々なやり方があり、本やセミナーなども多数あります。
気になる方は、より詳しく学ぶのもおすすめです。