迷子犬がいなくならない理由
最近は一昔前に比べると近所をウロウロしているような迷子犬を見ることが少なくなりました。しかし、だからといって飼い主がわからない迷子犬がいなくなったわけではありません。では、なぜ迷子犬がいなくならないのでしょう。
災害が頻発しているから
まず近年、迷子犬と呼ばれる飼い主がわからない犬が増えている原因として、地震や河川の氾濫などの災害が頻発していることが挙げられます。
毎年、大雨や土砂災害、そして地震などによって避難しなければならず、それによって犬が家に置き去りにされる、あるいは飼い主さんが残念ながら亡くなってしまい、途方に暮れた犬が周辺をウロウロしているといったところを保護されるケースが多くなっています。
ネットなどを使用して犬の飼い主さんを探していますと掲載されていることもありますが、それでも見つからずに迷子犬として引き取り手が現われない犬が増えているのです。
雷や花火に驚き脱走してしまう
迷子犬になってしまう犬の日常的な理由として、雷や花火などの突然の大きな音に驚き脱走してしまうという理由が挙げられます。
昔は屋外で犬を飼う家が多く、驚いた犬がそのまま道路に飛び出し迷子犬となってしまう事例が後を絶ちませんでした。今は屋内で飼われている犬が多いですが、窓を閉め忘れていたり、散歩中に雷が鳴り、驚いてそのまま走り出してしまい迷子犬になってしまうというケースが増えています。
マイクロチップを装着している犬の場合、保護されるとマイクロチップの情報を読み取り、飼い主に連絡が来るようになっています。しかし、マイクロチップを埋め込んでいないと飼い主さん探しが困難になるため、迷子犬として扱われてしまいます。
捨て犬がいなくならない理由
迷子犬も非常に可哀想な話ではありますが、迷子犬の場合、飼い主さんが後々見つかることもあります。しかし、捨て犬がまったくいなくならない現状は無視することができません。昔に比べると大きく減ったと言われていますが、それでも尚、捨て犬がいなくならないのも事実です。
悪質ブリーダーがいなくならないから
まず根本的に悪質ブリーダーがいなくならないという理由が挙げられます。育てられもしないのに、たくさんの犬を強制的に生ませ、売れなかった犬や引き取り手がいなくなった犬は捨ててしまうという残虐な行為を繰り返す人がいます。
他にもブリーダーではなくても自分の許容範囲を超えた多頭飼育をし、多頭飼育崩壊を起こすことで捨て犬が増えてしまう、保護施設に移送されてしまうという自体が今問題視されています。
環境省によって新たに法が規制され、悪質ブリーダーを取り締まるための大きな一歩とはなりましたが、この法の間をかいくぐって違法行為を行う悪質ブリーダーが撲滅しないという現状が残されています。
欲求だけで飼ってしまう飼い主が後を絶たない
ペットショップなどで犬を見ると、つい足を止めてしまうという方は多いのではないでしょうか。可愛い子犬たちがすやすやと寝ていたり、こちらをジッと見つめてくる姿はとても愛らしいと感じます。
しかし、中にはその瞬間の「可愛い」という感情だけで犬を家に迎えてしまう人もいます。通常、どれだけ飼育が大変か、どのくらいお金がかかるのかなどしっかり調べ、自分にできるかどうかを十分考慮した上で迎えるのですが、それをせずに飼ってしまう飼い主が後を絶ちません。
しっかり最期の瞬間までお世話をする人も多いですが、やはり「こんなはずじゃなかった」「しつけが全然できない」という理由で保健所に渡してしまう飼い主もいます。
犬を家族として迎えるのであれば、最期の時まで面倒を見るという事は大前提です。他にもどのようなお世話が必要なのか、どのくらいの費用がかかるのか、病気にかかった場合など、しっかり理解した上で迎えなければいけません。
飼い主が先に亡くなってしまう
近年、日本の高齢化が進んでいます。その一方で、飼い主が先立ってしまい、犬が家に1匹で残されてしまうという事態も増えてきています。引き取り手が見つからない場合、そのまま保健所に連れて行かれてしまうことが多く、そのまま里親が見つからなければ殺処分対象になってしまうことも考えられます。
高齢でなくても事故や病気などで急死する可能性も考えて、犬を迎える際はまず自分がいなくなってしまった際に引き取ってくれる家族などに話をしておくことが大切です。
まとめ
このように現在でも捨て犬がいなくなることはありません。理由は様々ですが、今回ご紹介した理由が主な理由です。今後、犬の飼い主さんになる人たちの意識が向上し、捨て犬はもちろん、迷子犬もいなくなるような世界になれば、と思わざるをえません。