飼いやすい「理想的な犬」とは?
みなさんにとって「理想の犬」とはどのような犬ですか?無駄に吠えず、言うことを素直に聞いて逆らわず、いつも機嫌よく遊んで誰ともどんな犬とも仲良く出来る。ご飯は何でも喜んで食べて健康を保ち、散歩もきちんと横について歩いて引っ張ることもない。家では穏やかにのんびりと過ごし、飼い主が悲しんでいる時はそっと寄り添ってくれる。絵本や映画に出てくる犬の中にはそんな天使のような犬もいますが、現実にはなかなか出会えるものではないと思います。特に飼い始めたばかりの子犬は、とにかく遊びたがりで言うことを聞かず、トイレのしつけやいたずらの対応にてんてこまいになることも少なくないでしょう。
飼い主の理想を犬に押し付けるデメリット
犬を飼う時に愛犬と一緒に「あんなことがしたい」「こんなところに行きたい」とたくさんの夢や理想を描いている人は少なくないと思います。特に犬を飼うことに長く憧れていた人にとっては愛犬との生活はとても楽しみだと思いますし、期待することもたくさんあるでしょう。しかしながら、ここまででも書いてきたように犬というのは、楽しく穏やかな時間を共有出来る相手であるとは限りません。犬全般のイメージや自分が思い描く犬の理想とはかけ離れた犬もいますし、そればかりは本当にそれぞれの個性によるとしか言えません。
犬にも人間同様個性があるといっても、思い描いていた愛犬との理想的な生活が送ることが出来なかったり、思っていた以上に手がかかったりすると期待が大きいほどがっかりしてしまうのではないでしょうか。がっかりしてしまったり「犬を飼うのって大変だな…」と感じてしまったりすることは当然のことであり、そう感じること自体は悪いことではないと思います。しかしそこで犬の個性に向き合わず、理想ばかりを押し付けて犬との関係性作りに失敗してしまったり、犬との関係性作り自体を諦めてしまうことは決してしてはいけないことです。
愛犬との生活を諦めないで
日本では犬の殺処分数が先進国の中では非常に多く、その理由が飼い主の勝手な都合であることが多いというのも特徴的です。最も多い理由は「引っ越しで犬を飼えなくなる」というものだとされていますが、それ以外にも「思っていたよりも大きくなった」「思っていたよりも手がかかる」「思うように育てられない」という理由とも言えないような理由で飼育放棄がされているのです。すでに生活を共にしている愛犬に対して自分の理想を一方的に押し付けること、また理想通りにいかないからと犬との生活を諦めるということは絶対にしないでください。
犬の個性に合わせた関わり方をしよう
犬に、そして犬との生活に理想を思い描くことは悪いことではありません。大切なのはその理想とはかけ離れた状況になった時、どのような対応を取るかということだと思います。理想通りであろうと理想とかけ離れていようとも、一度犬との生活を始めたらそれをやめるわけにはいきません。飼い主に出来ることは愛犬との生活をより心地よく、楽しいものにしていくためのしつけやコミュニケーション。愛犬の個性をしっかりと見極めて理解し、それに合わせた関わり方やしつけを行うことが大切です。その個性を理解して寄り添うことが出来ず悩んでいる時、どう接していけばいいかわからない時などは獣医師やドッグトレーナーなどのプロに相談するということもおすすめです。
飼い主が思い描く「理想の犬」についてのまとめ
犬との生活はとても楽しいものです。ですが、それ以上に大変なことや面倒なこともあると思います。そんな中で自分の思い描く理想の犬と異なるからといって愛犬に対してきつく当たったり、関係作りを諦めたりしてしまうことは飼い主にとっても愛犬にとっても不幸なことでしょう。犬を飼う前に理想を思い描くことは決して悪いことではないとも思います。ウキウキわくわくしながら愛犬との新生活をスタートすることは本当に楽しいものだと筆者自身もよく分かっているからです。しかし、理想を思い描くと同時に理想通りにはいかないかもしれないということも覚悟しておく必要があると思います。そして、理想の犬に育て上げるだけでなく、自分自身も愛犬にとって理想の飼い主になれるように一緒に育っていくことが大切なのだと思います。
最後に犬を飼い始める前に思い描く理想と飼い始めてから知る現実について、とても分かりやすく描かれた読み物を紹介したいと思います。東京都福祉保健局が出している漫画読本なのでお子さんのいる家庭などにもおすすめです。犬を飼うことを検討している人や、飼い始めてから理想と現実の違いに悩んでいる人はぜひ一度読んでみてくださいね。
犬を飼うってステキですーか?(東京都福祉保健局 動物愛護読本)
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kankyo/aigo/yomimono/dokuhon.html