生活の役に立つから
人間が犬や猫を飼いはじめた最初の動機は、言うまでもなく、生活の中で実用的に利用するためでした。
最新の研究によると、犬は約1万9000年〜3万2000年前のヨーロッパで初めて家畜化されたとされています。最初は狩猟のパートナーや家の番犬として、それから牧羊犬やソリ犬として、警察犬や盲導犬など現代に至るまで、その活躍の幅は挙げればきりがないほどです。
一方、猫の家畜化の歴史は犬よりも浅く、約5000〜7000年前のエジプトで、収穫物や貯蔵品をネズミから守るためにリビアヤマネコを飼育したのが最初といわれています。
ステータスになるから
古代から中世以降の世界の王侯貴族の間では、特定の品種の犬を飼育することが上流階級の特権とされ、ステータスとなっていた時代がありました。中国王朝におけるペキニーズ、フランス王室におけるビション・フリーゼ、イギリス王室のキングチャールズ・スパニエルなどが代表的な例です。
現代でも、高額な犬種をステータスとして飼っている人がいないとはいえませんが、それでも、ステータスとしてだけではなく、家族として愛情を持って接してほしいと願ってやみません。
子どもの教育になるから
子どもが産まれたことをきっかけに、子どもの情操教育に良いからという理由で犬や猫を飼いはじめる人も少なくないでしょう。現在の研究では、ペットを飼うことは子どもの免疫力を上げたり、体力をアップするといった身体的な効果もあるとまでいわれています。
イギリスの有名なことわざ「子どもが産まれたら犬を飼いなさい」にあるように、犬や猫は子どもと共に育つことで、命の大切さを子どもたちに教えてくれます。
共に暮らす家族がほしいから
一人暮らしが寂しいからといった理由や、子どもが独立して何となく寂しくなったからといった理由で、犬や猫を飼いはじめる人もいるでしょう。
私たち人間も、元を辿れば、「群れ」で暮らしてきた生き物です。本能的に群れを作ることを求め、群れの仲間すなわち家族と食事を分け合うことで幸せを感じるようにできているのです。
人間の家族を増やすことは簡単にできることではありませんが、犬や猫といったペットは家族として迎え入れやすい存在なのではないでしょうか。
愛おしい存在だから
犬や猫を飼う理由の最も単純で、けれど、究極の理由はやはり「好きだから」に尽きるのではないでしょうか。犬好き・猫好きにとっては、犬や猫はもはや、犬や猫であるというだけで愛おしい存在。幼い頃から犬や猫と暮らしてきた人には、犬や猫なしでの生活は考えられないといった人も少なくないでしょう。犬や猫がどれほど人間の心に寄り添い、癒しを与えてくれるかを一度でも知ってしまったら、犬や猫を自分の人生から遠ざけることは難しいのではないでしょうか。
犬や猫が「家畜」から「愛玩動物」となった現代社会では、この単純な理由ほど雄弁なものはないかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?あなたも一度、改めて、自分はどうして犬や猫を飼っているのかを考えてみませんか?はっきりした答えが見つからなくても、その答えを考えるだけで、あなたの愛犬との接し方が変わるかもしれませんよ。