愛犬の散歩道で見かけたチョークの文字
先日、愛犬と散歩をしていたところ、地面に白いチョークで何かが書かれているのを見かけました。「何だろう?」と思いチョークの文字を読んでみると、「○月×日 △:□PM ♂犬排尿」と書かれていました。
さらに、電信柱に向かって矢印も記されていました。
その電信柱はちょうど道の角にあり、犬のマーキングスポットになっている形跡が見られ、犬のマーキングを不快、迷惑に思う近隣の方が「マーキングはやめて」と、飼い主に訴えていることが察せられました。
そしてその数日後、ニュースで「イエローチョーク作戦」のことを知り、白いチョークで書かれていたものはその応用だと気づきました。私がイエローチョーク作戦のことを知ったのはごく最近ですが、皆さんはご存知でしょうか?
「イエローチョーク作戦」とは?
イエローチョーク作戦とは、路上に放置された犬のフンの周りを黄色のチョークを使って丸で囲み、フンを発見した日時も書き添えることで飼い主のモラルや心理に訴え、フンの放置をなくそうという取り組みです。
この作戦を最初に実施したのは京都府宇治市です。同市環境企画課の職員が、タイヤと地面にチョークで印をつける駐車違反の取り締まりをヒントに発案し、2016年から始めました。その後、全国の自治体に広がりを見せています。
インターネットでざっと調べたところ
- 東京都小平市、あきる野市
- 京都府宇治市、向日市
- 埼玉県戸田市、春日部市
- 大阪府和泉市
- 静岡県富士市
- 愛知県長久手市、尾張旭市
- 神奈川県大和市
- 福岡県久留米市
などでイエローチョーク作戦を紹介したり、協力者を募集したり、無料でチョークを配布したりしています。
最近では、愛知県名古屋市でイエローチョーク作戦の試行が始まったことがニュースになりました。同市では犬のフンに関する苦情が、年間600件にも上るといいます。
試行は年末まで行われ、来年度の本格的な実施に向けて検討されるそうです。
イエローチョーク作戦のやり方
では、イエローチョーク作戦はどのように行うのでしょうか?以下からご紹介します。
- ①黄色のチョークを用意する
- ②放置されている犬のフンの周囲にチョークで丸をつける
- ③丸の脇にフンを発見した日時を書く
- ④フンは片付けずに、時間をおいてフンの有無を再度確認する(フンがある場合は確認日時を書く、ない場合は「なし」と書く)
注意点は「許可なく私有地に書かないこと。」黄色のチョークを使うのは、夜間でも目立つようにするため、だそうです。環境にやさしい炭酸カルシウム製チョークの使用が推奨されています。
フンを片付けずに、あえてそのままにするのは、飼い主が再び訪れた際に、周囲が迷惑していることに気づき、自主的に回収するように促すためです。
イエローチョーク作戦の効果
低コストで手軽に始められるイエローチョーク作戦ですが、どのくらい効果があるのかが気になるところです。
イエローチョーク作戦を最初に実施した宇治市では、2017年1月に約30の地域で、合計約130個の放置フンが確認されていましたが、年末には何と、1割程度にまで激減したそうです。
これは大きな効果を上げていると言えますね。
チョークの丸で囲われたフンを犬の飼い主が見て、「他人の目がある」、「迷惑をしている人がいる」ということを認識し、フンを放置することに罪の意識を感じるのでしょう。
まとめ
今回は、犬のフン放置対策の「イエローチョーク作戦」についてご紹介しました。
この作戦はとても画期的ですが、そもそも犬の飼い主、一人一人がきちんと散歩のマナーを守れば、このような作戦を実施しなくても済みます。
「誰も見ていないから」、「自分一人ぐらい大丈夫」という気持ちは持たずに、飼い主としての責任と自覚を持って、散歩のマナーをきちんと守りましょう。
フンを持ち帰ることだけではなく、リードをつけて短めに持つことや、オシッコを水で流すことも忘れてはいけません。また、できるだけ自宅で排泄を済ませてから散歩へ行くようにすることも大切です。
飼い主一人一人がマナーを守り、人と犬が快適に共生できる社会を目指していきましょう。